5月 162005
 

港区赤坂四畳半社長(国益第一編):インターフェースの汎用化」に対するコメント。「ヒューマンインターフェースの汎用化」での論争の続き。何でもできるヒューマノイドロボットは、スイスナイフと同様に、何の役にも立たないのではないかという問題について。

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スイスナイフの一例。”Swiss Army Knife made by Wenger S.A. (model "EvoGrip S17", model no. 1.017.059.821)” by D-M Commons is licensed under CC-BY-SA

例えばHTTPやSMTPやPOPといったインターネット上の普遍的なサービスでもちいられるプロトコルは、根本的には人間がインターセプトしても理解できるようになっています。

私は、「人間にも理解可能なアナログ情報に変換することが非効率である」と言ったのであって、「人間にも理解可能なアナログ情報に変換することが不可能である」とは言っていません。ヒューマンインターフェースに転換可能であることと、ヒューマンインターフェースであることは同じではありません。コンピューターのハードの内部は、スクリーンに映し出されたアナログ情報を人間の目そっくりの受信機が読み取るという情報伝達をしていないので、ヒューマンインターフェースではありません。言葉の使い方が業界標準と異なるというのであれば、お詫びしますが、私が言おうとしたことはそういうことです。

そうそう、スイスナイフの話を最初にしていましたが、スイスナイフというのは万能な道具ではあっても、ナイフとしてもハサミとしても爪楊枝としても利便性が低い常に「帯に短し襷に短し」という道具なのです。だから登山のような特殊な環境でなければ使えないのは当然です。

私も、その意味で、ヒューマノイドがスイスナイフになるのではないかと考えています。

例えば、全自動の洗濯機は、一種のロボットだと思うのですが、ヒューマノイドが完成すれば、従来の洗濯機が使われなくなり、ヒューマノイドが、昔、洗濯機が普及する前に、人間がやっていたようなやり方で洗濯をするようになるのかといえば、多分そうならないだろうと思います。ヒューマノイドが完成する遠い未来においては、人間が使っている道具のほとんどが自動化されるでしょう。ヒューマノイドは、どんな人間の仕事も、昔人間がやっていた原始的な方法でできるけれども、どの専用自動機械よりも効率が低いので、使われないということになってしまいます。

もちろん、衣服を洗濯機にまで運ぶという作業を、ヒューマノイドにさせるという用途ならあるかもしれません。しかし、そこまで機械にやらせると、運動不足になってしまいます。人間が苦手な作業は非ヒューマノイドロボットに任せ、人間が得意な作業は人間が自らの肉体を動かしてやるというのが、健康面でも経済面でも望ましいのではないかと思います。頭脳労働についても同じことが言えます。

私は、ヒューマノイドに需要がないとは言いません。スイスナイフにそれなりの需要があるように、ヒューマノイドにもそれなりの需要があるでしょう。ただ、スイスナイフと異なって、ヒューマノイドの完成には、膨大な研究開発費がかかります。需要が小さいのに、はたしてそれを回収できるかどうか。

ロボットの使う道具がヒューマンインターフェースを持っていれば、既存の資産が活用できるという経済的メリットが出てきます。

[ヒューマンインターフェースの汎用化]

これは、ヒューマンインターフェースの汎用化のメリットとしてよく挙げられる点ですね。でもこれは、専用全自動機械が普及するまでの過渡的段階での話であって、過渡的段階のための技術に金と時間を使うのはどうかと思います。これから光ファイバーによるネット接続が普及するというのに、メタルケーブルの高度化のために、多くの金と時間を使うのと同じで、非合理です。

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