郵政事業民営化は外資の陰謀か

2018年8月25日

世に倦む日日:郵政民営化とは本当は何なのか-公社分割と株式売却の中身」に対するコメント。郵政三事業は、外資が買収したいほど魅力的なのかどうかについて。

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私は6年前に「郵貯と簡保は民営化するべきか」や「郵便事業は民営化するべきか」で郵政事業を民営化するべきであることを主張し、今もそれが正しいと思っています。そのため、今回の衆議院選挙で、郵政事業の民営化が最大の争点になったものの、とりたてて新たにコラムを書く気にはなれませんでした。

むしろ、反対派がどのような理由で反対しているのかに興味があります。thessalonike さんという人が、「郵政民営化とは本当は何なのか」というコラムで、次のように言って、郵政事業民営化に反対しています。

郵政民営化とは郵政公社を分割して、その株式を民間企業に売却することである。350兆円の金融資産は政府ではなく誰かの手中に入る。兆単位の郵政公社株を買うカネを動かせるのは外資だけだ。公社株売却にあたっては、何社にも分割して売却するだろう。簡保と郵貯の二分割ではなく、郵貯の230兆円が何社にも分割されるに違いない。私の予測では、懼く新規に受け皿会社を何社か作るはずだ。

時価総額が大きいからといって、なぜ外資しか買うことができないのでしょうか。株式会社というのは、小額資本の持ち主でも企業の所有者になれるための制度です。郵政公社を民営化する時には、たぶん、電電公社や国鉄の時と同様に、一般公開されるでしょう。

仮に、外資ばかりが株主になったとしても、預貯金をうまく運用してくれるのなら、問題はないし、運用に問題があるのなら、解約すればよいだけの話です。もっとも、thessalonike さんが心配しているのは、預貯金をしている人のことではなくて、国内の融資先のようです。

問題はその受け皿会社が本当に資金を中小零細業者に貸付して、地域経済の循環や企業雇用の促進に貢献するかどうかだが、それも少し考えてみれば答えは簡単に出るはずである。ハゲタカならずとも堀江貴文社長がそんなお人好しの事業経営をやりますか。

中小零細業者でも、投資効率が良ければ、政府の保護がなくても投融資を受けることができます。投資効率が悪い企業を規制と補助金で守ることは、地域経済にとっても雇用にとっても、長期的に見て、好ましくありません。