公共性という幻想

2005年12月24日

はーふ・しりあす:NHKは「公共放送」なんです」に対するコメント (2)。「NHKはどのように民営化するべきか」での論争の続きです。

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NHK放送センター、東京都渋谷区神南" by Rs1421. Licensed under CC-BY-SA

繰り返しますが、NHKは「公共放送」であって、「有料放送」ではありません。どう違うかといえば、「有料放送」は、どこまでいってもお金を払う人のためのもの、公共放送とは、公共のためのものなのです。

NHKも、受信料を払わない人には冷たいです。

NHKは12日、公開番組の観覧募集を受信料負担者に限定する優遇策を導入すると発表した。歌謡番組を中心に来年3月までに1本、2006年度に10本程度の番組で導入し、受信料の不払い増加の抑制に結びつける。視聴者の反応をみながら、07年度以降、さらに導入番組を増やすかどうかを今後検討する。

この記事から判断すると、テレビを所有していないなど、正当な理由があって払っていない人も、排除するようです。

実際、NHKは福祉情報番組や教育番組に非常に時間を割いています。ごく小数の人しか見なくても、それがお金を持たない、あるいは払えない人であっても、「公共」のために必要であると考えれられるものを放送しています。実際、NHKには受信料を免除する制度もあるわけです。

低所得者のための受信料免除など、社会福祉的な役割を、民間の営利企業では果たせないと言いたいのでしょうか。そう主張する前に、国家でなければ、社会福祉の機能を果たすことができないのかどうかを考えてください。私は、民間の保険会社が、社会福祉の機能を代替することができると考えています。詳しくは、「社会福祉は必要か」をご覧ください。

戦前の「滅私奉公」の精神が国家を滅ぼし、戦後の利己主義が日本に繁栄をもたらしました。公共の利益を追求すると、公共の利益が損なわれます。公共性を否定することこそが、公共性の肯定になるのです。