なぜいじめは起きるのか(小学生向け)
前作の「なぜ戦争は起きるのか(小学生向け)」が好評であったために、小学生向けシリーズ第二弾を書きました。大人の方は、「なぜいじめは起きるのか 」の方をご覧ください。なお、このページでフリガナを有効にするには、インターネットエクスプローラで見る必要があります。

1. いじめとはカタルシスである
日本の小学校では、いじめがしばしば起き、いじめを苦にして小学生が自殺すると、マスコミが大きく取り上げ、そのつど学校でのいじめが世間の注目を集めます。いじめは、学校以外でも、いろいろな所で起きていますが、大部分のいじめには、ある共通点が見られます。それは、自分たちの共同体の中に、自分たちと異なる人(異物)がいると感じられるようになると、共同体の多数派はその異物をゴミとして共同体の外部へと排除しようとする傾向があることです。
皆さんは、自分の部屋がゴミで汚れていると、ゴミを棄てて、部屋をきれいにしたいと思いますね。異物であるゴミを排除して、自分の領域をきれいにし、さっぱりとしたすがすがしい気持ちになることを心理学でカタルシスと呼んでいます。私たちの体は、ウィルスや細菌といった病原体、がん細胞、他人から移植した臓器などを非自己と認識し、それらを滅ぼそうとしますが、こういう免疫作用は生理的なカタルシスです。そして、いじめは、個人的な心理作用であると同時に、共同体という拡大された身体での社会的な生理作用と言うこともできます。
2. 上村明子さんの場合
話が抽象的になったので、具体的な例でいじめの原因を考えてみましょう。2010年10月23日、群馬県の小学校6年生だった上村明子さんが自殺をしました。学校側は否定していますが、いじめが原因であったと考えられています。明子さんは転校生で、日本人の父親とフィリピン人の母親から生まれたハーフでした。このため、他のクラスメイトから異物として認識されやすかったと言うことができます。
明子さんのクラスは、学級崩壊の状態でした。共同体の秩序が乱れると、児童は、自分たちとは異質のものを排除することで新たな自分たちの共同体を作り、秩序を回復しようとします。容姿が他とは異なる明子さんは、格好の標的となりました。明子さんのお父さんによると、明子さんは、同級生から「お前の母さんゴリラ顔だからお前もゴリラだ」とか「臭い、こっちへ来るな」とか言われていつも独りぼっちだったそうです。「お前の母さんゴリラ顔だからお前もゴリラだ」は、“日本人/混血”という違いを“人間/動物”という違いへと置き換えることで、明子さんが異物であることを強調し、「臭い、こっちへ来るな」は、明子さんをゴミとして排除したいという欲望を表明しています。
明子さんのクラスでは、給食の時、仲の良い児童どうしが机を寄せて食べていました。これにより児童たちが作った自分たちの共同体が、目に見える形ではっきりと表現されました。そして、明子さんは、どのグループにも入れてもらえず、ひとりで孤立して給食を食べていました。明子さんは、亡くなる2日前の校外学習で、大声で泣きながら「給食をひとりで食べている」と教諭に訴え、自殺する直前には、母親に「学校に行くくらいなら死んだ方がまし」と言っていました。明子さんは、訴えを聞いてもらえないまま、母親のために編んでいたマフラーで首をつって、12年間の生涯を閉じました。こうして、同級生の望みどおり、明子さんはクラスから排除されてしまいました。
3. いじめをなくすにはどうすればよいか
明子さんのような悲劇をなくすにはどうすればよいでしょうか。いじめが異物の排除だとするならば、異物を排除しない、多様性を肯定する価値観を持つことが重要だということになります。しかし、いくら学校の先生が「多様性を尊重しなさい」と言っても、その先生の目が届かないところで陰湿ないじめが行われている今の現状を考えると、たんなる精神論では、根本的な解決にはならないと言わざるをえません。
いじめの問題を解決するヒントは塾にあります。塾は学校と同じような教育機関ですが、学校のようにいじめの問題が深刻化することはほとんどありません。なぜならば、学校とは異なり、塾の場合、いやになったらいつでもやめることができるからです。日本の小学校や中学校では、いじめられているからといって簡単に転校したりすることはできません。塾のように、学校を自由に選ぶことができるようにすることが第一に必要です。
自由選択制にすれば、学校は閉鎖的な共同体ではなくなり、教育を受けるための手段として使われる出入り自由な場となります。子供たちは、いじめ以外の様々な理由でも、学校を変更することでしょう。いろいろな学校で、いろいろな人々と接することで、子供たちは自然と多様な価値観に接するようになります。多様性の尊重は、言葉で言っても理解してもらえません。実際に多様な価値観を体得しなければいけません。学校の自由選択制は、たんにいじめから脱出する手段を与えるだけでなく、いじめの温床である共同体の閉鎖的同一性を打破するという点でも、いじめの問題を解決する上で有効なのです。
ディスカッション
コメント一覧
SOSさんだいじょうぶ?
私たちがついているから
安心してね。いつでもみかただよ!!
私も「なぜ戦争が起こるのか」から
来ました。
?さん、わんさん、ガゼル(ふうすけ)さん!
有難うございます($・・)/~~~
頑張ります!
・・・私以外にも苦しんでいる人、
いっぱいいますよね・・・!?
私もその人達に負けないように頑張りたい・・・
明日、学校なので・・・言ってみます・・・
おっしゃ!
そうこなくっちゃ!SOSさんは もう
勇気持ってるよ(^^♪
皆さんは「イザベル・カロ」さんの話、
知ってますか?
彼女はこの前亡くなりました。
母の歪んだ愛情で、拒食症になってしまい、
頑張った方です。
「ザ・ベストハウス」で出てました。
モデルにもなってました。
本も出してました。
分かる方いますか??
・・・それでは・・・
いざ母の所へ・・・・・・・・・・
・・・頑張り・・・ま・・・す・・・。
結果伝えます・・・。
・・・頑張って・・・!!
健闘を祈ります。
後ー私、いじめられてるんじゃなくて、
いじわるされてるんですよね・・・。
部活で、仲間はずれされてます。
4人ぐらいの人達に、
遊びにも誘ってくれないんですよー・・・。
まー後3カ月だし??どうでもいいんですけどね?
わん!!さんの言うとうり!
あとちょっとで卒業なんだから
中学いったら小学校と違う性格、
明るい性格で頑張っていこー♪(●^o^●)
ほかの小学校の人もくるみたいだし♪
いっぱい友達作るぞ~~(^O^)/
SOSさんのいままでの痛み
と悲しみをちゃんとお母さん
に伝えてね・・・・・・・・・・
まじめだなーてめーら俺は、最近りょーっつうー奴といじめてる奴いるぜ。ハッ
りょーです
いじめてるひとも理由があるのを理解してほしいです
ついでに、りょーはキャラ作ってるからそこんとこよろしく。