NHK擁護派との泥沼論争
「はーふ・しりあす:NHKは「公共放送」なんです」に対するコメント (3)。「公共性という幻想」での論争の続きです。

学習塾ではなく勉強室にすればいい、といって、学習塾の不要論を唱えるのと同じ理屈で、公共放送は不要であると言おうと、あまり説得力はありません。
学習塾は公共の教育機関ですか。喩えとして説得力がありません。
貴方が「こうすればいい」という構想を持つのは立派ですが、かつて「共産主義」という構想が「実証段階」で見事に立ち行かなくなったように、客観的な事実を無視した構想がたどる運命は決まっています。
あなたの主張のほうがよっぽど共産主義に近いと思います。ちなみに、GHQのうち、アメリカは民間放送だけで良いと主張したのに対して、国営放送の必要性を説いたのはソ連で、戦後NHKが公共放送として存立できたのは、もっぱらソ連の共産主義のおかげといってよいでしょう。
自分としては、ディスカバリーチャンネルなどを「NHKの教養番組と変わらない質」ということにはまったく賛同いたしかねます。
例えば、NHKの「その時歴史が動いた」とか、明らかに大衆迎合的な低レベル番組だし、あれなら、ヒストリー・チャンネルのいくつかの良心的な番組のほうがましだと思います。この他、クイズ番組とか、NHKの低レベルな教養番組は枚挙に暇がありません。
貴方の考えが正しければ、すでに福祉、教育といった公共性の高い番組が、相当量のコンテンツとして存在し、必要なところに供給されていなければならないのですが、それがNHK以外には実在していないというのが私の見解です。違うというのでしたら、客観的な根拠を提示してください。
スカパーには、福祉に関しては、「医療福祉チャンネル774」があるし、NHK的な語学番組としては「ホーム : GLC 24時間英会話チャンネル」とかあるし、大学あるいは大学院レベルの教育番組としては、「放送大学CSテレビ」とかがあります。もしも、大学が営利企業になれば、放送大学が今無料でやっているような講義を、一般向けに有料で衛星放送やネット放送でやるようになるでしょう。
戦後、日本経済を成長させてきたのは、技術者や経営者たちの、自己犠牲的とも言える努力の結果であり、これは十分「公共心」といってよいもので、「利己主義」とはとんでもない見解です。そう思うのであれば、なぜ日本ではビルゲイツのような大金持ちが出てこなかったのか、それを客観的に論じてください。
「プロジェクトX」の見過ぎですね。日本人は、戦前は国のために、戦後は会社のために働きました。そして今では、自分のために働いています。個人レベルでの大金持ちも現れ始めています。個人の自立と選択の自由の拡大は、文明の成熟を測る物差しです。
ディスカッション
コメント一覧
> 例えば、NHKの「その時歴史が動いた」とか、明らかに大衆迎合的な低レベル番組だし、あれなら、ヒストリー・チャンネルのいくつかの良心的な番組のほうがましだと思います。
> 「プロジェクトX」の見過ぎですね。日本人は、戦前は国のために、戦後は会社のために働きました。そして今では、自分のために働いています。個人レベルでの大金持ちも現れ始めています。個人の自立と選択の自由の拡大は、文明の成熟を測る物差しです。
ヒストリーチャンネルのWebページにはこんなことが書いてあります。
> ヒストリーチャンネルの2005年を締めくくり、また2006年を迎える年末年始24時間放送企画!『プロジェクトX』『その時 歴史が動いた』『ラストデイズ』など、今年特に皆様の反響が大きかった人気シリーズの24時間連続放送を、12月30日から、新年1月3日まで、5日間連続でお送りします。
自己矛盾とは、こういうことを言うんでしょう。
一点お礼を申し上げます。
以前はメールアドレスを入れないと投稿できなかったようですが、入れなくても投稿できるようにしていただいたようですね。御礼申し上げます。
私の言っていることのどこが矛盾なのでしょうか。たぶん「ヒストリー・チャンネルのいくつかの良心的な番組」の「いくつかの」を見落としているのでしょう。これは、ヒストリー・チャンネルには、良心的とはいえない、興味本位の番組もあるということを含意しています。私は、NHKが有料で提供している番組は、民間でも有料で提供できるということを主張しているのであって、スカパーの番組が、すべてNHKよりも知的水準が高いなどとは主張していません。
ほほう。ということは、いつもは比較的質の高い番組を「いくつか」放送しているこのチャンネルが、どこの放送局も総力を挙げる年末年始に限っては、その「質の高い番組」をあきらめ、低レベルなNHKの番組を、「反響が大きかった人気シリーズ」といって、視聴者をだますような宣伝を打っているわけですな。「NHKの番組は低レベル」であるという意見にとって、すばらしく説得力のあるお言葉です。
そもそも、あなたの主張は貴方の「主観」そのものでしかなく、ほとんど根拠がないんです。自分でもそれがわかっているから、ヒストリーチャンネルというものを持ち出して、少しでも客観性があるように見せようとしたのがやぶへびになっただけのことでしょう。
> NHKが有料で提供している番組は、民間でも有料で提供できるということを主張しているのであって
「NHKの番組は低レベル」という主張から、明らかな論点のすり替えですな。もう一度、当該個所を読んでみましょうか。
> 例えば、NHKの「その時歴史が動いた」とか、明らかに大衆迎合的な低レベル番組だし、あれなら、ヒストリー・チャンネルのいくつかの良心的な番組のほうがましだと思います。この他、クイズ番組とか、NHKの低レベルな教養番組は枚挙に暇がありません。
誰がどう読んだって、番組の質を問題にしていることは明らかです。
あなた自身の中では、こんな矛盾に満ちた考え方でも、自分自身を納得させることができるのでしょう。いかにも「利己主義者」らしいと申しましょうか。
私は、低俗番組は嫌いですが、だからといって、私の選好を他者に押し付けてもよいのでしょうか。私が低俗番組だと思う番組を「面白い番組」と評価し、私が「レベルが高い番組」と評価している番組を「退屈な番組」と敬遠する視聴者もいるでしょう。こういう視聴者の価値観を無視してもよいのですか。
もしもかまわないと考えているなら、あなたは、私が定義する意味で「公共心」がありません。私は、公共性を、他者の利己心を満たすことで自己の利己心を満たすことを可能にする交換媒体の普遍性と定義します。したがって、私は、公共心と利己心は対立するものとは考えません。
論点のすり替えをやっているのは、あなたのほうです。私は、NHKと同じような番組を民間の有料放送は提供することができないというあなたの主張に反論するために、両者の類似性を指摘しているのです。
私がNHKを民営化するべきだと考えているのは、NHKの番組が大衆迎合的であるからではありません。公共放送は視聴者の選択の自由を奪い、供給の硬直化をもたらすから反対なのです。視聴者の自由選択の結果、低レベル(と私が判断する)番組が残っても、何も問題ではありません。
もしも、放送市場が完全に自由なれば、無料の一般向け番組、少し専門的な低料金番組、内容が高度で料金も高いマニア向け番組というように供給サイドは、需要に合わせて、セグメント化されるでしょう。他の分野の自由市場は、大概そうなっています。
>私は、低俗番組は嫌いですが、だからといって、私の選好を他者に押し付けてもよいのでしょうか。私が低俗番組だと思う番組を「面白い番組」と評価し、私が「レベルが高い番組」と評価している番組を「退屈な番組」と敬遠する視聴者もいるでしょう。こういう視聴者の価値観を無視してもよいのですか。
では、二度と「NHKの番組は低レベル」という趣旨の発言はなさらないと解釈してよろしいですかな。
> べつに、ここに挙げたような民法の番組が悪いとは言いません。私も御老公は大好きですし。でも、「公共の福祉」だとか、「豊かで良い放送番組」とは、あまりにかけ離れたものが、いくつか見受けられます。たしか、犯人当てはその後映像を使われた学校から抗議が来たと聞きましたし。
このように、私は、たしかにNHKの番組と他の放送番組とを、出来るだけ客観性を保つために同時間帯で比較した上で「どちらのほうが公共性を帯びているか、良質で豊かな放送番組であるか」という主張はしましたが、貴方のようになんら根拠らしい根拠も示さずに「明らかに大衆迎合的な低レベル番組」などというレッテル張りなどしていません。(ろくに人の記事を読みもしないで突っかかってきた人はいますけどね。)
これは大事なことですが、私は民放やスカパーが不要だという趣旨の発言は一度もしていません。ですが、あなたはNHKが不要どころか有害だという発言をしている。それなのに、私が提示した程度の客観性どころか、その主張に反するような根拠にまったく一貫性の無い反論にもならない反論を繰り返しています。
冒頭引用したようなことを貴方に言っていただけて、私は大変満足です。ぜひ、ご自身の発現には責任を持ち、客観的な根拠もなしに「視聴者の価値観」をないがしろにするような発言は謹んでいただけますように。
私の判断基準で言えば、NHKには、低レベルな番組がたくさんあります。例えば、子供向け番組は、子供向けだから、低レベルですが、だからといって、放送するべきではないとは言えないでしょう。大衆迎合的な番組についても同じことが言えます。
「その時歴史が動いた」は、歴史をドラマティックにみせるために、個人の一つの決断が、歴史を大きく動かしたかのようなに、歴史的事象を取り上げているのですが、実際には、個人の一つの決断で歴史が変わることはめったにないので、どうしても番組に無理が生じます。
プロジェクトXも、プロジェクトをお涙頂戴の感動的な物語に仕立て上げるために、かなり無理をしていました。最近、こんなこともありましたね。
———————————————————————
2005年5月10日放送の「ファイト!町工場に捧げる日本一の歌」で、取り上げられた側の大阪府立淀川工業高等学校が事実とは異なる点があるとして、訂正と謝罪を申し入れた。NHK側もこの回については行き過ぎた点があったとし、同年5月28日放送の番組「土曜スタジオパーク」でこれまでの経緯を説明し、担当部長が生出演して謝罪した。また、同年5月31日の番組終了後にも国井雅比古キャスターが謝罪のコメントを行った。ホームページからはこの回の紹介ページが削除され、放送された事実だけが残されている。
(Wikipedia「プロジェクトX~挑戦者たち~」より)
http://www.wikipedia.org/
———————————————————————
無理やりドラマ仕立てにすることは、明らかに大衆迎合的です。
ちがいます。私は、NHKが有害で不要と言っているのではなくて、特定放送局を規制によって優遇することが有害で不要と言っているのです。フェアな競争が行われていないことが問題なのであり、NHKという法人が問題なのではありません。もしもあなたのような熱心なファンがたくさんいるのなら、公的特権を剥奪されて民営化されても、NHKは生き延びるでしょう。フェアな競争にNHKが勝ち残ることができるなら、NHKの民間企業としての存続に何も異議はありません。
> 無理やりドラマ仕立てにすることは、明らかに大衆迎合的です。
結局、貴方はいったい何が言いたいんです?
貴方にとってNHK以上に優良な放送局っていったいどこにあるんですか?「ドラマ仕立て」にすることが「明らか」に「大衆迎合的」で「低レベル」なら、民放はおろか、ヒストリーチャンネルの番組なども、とてつもなく低レベルじゃないですか。ディスカバリーチャンネルなんて、その最たるもんでしょう。(もちろん、私は「ドラマ仕立て」だから「大衆迎合的」だなんて短絡的な考え方はしませんが。)「無理やりじゃない」なんて「主観的な」反論はしなさんなよ。
> 例えば、子供向け番組は、子供向けだから、低レベルですが、だからといって、放送するべきではないとは言えないでしょう。
何を頓珍漢なことを言っているんですか?「子供向けだから低レベル」って、貴方の言う「低レベル」って言うのはそういう次元でしかなかったんですか。もちろん、私は子供向け番組だから低レベルだなんていいません。
ここまで支離滅裂になると、自分も反論する気も失せますが、そもそも、あなたが「NHKの番組は低レベルだ」と言い出したんでしょう?私ははその客観的根拠を求めたのに、最後まで示せずじまいです。
とりあえず、「NHKが低レベルだ」ということは、貴方の主観でしかないことはもう認めるのですね。それなら、あなたの価値観が「マトモ」かどうかという問題でしかなくなります。それは読者が判断することですから自分もこれ以上は申しますまい。
これほど申し上げても「客観的な根拠」を最後の最後まで提示しなかった貴方の意見がどの程度の説得力を持つのか、とくとお考えください。
あなたは、ディスカバリーチャンネルやヒストリーチャンネルの番組をよく見た上で、こういうことを言っているのですか。それとも、番組は見ないで、「マイアミ美容形成外科」「親子2代の鼻整形」といったタイトルだけ見て、NHKよりも大衆迎合的だと判断しているのですか。ちなみに、私は、NHKとスカパーの両方の教養番組を数多く見たうえで、両者を比較し、同程度だと判断しています。
> あなたは、ディスカバリーチャンネルやヒストリーチャンネルの番組をよく見た上で、こういうことを言っているのですか。
もちろん、何度か見ています。監視しているわけではないですが、頻度的にはむしろNHKよりも、見ているかもしれません。嫁が好きなので。
これは個人的な感想ですけれど、ディスカバリーチャンネルにはこれまでどれほどがっかりさせられてきたか…なまじ、宣伝ばかり上手なせいで、おもいっきり失望するのです。あれが「大衆迎合的」でないのであれば、何が大衆迎合的なんだかと、正直思います。だから自分は「有料放送」にはあまり期待はしていません。
でも、それはあくまで個人的な感想です。言いたいことは山のようにあるんですが、「客観的な根拠」にならないからあえて挙げていないだけです。貴方と同じ次元に落ちようとは思いませんので。
何度も言わせないで欲しいのですが、貴方はいまだ「客観的な根拠」を提示していません。私は、「客観的な根拠」を求めているのです。
> それとも、番組は見ないで、「マイアミ美容形成外科」「親子2代の鼻整形」といったタイトルだけ見て、NHKよりも大衆迎合的だと判断しているのですか。
そもそも、「大衆迎合的」だとは言っていません。たしかに、「マイアミ美容整形外科」が、「公共性」や、「豊かで良質」な放送番組という点では、NHKよりも劣る、という趣旨では言っていますが。
では、NHKの「アザラシ」よりも、「マイアミ美容整形外科」は、「公共的」であるか、「豊かで良質」な番組であったというのですか?
自分はこの回ではありませんが、この「マイアミ美容」シリーズの番組を嫁に付き合わされて見ましたが、到底そうは思えません。もちろん、これは自分の「感想」に過ぎませんが、こちらのほうが「公共的」とか「豊かで良質」という人はあまりいないのでは?
まぁ、「あなたが」あなたの主観に基づけば、こっちのほうが「レベルが高い」と言ったとしても、驚きはしませんが。
こういう、主観の絡む議論で、できるだけ客観的な議論をしたいから、自分は「同時間帯」の「番組表の比較」という、条件を明示した上で、比較したところ、このような違いが出た、といっているわけです。そもそも、その結果に対して貴方が「民放とではなくディ・チャンネルなどの有料チャンネルと比較するべき」とおっしゃるから、仕方なく比較してみたのですがね。言い出しっぺは貴方ですよ。
その結果に納得されないとしてもそれは仕方ありませんが、それ以上に客観的な根拠を示すどころか、主観に基づいて、事実を無視して、ただ声高に主張を述べたところで、説得力はありません。自称哲学者、というのはこんなもんなんですかね。