なぜ戦争は起きるのか(小学生向け)
グーグルで“戦争が起きる原因”をキーワードにして検索すると、「なぜ戦争は起きるのか」がトップでヒットします(2008年12月現在)。このため、なぜ戦争が起きるのか疑問に思っている小学生が、そのページに多数訪れるのですが、小学生に理解できるような内容ではないので、ここに小学生でもわかるように書いた説明を振り仮名付きで掲載します。

物を作りすぎるとデフレ型の不況になる
企業は、景気がよいとき、いくらでも売れると思って、たくさん物(商品)を作ります。
でも、たくさん作りすぎると、そのうちに、売れなくなります。
売れ残りが増えてくると、企業は、在庫を減らすために、値下げをします。
しかし、値下げをしても、あまり売れません。
買い手は、「もっと待てば、もっと値下がりするだろう」と思って、買い控えをするからです。
売れ行きが悪くなると、企業はもうからなくなり、労働者の賃金を低くしたり、解雇により労働者の数を減らしたりします。
労働者だけでなく、企業や土地の所有者も貧しくなります。
人々は、貧しくなると、消費を抑えようとします。その結果、物はますます売れなくなり、物の値段はさらに下がっていきます。
「もっと待てば、もっと値下がりするだろう」という予想は当たり、貧しくなった人々は、さらに買い控えをします。
こうして景気がどんどん悪くなることを、デフレ型の不況といいます。
戦争によるデフレ型の不況から脱却
デフレ型の不況から脱却するには、増えすぎた物と失業者を減らさなければいけません。
しかし、だからといって、政府が、自分の国の企業が作った物を壊したり、社会の役にたない、働いていない人を殺したりしたら、国民から非難されてしまいます。
そこで、政府は、敵対関係にある国を「テロリストの国」などと悪者扱いにして、国民が、不況の不満をぶつける標的を作り上げます。
悪者扱いされた国も同じことをします。こうして戦争が起きます。
戦争が起きると、国民は、一致団結して、外から来る危機に立ち向かおうとするようになります。
政府の指導者に対する国民の支持率も上がります。
仕事がなくて困っていた人も、兵隊として雇われるようになります。
かたみの狭い思いをしている失業者にも、戦争で手柄を立てて、出世するチャンスが来ます。
彼らのなかには、「役にたない落ちこぼれとして恥ずかしい生活を続け、飢え死にするぐらいなら、祖国を守る英雄として華々しく戦死し、国民から敬意をもって長く記憶される方が好ましい」と思っている人もいます。
だから、死ぬ危険性があっても、募集すれば、兵隊が集ります。
戦争はインフレ型の好況をもたらす
戦争が起きると、交戦国は、相互に物を壊し合い、労働者を殺し合って、物不足と労働者不足をもたらします。
その結果、物の値段も労働者の賃金も上がり始めます。
物の値段が上がり始めると、買い手は「今のうちに買わないと、もっと値上がりしてしまうだろう」と思って、買い急ぐようになります。
こうして、ものの売れ行きがよくなると、企業がもうかり始めます。
すると、労働者の賃金は、さらに上がり始めます。
労働者だけでなく、企業や土地の所有者も豊かになります。
人々は、豊かになると、消費を増やそうとします。その結果、物はますます売れるようになり、物の値段はさらに上がっていきます。
「今のうちに買わないと、もっと値上がりしてしまうだろう」という予想は当たり、豊かになった人々は、さらに買い急ぐようになります。
こうして景気がどんどん良くなることを、インフレ型の好況といいます。
インフレ型の好況が続くと、人々の生活が豊かになるので、それ自体は良いことですが、企業が調子に乗って、たくさん物を作り始めると、またデフレ型の不況になってしまいます。
ですから、戦争を起こさないようにするには、景気が過熱する前にそれを抑制し、物余りが起きないようにする必要があります。
ディスカッション
コメント一覧
う~ん…。戦争かあ、、、でもほんと日本は戦争しないっつといて良かったね。飢え死にとか、殺されるのもごめんだし。
ううわああ、、、。明日で夏休み終わるじゃん!みんな宿題ちゃんとやった!?あ、戦争はいけない事だとおもいます★
戦争って↑↓決めるためにやったわけでしょ
戦争はやって何の意味がある。人と人がお互いを殺しあって・・・
人を殺して何の意味があるのか考えてほしい
戦争が好きな人は世界中さがしても、まずいないでしょう。にもかかわらずどうして戦争はなくならないのか。それは戦争以外に自分の考えを通すテはないと思っている人々がいるからです。それでは、そんな人々にそんな考えを変えさせる方法はあるのか。「戦争は割りに合わない方法だ」と納得させ、話し合いにより決定する仕組みを、戦争という武力により承諾させるしかありません。したがってこの段階に到達するまでは、日本が巻き込まれるおそれの有る戦争がいつ起こっても不思議でないのが、現実です。日本人は、戦争が割に合わない方法であることを知らされた数少ない国として戦争放棄を世界に先駆け憲法にかかげました。しかし現状では「早出しじゃんけん」は必ず負けます。戦争はイヤだという本音を正直に態度で示してしまっては、戦争したい国の好餌となってしまうことは必定です。「攻めてくれば倍返すぞ」という意思を表示する。またその備えをする、このことこそ戦争に巻き込まれない平和の理想郷を実現できるただ一つの現実的な方法ではないでしょうか。わが国の憲法は、戦後日本人の正直な気持ちを世界に理解させる大きな役割を果たしてきました。おかげで、アメリカという大きな傘のもと、平和で自由でしかも比較的豊かな暮らしを送ることが出来ました。しかしアメリカも国益第一の国。これまで日本を守ってやることが自国の国益にあっていたからこその『大きな傘」の提供でありました。いつまでもこのようなラッキーな条件が継続することは奇跡でしょう。アメリカと同盟を大切にしながら、日本も自国の防衛は、出来るだけ自立して一人前の主権国家として行動できる憲法に変更する時期になったと認識することが、知恵有る国民といえるのではないでしょうか。
ドナルド・トランプを念頭に置いて言っているのですか。トランプは、在日米軍の駐留経費の負担増を日本に要求し、応じなければ撤退させる意向を表明していますが、仮にトランプが大統領になったとしても、米国は大統領の意向だけですべてが決まるわけではなく、議会の反対により、在日米軍の撤退や日本の核武装は実現しないでしょう。但し、現在のオバマ政権下においても、米国は日本により積極的な役割を果たすことを求めており、この傾向は、次にだれが大統領になろうが、変わることはないでしょうから、「アメリカと同盟を大切にしながら、日本も自国の防衛は、出来るだけ自立して一人前の主権国家として行動できる憲法に変更する時期になったと認識することが」必要という意見に異論はありません。
僕も、初めて戦争の恐ろしさを感じました。
自主学にまとめさしてもらいました。
ありがとうございます。
イスラミックステートはデフレ対策で戦争をしているの? 南北戦争もデフレ対策?
ISIS は、サダム・フセイン政権を支えていたバース党の残党がシリアのバース党とともに創設した疑似国家で、ブッシュ・ジュニア大統領がフセイン政権を相手に始めたイラク戦争の延長上にある戦争を戦っています。この戦争がリフレ政策的な性格を持っていたことに関しては、「ブッシュはなぜ戦争を始めたのか」をご覧ください。南北戦争(1861年-1865年)は、コンドラチェフ循環第二波のリフレ局面(1859-1864)で起きた戦争と位置付けることができます。
先生ありがとうございます。どうして経済政策のために戦争をするのかなって思いました。戦争をする人達は、「経済政策」の方が「人の命」よりも大事ってことですか?