9月 282010
 

福原泰平著『ラカン―鏡像段階』に対する私の書評に対する原名高正さんの批判に対する反論。5年前に私が提案した反日的韓国人パラノイア説の是非をめぐる議論。

image
ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦のブロンズ像。”Japanese Embassy in Seoul and watched from behind a bronze statue of comfort women” by Sakaori is licensed under CC-BY-SA

1. 韓国人による日本の模倣

■「朝鮮人たちは自らを大日本帝国臣民に同一化しようとした」っていう見解も、ご当人はご満悦のようだが、全然説得力がないとおもう。「親日派」とよばれる、日本につよい同化志向をもった一群がうみだされ、「日本臣民」になりきろうとした層が相当数にいたったことは事実だが、それが当時の朝鮮半島住民の大半などでないことははっきりしている。それだったら、当時の日本語おしつけ政策はもっと成功していたはずだし、「戦後、日本に同一化できなくなる」といった事態さえ、うまれなかったのではないか? 
■当時の朝鮮半島住民を概観するなら、圧倒的な軍事・警察力でもって制圧している帝国日本にあからさまに抵抗しても、かちめがないので(実際、1919年の「3・1運動」など、反日デモや抵抗運動は、ことごとく鎮圧・抑圧された)、面従腹背していたに過ぎないというのが、妥当なところだろう。
■当時の朝鮮人が「自らを大日本帝国臣民に同一化しようとした」といった断定は、帝国日本による植民地支配を美化したい右派日本人、あるいは当時の「親日派」の動向を正当化したい層の願望による、ねじまがった総括であり、それこそ、ねぶかい妄言として「精神分析」にあたいする。

もちろん、当時の朝鮮人は、自分たちだけで独立国を作ることがベストだと考えていたことでしょう。しかし、当時、それは現実的な選択肢ではなく、彼らは、日本の属国になるか、日本の一部になるか、どちらかを選ばなければならないという状況でした。その場合、(少なくとも将来的には)日本の内地と対等な立場になれそうな後者の選択肢を選ぶことは当然でしょう。私も、日本は、米国の属国という地位に甘んじるぐらいなら、米国の一部になった方がましだと思っています。属国化と併合は、似て非なるもので、後者の場合、朝鮮の経済的水準を内地レベルにまで引き上げなければならず、そのためには、膨大な財政支出が必要でした。このため、伊藤博文は、日韓併合に反対していたのですが、彼が暗殺されたことで、日韓併合が強行されてしまいました。日韓併合は、朝鮮の利益にはなったが、日本内地の利益にならなかったことに関しては、『歴史を偽造する韓国―韓国併合と搾取された日本』などに詳しく書かれています。

■ちなみに、韓国の戦後の諸制度のうち、おおくが日本のコピーであること、そのことを韓国民の相当部分がみとめたがらないことも事実だ。しかし、漢字文化からの自立をめざしたハングルなどをみればわかるとおり、韓国民のやることなすことが日本のコピーにすぎないなどという見解は、まさに妄言だろう。

李氏朝鮮時代においては、訓民正音(後のハングル)は、朝鮮の公式な言語ではなかったし、体系的な言語でもなければ、大衆に広く普及した言語でもありませんでした。福沢諭吉とその門下生、井上角五郎は、朝鮮人を中国の文化的従属から独立させるために、日本語の仮名に相当するハングルに注目しました。そして、井上は、「漢城周報」という官報に、初めてハングルによる漢文訓読体の文章を用いました。要するに、福沢と井上は、日本が、平安時代に日本がやった中国からの文化的独立と同じことを朝鮮にやらせようとしたのでして、ハングルによる中国からの文化的独立も日本のコピーと言えなくはありません。

■ついでにいうと、韓国の軍隊文化とか、1980年代までは確実に残存していたらしい警察のとりしらべにともなう拷問などは、ほぼすべて、帝国日本の「おきみやげ」である。それは、帝国日本の陸軍士官学校などで育成された「親日派」の相当部分が戦後韓国の実権をにぎったエリート層にほかならないからだが、そういった野蛮な「負の遺産」が脈々と戦後もひきつがれたことこそ、めをそむけたくなるような、しかし直視すべき日韓関係・日朝関係の証拠ではないのか?

目を背けたくなるような残虐な拷問をやっていたのは、むしろ李氏朝鮮時代の朝鮮人でしょう。日本は、朝鮮を近代化するために、1908年の法令改正で、拷問を禁止し、拷問した取調官に3年以下の懲役を科すことを決めました。ちなみに韓国の独立記念館が、蝋人形を使って展示している、日帝支配時代に行われていたとされる拷問の様子は、李朝朝鮮時代に行われていた拷問を再現したものです。自分たちの加害行為を被害行為へと鏡像的に反転させる彼らのパラノイア的思考が「ラカン―鏡像段階」の主題なのです。

■韓国人にかぎらず朝鮮人も(ま、民族はおなじだけど)、自覚できない次元でも日本のコピーをしてきたんでしょう。なにしろ、マルクス主義と理念的に矛盾するはずの個人崇拝とか世襲とかを天皇制からパクったんですから(笑)。

■でも、近代天皇制自体がキリスト教のパクりだし、日本民族にそんなオリジナリティがあるわけじゃない。
■いや、戦前戦後をとおして、アメリカのマネばっかりしてきましたね(笑)。
■アメリカ人は、日本人にむかって、「オレたち、うらやましいだろ。正直にいえよ。マネばっかりしてさ」などと、イヤミはいいません。日本語のなかにも、カタカナ語として、英米語が大量に流入しているしね。大和魂は風前のともしび(笑)。

知的財産権の侵害にならないのなら、真似しても問題ないと思います。ただ韓国人が、剣道のような、実際には起源は日本で、韓国はそれを模倣したものの起源が韓国にあると主張し、日本はそれを模倣し、盗用したといった宣伝を世界に向けてするのは問題だと思います。こういう韓国起源説も、パラノイア患者に特有の鏡像的な反転から説明できます

2. 日本への憧れと日本への憎悪の共存

■この評論家氏、「韓国人は、日本に憧れているのだが、だからこそ、日本人が憎い。韓国は、日本のようなアジア最高の先進国になりたがっているのだが、だからこそ、日本が目障りなのである」と、きめつけているが、その根拠は「2004年9月の中央日報による世論調査によると、韓国人が一番嫌いな国として挙げたのは日本で、2位の米国の倍近くあり、最も見習うべき国も日本がトップで、2位の米国の倍以上の割合だった」という報道らしい。
■この統計データのあつかいについては、慎重にならねばならないが、同一の回答者が、日本を「一番嫌いな国として挙げ」、同時に「最も見習うべき国も日本」とこたえたという保障はない。こういったデータを、「愛憎なかばする意識」といったくくりかたをするのは、「精神分析」派のわるいクセで、完全に「メタファーとしての個体」の欠陥が露呈している。
■ハラナがおもうに、「最も見習うべき国も日本」というのは、日本がすきで同一化したいとねがっているというより、モデルとして欧米をえらぶのは非現実主義的であり、東アジアのモデルケースとして試行錯誤をつづけてきた日本を無視するのは得策でないという、知恵のあらわれにすぎない。評論家氏、やはり、韓国にすかれているとおもいたいらしい(笑)。

たしかに、一番嫌いな国として日本を挙げた人と最も見習うべき国として日本を挙げた人は、必ずしも同じではありません。ただ、反日的な報道を繰り返す韓国のテレビ局が、日本のテレビ番組のアイデアを盗用した番組を大量に流しているとか、韓国政府が制作した竹島のCMに、「独島の守護神」として登場したテッコンVが、日本のマジンガーZそっくりであるとか、普段自国内では日本の悪口を言っている韓国人が、海外に行くと日本人のふりをするとか、反日的な人が日本の模倣をするという個別事例はたくさんあり、したがって、「日本は嫌いだけれども、見習うべきだ」と考えている韓国人は、確実にいるといってよいでしょう。

憧れの対象が憎悪の対象でもあるというのは、一見すると矛盾しているようで、実は、そうではありません。例えば、今、あなたが男性だとして、ある女性に一目ぼれした後、彼女に彼氏がいることを知ったとします。その時、あなたはその彼氏に対してどのような感情を抱くでしょうか。一方で「あの男のように、彼女の愛を独占したい」という憧れの感情を持つと同時に、他方で「あんな野郎死んでしまえ」という感情も持つことでしょう。彼氏が死ねば、あなたが、彼女の愛を独占できるかもしれないから、この二つの感情は、同じものです。韓国人が、一方で「日本のような、アジア最大の先進国になりたい」という願望を持ちながら、他方で、「日本列島なんて沈没して無くなればよいのに」という願望をも持つのも同じ理由によります。

もちろん、韓国人が、日本の長所だけを取り入れるというのなら、問題はないでしょう。しかし、日本そのものになろうとすることはナンセンスです。本物の日本になることは、現在の日本が存在する限り不可能ですから、勢い、「日本人はみんな死んでしまえ」といった過激な反日思想につながってしまいます。だから、日本以外の様々な国の長所を参考にしながら、独自の国づくりをするというのが一番健全な方法でしょう。

原名さんが、「メタファーとしての個体」という言葉で何を言おうとしているのか、リンク先が切れているので、わかりませんが、たぶん、韓国と個々の韓国人は別で、韓国という国をあたかも一人の人間であるかのように精神分析するのはおかしいということだろうと思います。しかしながら、私がしようとしていることは、韓国という国と自己同一をしているナショナリストの精神分析ですから、この批判は当たりません。なお、断るまでもないことですが、韓国人が全員反日的というわけではないし、ナショナリスティックであるというわけでもありません。あくまでも反日的な韓国のナショナリストに対象を限定した分析です。

最後に、原名さんは、私の精神分析までしてくれているけれども、なんだか、ストーカー被害を訴えに来た女性に向かって、「お前は、本当は、自分がもてる女だということを自慢したいだけなんだろう」と言う警官みたいで、かなり的外れです。もちろん女性なら、男性にもてたいと思うでしょうが、だからといって、ストーカーに追い回されるといったことは、表層でも深層でも欲望していないでしょう。私も、日本が韓国が憧れるような国になること自体は、好ましいことだとは思いますが、だからといって、韓国が日本にストーカー行為をするといったことは、表層でも深層でも欲望していません。なお、「ストーカーは何を求めて付きまとうのか」でも書いたことですが、ストーカー行為は、パラノイア的な被害妄想に基づいており、反日的韓国人の日本批判も、ストーカー的性格が随所に見られます。

3. 韓国人が反日病から脱却する方法

■さて、この「書評」の結論部は、こうむすばれる。
「……私は、韓国人の自我に向かって「未来志向の日韓関係」を呼びかける代わりに、韓国人のエスに向かって次のように語りたい。日本コンプレックスに固執する限り、いつまでたっても日本の劣化コピー以上のものになれない。日本など眼中にない独自の発展を遂げる国になって、初めて、韓国は自立した国になれる、と。」
■最後の「日本など眼中にない独自の発展を遂げる国になって、初めて、韓国は自立した国になれる」という箇所は、一片の真理はかたっているとおもう。
■しかし、「自分たち日本人が韓国人にいつも優位にたち、韓国人が劣等感にねざした愛憎なかばする意識にとらわれている」といった独断こそ、「精神分析」にあたいするとと、ハラナはおもう(笑)。

ラカン―鏡像段階」を書いてから、すでに5年以上が経ちました。当時と比べると、日本と韓国の差は、かなり縮まりました。分野によっては、韓国が日本を上回っています。そのため、今年は、日韓併合条約の締結100周年ですが、反日感情は高まっていません。

日韓併合条約の締結から100年となった22日、韓国の聯合ニュースは、サムスンやLGなど韓国を代表する企業が世界市場で日本企業を追い抜いたと指摘、「過去の対日コンプレックスを乗り越え、世界市場で日本企業を負かしたという朗報が、国民に希望を与えている」と伝えた。

韓国では、100年を機にした反日感情の高まりは、特段見られず、関心の対象が日韓間の過去の問題より、未来に向き始めているように見える。

背景には、経済やスポーツが好調なほか、今年11月の主要20か国・地域(G20)首脳会議や、2012年の「核安全サミット」開催国となるなど国際政治における地位も向上、国民の自尊心が満たされていることがある。

[読売新聞(2010年8月23日)日本企業負かしたから…韓国で反日感情高まらず]

韓国が日本を凌駕した事例として、世界最大の電機メーカーとなったサムスン電子や東アジアのハブ空港となりつつある仁川国際空港などを挙げることができます。これらは、たんなる日本の模倣ではないからこそ成功したのであり、韓国人は、将来、こうした成功により、パラノイア的な反日病から脱却できるようになるでしょう。

このページをフォローする
私が書いた本

  7 コメント

  1. 韓国が日本を凌駕したのは、韓国人がグローバル化に徹底的に適応したからだと思います。
    今日の日本人にとって、韓国人は脅威であり、お手本でもあります。
    朝鮮半島の国は、長い間、中国の属国だったため、韓国人は、自分たちの文化をあまり育てていません。だから、自分たちの文化に執着することなく、グローバル化に徹底的に適応することができました。
    それに対して、日本人は、自然の障壁に守られていたため、自分たちの文化を成熟させることが可能でした。しかし、皮肉なことに、日本人は素晴らしき自分たちの文化に異常なほどまで執着して、グローバル化の現実から逃避しています。そして、それが「ガラパゴス化」と揶揄されています。
    日本人は、高をくくらず、自分たちの敗北を認めて、韓国人を見習うべきです。
    江戸時代の末期、黒船は東(アメリカ)からやってきましたが、今度は西(中国と韓国とインド)からやってくるでしょう。そしたら、明治時代、日本が西洋諸国と肩を並べようとするのと同じように、グローバル化に適応するようになればいいと思います。

  2. 日本人にも、日ごろは公務員批判・役所批判をしているくせに、自分の子どもには公務員になってほしいと考えている人がたくさんいます。
    それと似たような話でしょうか。

  3. “日本人にも、日ごろは公務員批判・役所批判をしているくせに、自分の子どもには公務員になってほしいと考えている人がたくさんいます。それと似たような話でしょうか。”
    パラノイア的な人は世界中どこにでもいます。一般的に言って、被害妄想は、もしも自分が相手の立場にあるならば、自分がするであろうことの一方的想像であって、だからこそ、自他の欲望が鏡像的に入れ替わっているわけです。
    “日本人は、高をくくらず、自分たちの敗北を認めて、韓国人を見習うべきです。”
    日本が小泉首相、韓国が盧武鉉大統領だった頃と比べると、日本が鳩山首相で、韓国が李明博大統領の時代になってから、日韓の政治力が逆転し始めたように思います。
    米国が指摘したように、鳩山由紀夫は、日本版盧武鉉でした。
    “米軍普天間飛行場移設問題をめぐり、鳩山由紀夫首相の迷走が続く。「国と国との契約」(政府高官)である日米合意よりも、国内事情にすぎない社民党との連立維持を優先させる政治手法は、日米同盟に深刻な亀裂を生んだ。米国と距離をとり続けた韓国前大統領との相似ぶりから、米側からは「鳩山は日本の盧武鉉(のむひょん)だ」との見方が日本側に伝えられている。
    「米国との関係は完全に冷え切るだろう。盧前政権時代の韓国のように…」
    米国が強く求めていた移設問題の年内決着を鳩山首相が事実上、断念した3日夜、政務三役の一人はこうつぶやいた。そして、「民主党政権だと思っていたら社民党政権だった」と漏らした。
    首相は、米国との「対等な関係」を強調し、「日米同盟をレビュー(再検討)したい」と述べている。これは、「米国にも言いたいことは言う」として、基地問題をはじめとする対米関係の見直しを主張した左派・革新系の盧前大統領とその言動が重なる。
    また、首相は「世界の架け橋となる」と語り、東アジア共同体構想を唱えているが、これも盧前大統領の「東アジアの均衡者(バランサー)になる」という言葉と共通する。”[産経新聞:2009/12/04]
    本人は、祖父、鳩山一郎の反米路線の模倣をしたつもりなのでしょうが、結果的には、まるで韓国の真似をしているかのようです。鳩山が首相を辞めた後も、民主党政権の路線は、大して変化していません。
    他方で、李明博は、韓国版小泉純一郎といったところで、盧武鉉時代に悪化した米韓関係の修復に努め、国内では竹中改革を遂行中です。

    日経新聞:2008/06/27

    韓国青瓦台(大統領府)は26日、李明博(イ・ミョンバク)大統領が竹中平蔵・日本経済研究センター特別顧問(慶大教授)に大統領への助言役を担う「国際諮問委員」を委嘱した、と発表した。李大統領は公営企業改革の必要性を訴えており、小泉政権で郵政民営化などの改革推進を支えた竹中氏に白羽の矢を立てた。

    日本の政治と韓国の政治が完全に入れ替わってしまいました。

  4. “韓国が日本を凌駕した事例として、世界最大の電機メーカーとなったサムスン電子や東アジアのハブ空港となりつつある仁川国際空港などを挙げることができます。”
    “日本が小泉首相、韓国が盧武鉉大統領だった頃と比べると、日本が鳩山首相で、韓国が李明博大統領の時代になってから、日韓の政治力が逆転し始めたように思います。”
    “日本の政治と韓国の政治が完全に入れ替わってしまいました。”
    韓国は日本を凌駕した例はいろいろありますが、その中でも顕著なのが芸能界です。2004年から韓流ブーム起こり、ペ・ヨンジュンやチェ・ジウなどの俳優をはじめ、東方神起やKARAなどのアイドルグループが活躍しています。そもそも、日本の芸能界・テレビ業界・音楽業界・映画業界は斜陽産業だと思いますが。
    私は、韓国はあらゆる点において日本を凌駕すると思います。そして、韓国はアジア最大級の経済国家になるでしょう。
    それに対して日本は、経済が崩壊して世界最悪の最貧国になるでしょう。
    緩やかに衰退する日本経済を見ていると、希望が持てなくなります。
    政治は、馴れ合いや利権がらみで腐敗し、政治討論を見ていると、政治家が駄々をこねる幼稚園児に見えます。
    若者のほうも、引きこもりや常識を知らない「名ばかり大学生」が増えています。舌足らずな言葉遣いや絵文字の多用が目立つmixiのプロフィールを見て、若者が幼児化しているように感じます。
    今日の日本で社会問題になっている自殺ですが、自殺者数のデータを政府が捏造している噂があります。[日本の自殺者数は年間10万人超え?]

  5. 芸能界における韓流ブームは、日本およびもともと日本の文化的影響力が強かった東アジアに限定されます。これに対して、欧米では、韓流ブームは起きていません。むしろ日本のポップカルチャーの方が影響力があるぐらいです。では、なぜ日本では、韓国系芸能人がもてはやされるか、これに対する私の回答は、「芸能人とはいかなる存在か」にあるので、参照してください。
    スポーツの分野での韓国の躍進も目覚しいものがありますが、スポーツとか芸能における格差は、国家の競争力の格差の結果であって、原因ではないので、あまり気にする必要はないでしょう。私が、日韓の政治力の逆転で一番気にしていることは、日本が、自由貿易の拡大という点で、韓国に遅れを取っていることです。
    “電機や自動車などの韓国企業は今、世界中の市場を席巻している。
     「サムスンの3Dテレビが値下がりしましたよ」
     ドイツ最大の家電量販チェーン「ザトゥーン」のベルリン店舗で担当者の声が弾んだ。展示コーナーには韓国サムスン電子の3D対応モデルがソニー製より約10%安く売られている。
     欧州の薄型テレビの出荷シェアはサムスンとLG電子の韓国勢が1、2位を独占し、3位にソニーという順位が定着。韓国は6日、欧州連合(EU)との間でFTAに署名した。来年7月の発効から5年以内に韓国からEUへの輸出関税率はほぼゼロとなり、日本勢の逆転は絶望的となる。ソニー・ヨーロッパ幹部は「円高もあり日本の独り負けだ」と悲鳴を上げる。
     18日の政府の国内投資促進円卓会議では、日本自動車工業会が出したデータが関係者に衝撃を与えた。日韓両国が、FTAや経済連携協定(EPA)を締結したり交渉中の相手国・地域を比較したものだ。それによると、韓国側はこれらの協定で約4千万台の市場に足場を築く一方、日本は5分の1の800万台。自動車業界関係者は「政府に早くTPP交渉に参加してほしいというメッセージだった」と打ち明けた。
     「米国など9カ国が交渉中のTPP参加に向けて背中を押したのは韓国の躍進だ」と経産省幹部。韓国にとってEUとのFTAは米韓FTAに次ぐ成果で、欧米との交渉も始まっていない日本との差は歴然だ。
     韓国の法人税率が24・2%なのに対し日本は40・69%。日本には円高の逆風も吹く。貿易自由化で韓国の後手に回り続ければ、日本企業には“三重苦”だ。
     さらに「韓国のTPP参加は時間の問題」(経産省幹部)とされ、カナダ、メキシコ、タイも関心を示しており、APEC交渉筋は「参加国との関税撤廃が一気に進むTPPへの参加は必然だ」と強調する。”[産経新聞(2010.10.22)“仮想敵国”は韓国 TPPで一気追撃促す産業界]
    これだけ問題が深刻だというのに、民主党内には、TPPをはじめとする貿易自由化に消極的な議員が多数います。
    “菅政権が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加を検討していることを巡り、民主党内で「農家は自由化に耐えられない」との反発が強まっている。
     21日には、9月の党代表選で小沢一郎元代表を支持した議員らが中心となって勉強会を開き、「反対」の声を上げる方針だ。
     21日の勉強会は、小沢氏を支持する中堅・若手議員が発起人となり、代表選で小沢氏を支持した鳩山前首相、山岡賢次副代表、山田正彦前農相といった面々のほか、国民新党の亀井代表も出席予定だ。
     小沢氏はこれまで、戸別所得補償制度など農家を支援する政策を推進してきた。小沢グループの議員からは「TPP参加は小沢氏が敷いた路線に逆行するものだ。首相が強引に進めるなら、政局になる」との声も出ている。”[読売新聞(2010年10月20日)「小沢氏の路線に逆行」TPP参加反対集会計画]
    菅直人首相や仙谷由人官房長官は、その出自から左翼的といわれますが、TPP問題を見てもわかるように、小沢グループや国民新党と比べると、自由主義的なようです。小沢一郎さんは、『日本改造計画』で自由主義的な主張をしていたし、戸別所得補償制度も貿易自由化とセットで唱えられていたものでしたが、彼の取り巻きには保護主義者が多いようです。

  6. 日本人がグローバル化を拒み続けるのは、グローバル競争で勝つ自信がないからでしょう。
    20年も続くデフレの中で、日本人は自分に対する自信を失いました。明るい時代を知らないゆとり世代はなおさらです。
    また、大人の社会であるグローバル社会は、幼児的な日本人にとって生きづらい社会です。
    歴史的に考えて、韓国人は、日本人よりも精神的な面で遥かに成熟しています。
    日本人は中国人や韓国人に去勢されて幼児的万能感を捨てるべきでしょう。
    “長引くデフレが日本の経済面のみならず社会面にも悪影響を及ぼしているという事実が客観的に書かれています。非常に長い記事なのですが、正鵠を射ていると思うので、以下に記事の要点だけあげます。
    ●1980年代の日本はアジアを代表する国だったのに、今や低成長とデフレに喘いでいる。20年で経済状況がここまで悪化してしまった国は、近年では日本しかない。
    ●過剰債務の解消に苦しむ米国も日本と同じ途を辿るのだろうか。多くのエコノミストは否定的だが、デフレの罠にはまって“日本化”(Japanification)してしまう危険性を指摘する声もある。
    ●デフレは日本人に悲観論、運命論、将来期待の低下といった文化を刷り込んでしまった。最大のインパクトは自信の喪失である。20年前のような野心はなくなり、疲労、将来不安、重苦しいあきらめの雰囲気が充満している。
    ●昨年の政権交代など、日本もようやく危機に目覚めつつあるが、手遅れかもしれない。良い時代を知らず、仕事の安定や生活水準の向上といった、かつては当たり前だった価値観をあきらめた若者世代を作り出してしまったからである。生活水準が徐々に低下する中で、若者の間では倹約が当たり前となり、若い男子は草食動物と言われたりもする。
    ●世界が日本から学ぶべき教訓は、デフレが長引くと、かつて繁栄しダイナミックであった国も、深刻な社会的・文化的な退潮に陥るということである。今や日本人は将来に悲観し、リスクを取ることを恐れ、消費や投資にも後ろ向きになってしまった。
    ●デフレは資本主義経済に必要なリスクテイクの精神を破壊し、“創造的破壊”の代わりに“破壊的破壊”を台頭させてしまった。”
    [「大人、もっと頑張れ!」中学1年生作家とNYタイムズに見抜かれた
    “デフレ日本”に巣食う大人たちの甘え|ダイヤモンド・オンライン
    ]

  7. 心理的なデフレは、経済的デフレの結果であって、根本的な原因ではありません。逆に言うならば、経済的にインフレになれば、心理的にもインフレになるということです。

 返信する

以下のHTML タグと属性が利用できます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

/* ]]> */