素数分布の研究

2018年8月25日

私の父が、自分のサイトで「素数分布の研究」を公開しました。「半年かけて完成させた独自の試みなのに、誰も見に来てくれない」とぼやいています。そこで、依頼を受けて、これを紹介することにしました。興味のある方は読んでください。なお、この研究に対する質問などは、ここに書いてくれれば、本人が答えてくれます。

1. 解説

素数分布とは自然数Nの中に素数がいくらあるかを表したもので、一般にπ(N)という関数で示されます。これは下の図の通り、階段状のグラフとなり、従来、それを正確に求めるのは極めて難度が高いとされてきましたが、この研究では、それをコンピュータを使わずに、エクセル表で計算できるようにしています。また近似式では、素数定理がありますが、この研究は、簡易補正式で精度を上げることを試みています。また素数間の差が2である双子素数についても、その分布の近似式やπ(N)との関係についても調べています。

素数分布
N=120までのπ(N)のグラフ [素数分布の研究,結果の概略]

2. 目次 (改訂版)

Ⅰ. 素数と分布

Ⅱ. 研究コーナ

サイトのホームページ

付録

関連トピックとして、フォーラムから“永井建哉氏の「素数分布の研究」における Qn/Nの極限値 Rn について”を転載します。

永井建哉氏の「素数分布の研究」における Qn/Nの極限値 Rn について

投稿者:Tani Akinari.投稿日時:2014年2月04日(火) 12:49.

7 Qn/Nの極限値

において、

Qn/Nの極限値 Rn を求める方法として、

漸化式 Rn=(1/pn)*(1-Σ[u=1~n-1]Ru) …… (11)

が挙げてありますが、さらに簡便な方法でRnを求めることが可能です。

以下では、k番目の素数 pk を p(k) というふうに記すことにします。

Rnは漸化式を用いることなく、次のような形で表すことができます。

Rn=(1/p(n))*(1-1/p(1))*(1-1/p(2))*…*(1-1/p(n-1)).

例えば、

R4=(1/7)*(1-1/2)*(1-1/3)*(1-1/5)=4/105,

R5=(1/11)*(1-1/2)*(1-1/3)*(1-1/5)*(1-1/7)=8/385,

R6=(1/13)*(1-1/2)*(1-1/3)*(1-1/5)*(1-1/7)*(1-1/11)=16/1001.

また、漸化式 R(n)=R(n-1)*(p(n-1)-1)/(p(n)) (n>1) が成り立ちます。

以下は、Rn=(1/p(n))*(1-1/p(1))*(1-1/p(2))*…*(1-1/p(n-1)) が成り立つことの証明です。

(証明)

S={p(1),p(2),…,p(n)} とします。

N 以下の正整数であって、なおかつ、S のどの要素でも割り切れないようなものの個数を A[n](N) とします。

A[n](N)は包除原理を使って次のように求めることができます。

A[n](N)

=N-[N/p(1)]-[N/p(2)]- … -[N/p(n)]

+[N/(p(1)*p(2))]-[N/(p(1)*p(3))]+ … +[N/(p(n-1)*p(n))]

-[N/(p(1)*p(2)*p(3)]-[N/(p(1)*p(2)*p(4)]- … -[N/(p(n-2)*p(n-1)*p(n))]

+((-1)^n)*[N/(p(1)*p(2)*…*p(n)].

ここで、A[n](N)/N の極限 lim[N→∞](A[n](N)/N) を考えます。

lim[N→∞](A[n](N)/N)

=1-1/p(1)-1/p(2)- … -1/p(n)

+1/(p(1)*p(2))-1/(p(1)*p(3))+ … +1/(p(n-1)*p(n))

-1/(p(1)*p(2)*p(3)-1/(p(1)*p(2)*p(4)- … -1/(p(n-2)*p(n-1)*p(n))

+((-1)^n)*1/(p(1)*p(2)*…*p(n)

=(1-1/p(1))*(1-1/p(2))*…*(1-1/p(n)).

 

N 以下の正整数であって、なおかつ、S のいずれかの要素で割り切れるようなものの個数は、

N-A[n](N)に等しく、これはまた、Q1(N)+Q2(N)+…+Qn(N)に等しいです。

つまり、

Q1(N)+Q2(N)+…+Qn(N)=N-A[n](N) です。

したがって、

Qn(N)=(N-A[n](N))-(N-A[n-1](N))=A[n-1](N)-A[n](N).

Qn(N)/N の極限 lim[N→∞](Qn(N)/N)は、

lim[N→∞](Qn(N)/N)

=lim[N→∞](A[n-1](N)/N)-lim[N→∞](A[n](N)/N)

=(1-1/p(1))*(1-1/p(2))*…*(1-1/p(n-1)) – (1-1/p(1))*(1-1/p(2))*…*(1-1/p(n))

=(1/p(n))*(1-1/p(1))*(1-1/p(2))*…*(1-1/p(n-1)). (証明終)

Re: 永井建哉氏の「素数分布の研究」における Qn/Nの極限値 Rn について

投稿者:永井建哉.投稿日時:2014年2月05日(水) 00:31.

貴重なご意見ありがとうございます。

提示いただいたRnの式はおっしゃるように、漸化式でなく、直接算出できる簡便な式で私の(11)式より優れていると思います。

またもう一つ提示していただいた漸化式R(n)=R(n-1)*(p(n-1)-1)/(p(n))は私の(11)式からも導きだされることが確認できました(証明略)