1月 302014
 

フォーラムから“STAP細胞”を転載します。

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投稿者:永井俊哉.投稿日時:2014年1月30日(木) 23:06.

小保方晴子(理化学研究所発生・再生科学総合研究センター・研究ユニットリーダー)らによる新しい万能細胞の作成方法、STAP(stimulus-triggered acquisition of pluripotency)の発見が大きなニュースとなっている。弱酸性の水溶液に浸すだけで成人の細胞が万能細胞化するという事実は、専門家ほど信じられないに違いない。

もしもこれが人間に応用できるなら、従来の万能細胞と比べて、より速く、より低コストで、より安全に再生医療を行うことができるのだから、全人類的観点から喜ばれるようなニュースなのだが、日本のメディアには、日本人の功績という点に脚光を当て、「また日本人科学者が成果」、「日本のリードがより強固になる」などと報道しているところが多いようだ。

他方で、以下の引用に見られるとおり、米国では、全国紙の USA Today が、STAP の新しい研究を主導したのはハーバード大学関連病院であるブリガム・アンド・ウィメンズ病院のチャールズ・バカンティ教授であると報道している。「小保方」の名前はどこにもなく、「日本とハーバード出身の研究者たち」とか「バカンティと同僚たち」といった表現しかない。これを読んだ米国人は、米国の業績という印象を持つことだろう。

Researchers turn adult cells back into stem cells (date) January 29, 2014 (media) Researchers turn adult cells back into stem cells さんが書きました:

In two papers published Wednesday in the journal Nature, researchers from Japan and Harvard showed they could make stem cells cheaply and easily, simply by damaging mature cells with acid.

"If this pans out, that means (for) almost any person who has a medical problem, researchers could easily make stem cells from that person’s skin or blood, and those cells could be a really powerful therapy," said Paul Knoepfler, a stem cell biologist and associate professor at the University of California-Davis, who was not involved in the work.

In theory, a doctor could, say, scrape some cells off the arm of a heart attack patient and turn the cells into stem cells, which could then become healthy heart cells. Eventually the healthy heart cells could be implanted into the heart where they could take over for the damaged ones.

To date, the benefits of stem cells are mostly theoretical. Bone marrow transplants are the primary use of stem cells in therapy today, although clinical trials are underway for other uses.

The new research also suggests that the body has a previously unrecognized ability to heal itself, and upends our understanding of biology by suggesting that adult cells may be able to revert to stem cells after they’ve been damaged, said Charles Vacanti, the Harvard Medical School stem cell and tissue engineering biologist who led the new research.

Researchers might someday be able to capitalize on this healing ability to create effective treatments and even battle cancer, said Vacanti, also of Brigham and Women’s Hospital in Boston.

In the new research, Vacanti and colleagues produced cells they call STAP cells (for stimulus-triggered acquisition of pluripotency) by putting mouse white blood cells under various stressors, such as a low-pH, acidic solution. Vacanti said he has since made STAP cells from human skin cells.

『ネイチャー』の論文“Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency”では、著者を“Haruko Obokata, Yoshiki Sasai, Hitoshi Niwa, Mitsutaka Kadota, Munazah Andrabi, Nozomu Takata, Mikiko Tokoro, Yukari Terashita, Shigenobu Yonemura, Charles A. Vacanti & Teruhiko Wakayama”としているし、“Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency”では、“Haruko Obokata, Teruhiko Wakayama, Yoshiki Sasai, Koji Kojima, Martin P. Vacanti, Hitoshi Niwa, Masayuki Yamato & Charles A. Vacanti”となっている。ファースト・オーサーは小保方で、バカンティは、責任著者である。

バカンティの先駆者としての功績を否定することはできないが、バカンティは「ハルコがいなかったら、私たちはこの研究は達成できませんでした」と証言しており[STAP細胞、共同研究の米教授「ハルコなしでは成功なし」 (date) 2014/1/30 (media) TBS]、バカンティの名だけを出して、小保方の名を出さないのは、フェアではない。米国の変なナショナリズムによって USA Today の報道が歪められている。

もっとも、ハーバード大学のチームは、STAP の発見を受けて、脊髄損傷のサルを治療する研究を既に始めており、人間の細胞を使った作製も研究しているというのだから、今後は米国がこの技術の開発を主導する可能性がある。世界知的所有権機関(WIPO)のサイトによると、国際特許は、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院、東京女子医科大学、理研の三者が合同で米当局に出願しているらしい。

ところで、日本では、ハーバード大学以上に関係がないところが「おらが村自慢」をしている。J-CAST の報道によれば、小保方博士が早稲田大学理工学部の卒業生であることから、今回の発見が早大の評価向上につながると出身者が期待しているとのことである。

「万能細胞」小保方晴子さんは早稲田大理工卒 出身者は「私大初のノーベル賞だ」「慶応に一矢報いた」大はしゃぎ (date) 2014/1/30 (media) J-CAST さんが書きました:

ネット上でも、さっそく同学部出身者から「これはうちの学科の評価もうなぎのぼりや」という声があがったほか、早くも「私大初のノーベル賞とれそうだね」「日本の私立大学から、初のノーベル賞受賞となれば早稲田大学の評価は、大きくアップすると思う」として「iPS細胞」の山中伸弥京都大学教授に続くノーベル賞受賞を期待する声も数多くある。また、ライバルの慶應義塾大学と比較して「医学部持つ慶応はショックだろよ」「なんとなく慶応に一矢報いた感じがしてすごい嬉しい」と書き込む人もいる。

山中教授が、2012年にノーベル整理医学賞を受賞したことで在職していた京都大学の評価は高まったが、出身大学である神戸大学や出身大学院である大阪市立大学はそうはならなかった。2008年にノーベル化学賞を受賞した下村脩博士が卒業したのは長崎医科大学附属薬学専門部(現在の長崎大学薬学部)だったが、受賞によって受験生が増えたということはなかった。結局のところ、たんに出身大学というだけで、その研究に貢献していない大学は評価されないということのようだ。

Re: STAP細胞

投稿者:tanza.投稿日時:2014年1月31日(金) 21:26.

下記リンクのブログ記事、参考までに。

■ 新たな万能細胞「STAP細胞」の開発の黒幕!?:ヴァカンティ4兄弟!?
http://quasimoto.exblog.jp/21631401/

ノーベル賞

投稿者:永井俊哉.投稿日時:2014年2月01日(土) 02:10.

著者に名前を連ねていない兄弟までが受賞するはずはないでしょう。脊髄損傷のサルを治療する研究や人間の細胞を使った作製が成功したとしても、ノーベル賞は先駆的なオリジナリティを持つ研究を優先するから、この研究が受賞対象となるなら、ファースト・オーサーも受賞すると予想されます。もちろん、チャールズ・バカンティ教授は STAP の先駆者でもあるのだから、もしも受賞するなら、ちょうど山中教授がジョン・ガードン博士と共同受賞したように、共同受賞になるという可能性が一番高い。

エイズ疑惑

投稿者:永井俊哉.投稿日時:2014年2月01日(土) 02:55.

Oki Mikito さんが書きました:

エイズウイルス発見の時とおなじような構図ですね。
あの時は確かフランスが米国にトロフィーを奪われた。。。

ジョン・クルードソンが『エイズ疑惑―「世紀の大発見」の内幕』で真相を暴露したおかげで、結局のところ、フランスのパストゥール研究所のリュック・モンタニエがノーベル賞を受賞したけれども、そうでなければ、アメリカの国立保健研究所のロバート・ギャロとの共同受賞ということになっていたでしょうね。ただ、STAP の場合、論文の著者という点でも、特許という点でも共同ということで合意ができているからもめることはないとは思います。

新事実の発見と理論構築

投稿者:永井俊哉.投稿日時:2014年2月02日(日) 18:39.

ノーベル賞の事典』の著者、秋元格は、STAP の発見は万有引力の発見に匹敵すると言っている。

「STAP細胞」小保方さん 日本人女性初ノーベル賞の期待 (date) 2014年1月31日 (media) 日刊ゲンダイ さんが書きました:

早ければ5年後くらいにノーベル生理学賞を受賞できるかもしれません。今回の小保方さんの発見はニュートンの万有引力、キュリー夫人の放射能に匹敵する大発見だからです。ただ、実際に受賞するには、クリアすべき壁がいくつもある。現在、生後1週間の無菌状態の若いマウスの細胞でしか成功していない実験を、成長したマウスや、ウサギ、牛などさまざまな検体でも成功させ、研究の普遍性を証明してみせなければなりません。それには研究チームの総合力が求められるし、運も左右します

これは比喩としては適切ではない。科学の業績には、新事実の発見と理論構築の二種類があるが、ニュートンの万有引力の「発見」は、事実の発見というよりは、重力場における既知の事実(例えば、加速度運動の法則)を普遍的に説明する新しい理論的枠組みの提供と評するべきである。これに対して、ガリレオが望遠鏡での観測により木星に衛星があるとか、月面に凹凸があるとかいったこと発見したのは、事実の発見に属する業績である。

キューリー夫人は放射能を発見したと言われるが、現象的な事実の発見自体はベクレルの功績であり、キューリー夫人の功績は、その現象の原因を突き止めたところにある。STAP は、その事実が発見されただけで、そのメカニズムについてはまだよくわかっていないので、理論構築は今後の課題である。新事実の発見と理論構築のどちらが重要であるかは、経験論と合理論で評価が分かれるところだが、両方が必要であることは、言うまでもない。

科学とナショナリズム

投稿者:永井俊哉.投稿日時:2014年2月02日(日) 19:47.

Nob Chika さんが書きました:

確かにそう書いていますが、共著なのだから事実に反するという訳でもないと思います。

「事実に反する」とは書いていません。「バカンティの名だけを出して、小保方の名を出さないのは、フェアではない」と書いたまでです。USA Today は、全国紙といっても大衆紙だからあまりまじめに取り上げる必要はないのかもしれませんが、ノーベル物理学賞受賞につながったカミオカンデによるニュートリノの検出というニュースでも、当時の米国メディアは日本の名前は出さずに、国際的な科学者のチームによる発見というような報道(これもたしかに事実には反していない)をしていたことを記憶しています。ソースはよく覚えていないし、たまたま私が見たメディアがそうだったというだけなのかもしれませんが、米国人には、自分たちが科学研究の世界的中心であるというイメージを毀損したくないという心理が働いているのかもしれません。微積分法発見のプライオリティをめぐるイギリスとドイツの論争を思い起こすまでもなく、本来人類の営為として評価されるべき科学的な業績がナショナリズムを発露する対象として利用されることはあろうかと思います。

疑惑浮上

投稿者:永井俊哉.投稿日時:2014年2月15日(土) 09:55.

小保方ら日米の研究チームの論文について、インターネット上で「不自然な画像データが使われている」と指摘があり、理研は、外部の専門家も加えて調査を始めたと明らかにしたとのことである。

「不自然な画像」指摘受け理研が論文を調査 (date) 2月15日 (media) 毎日新聞 さんが書きました:

調査対象は、1月30日付の英科学誌ネイチャーに掲載された論文2本。マウスのリンパ球に刺激を与えるだけで、体のあらゆる細胞になる多能性を獲得するという内容だ。

しかし、ネット上のさまざまなサイトで、▽論文の画像データの一部が過去の論文の画像を流用した可能性がある▽STAP細胞から作ったとする胎盤の写真が使い回しされている--などと指摘された。このため、理研は複数の専門家による調査を13日に開始した。結果はまとまり次第、公表する方針。

理研は13~14日、小保方さんらに聞き取り調査も実施し、「現時点では研究成果は揺るぎないと判断しているが、外部から指摘があったため調査を始めた」と述べた。

具体的なことは、「小保方晴子が筆頭著者の論文の不適切さについて」に写真付きでまとめてあるのでそれを参照されたい。毎日新聞の記事によると、理研は「研究成果は揺るぎない」と言っているようだが、まだそう断言できる段階ではない。STAP NEW DATA(Knoepfler Lab Stem Cell Blog)で外部の研究者による追試の結果が掲載されているが、今のところ八件とも失敗であるとのことである。バカンティが脊髄損傷のサルの治療や人間の細胞を使った作製に成功したというのも噂の域を出ないから、成功した追試としてカウントすることはできない。

他方で、日本の週刊誌の中には、既にこの疑惑の検証に動き出したところもあるそうだ。

STAP細胞・小保方晴子さん 囁かれる「論文捏造」の怪情報 (date) 2014年02月14日 (media) IRORIO(イロリオ) さんが書きました:

「いま研究者の間で『小保方さんの複数の論文に捏造疑惑がある』といった噂が広まっているのです」と語るのはフリージャーナリストのA氏。「週刊誌は来週号の掲載に向けて全力で動いてますよ」と驚きの証言を始めた。

にわかには信じられない小保方さんの「論文捏造疑惑」。「実は2月上旬の段階で”週刊S”誌の記者は、この情報をキャッチしていました。捏造があったとされるのは早稲田大学時代からの複数の論文。情報はとある国立大学の研究者からのタレコミです。しかし専門性の高い領域なので真偽の検証できず掲載は見送りとなったようです」とA氏は言う。

「その事もあってか”週刊S”誌は『小保方さんは思い込みの激しい性格だった』という記事を載せたといいます。今週になって、知人の科学ライターの所にも、別の週刊誌から『小保方さんの捏造疑惑の検証をしてほしい』という依頼が来たようです」

”週刊S”誌というのは、週刊新潮のことで、次号で捏造スクープを掲載する予定らしいが、まだ捏造と決まったわけではないので、もう少し調査結果を待つことにしたい。

その後の情勢

投稿者:永井俊哉.投稿日時:2014年2月28日(金) 10:50.

週刊新潮の記事が出版された。

徹底検証!「STAP細胞」は幻か? 未だ再現不能! 「小保方博士」が着せられた「灰色割烹着」 (date) 2014/02/27 (media) 週刊新潮 さんが書きました:

胎盤にさえなりうる「STAP細胞」発見のニュースは、割烹着の「ドクター小保方」のキャラクターと相俟って、「iPS細胞」に優るとも劣らない大発見として扱われた。しかし、一報から1カ月、その熱気は急速に冷めている。論文の写真使用に誤りが見つかり、世界中で行われた検証実験では未だ、同じ結果が得られていない。人類の未来に大きく貢献するはずの「夢の細胞」は本当に見つかっていたのか。

小保方論文のみならず、小保方の指導教官で、バカンティのグループである小島宏司の論文にも疑惑が生じている。時間とともに疑惑が強まっているが、中には擁護しているメディアもある。

小保方晴子さんの「STAP細胞論文捏造疑惑」アンチ勢力の陰 (date) 2014.02.25 (media) 週刊ポスト2014年3月7日号 さんが書きました:

これだけの騒動に発展した背景には、一定の“アンチ小保方勢力”の存在が見え隠れする。再生医療の分野には、出身学部を異にするグループが存在する。大きく分けると「医学部出身の研究者」と「それ以外(理学部、農学部、工学部出身など)」だ。ある医療関係者の話。

「医学部出身者の中には、遺伝子や細胞の分野とはいえ、人体を扱う医療分野で医学部出身者以外が実績を上げることを面白くないと感じている人は少なくない」

[中略]

いま、再生医療分野においては、医薬品や新技術の土台となる論文は「カネに直結する」といわれている。アベノミクスの成長戦略の中核に医療があるが、その中で最注目されているのが再生医療なのだ。

政府は2013年度から10年間で、再生医療に対し約1100億円もの支援を決めている。今、この支援金を巡って、各研究機関で争奪戦が行なわれているという。

「早速、2014年度、iPS細胞研究に政府から150億円の支援が下りることが決まっています。そのほとんどが山中伸弥教授のいる京大の研究所に払われる。再生医療で結果を出せば、莫大な研究費が入るわけです。もし、STAP細胞が認められれば、理研や小保方さんグループに大量の研究費が投入されることになり、その分他の研究機関に回らなくなる。それを阻止する動きがあってもおかしくない」(同前)

小保方さんの論文にケチがつくことによって得をする勢力があるとしたら、実に生臭い話である。

共著者の若山照彦山梨大教授は、2月24日に、産経新聞の取材に対して、単純ミスによる画像の誤掲載があったとして、論文を修正すべきだとの考えを明らかにしたが、研究の成果自体に問題はないと言っている。チャールズ・バカンティは、「いくつかのパネルの取り違え」があったことを認め、すでに訂正を申請しているが、この論文のデータ、結論やその他の部分に影響を与えるものではないと言っている。

また、実験結果が再現されないことに関しても、単に実験プロトコルが複雑なだけだという指摘がある。

理化学研究所、STAP細胞論文の調査に着手 (date) 2014年2月17日 (media) Nature さんが書きました:

若山と若山研究室の1人の学生は、今回の論文発表の前に、実験を独自に再現することに成功している。ただし成功にこぎ着けたのは、小保方の指導を十分に受けた後のことである。しかし、山梨大学に移ってからは再現に成功していない。「酸を加えるだけですから簡単な手法に見えるのですが、それほど簡単ではないのです」と若山は言う。

若山は、小保方の実験結果を独自に再現できたことで、この手法の有効性を十分に確信していると話す。また彼は、受精卵以外で胎盤形成が可能な細胞は、今のところ小保方が作製した細胞しかないので、細胞のすり替えはあり得ないとも説明する。「私はこの手で実験を行い、この目で結果を確かめました。実験結果は100%正しいと確信を持っています」と若山。

数人の科学者が、この実験プロトコルの詳細を1人ないし複数の論文著者に問い合わせているが、今のところ回答は得られていない。北京大学(中国)に所属する幹細胞生物学者Hongkui Dengは、「論文著者がまもなくプロトコルの詳細を発表する」という話を聞いている。Vacantiによれば、実験は問題なく再現されており、「実験結果にばらつきが生じて、混乱が起こる余地をなくすため」に、小保方が実験プロトコルを発表することになるだろうと話している。

だが、肝心の小保方は沈黙を保っている。疑惑を晴らすには、本人が表に出て釈明するのが一番だろう。

理化学研究所の中間報告

投稿者:永井俊哉.投稿日時:2014年3月15日(土) 16:46.

理研の調査委員会の中間報告 (date) Mar 14, 2014 (media) FNN

昨日、理化学研究所の野依良治(理研理事長)らが都内で会見し、指摘されていた小保方論文の諸問題の大部分を認めた。理研の竹市雅俊(発生・再生科学総合研究センター長)は会見で、著者たちに論文撤回を勧告し、小保方(ユニットリーダー)をはじめとする理研の三人の著者は論文撤回に同意しているとのことである。若山照彦(山梨大教授)は、これよりも早い段階で論文の撤回を要請していた。

他方で、論文共著者の米ハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授と小島宏司医師は、論文を撤回する意思がないことを表明している。バカンティは、さらなる追試を促すために、STAP 細胞の詳細な作製手法をウェブサイトに公表すると言っているが、もう信じる人はいないだろう。現在日本はこのスキャンダルで大騒ぎをしているが、海外のメディアでこの疑惑を取り上げているところは少ない。USA Today も、最初の報道以降、何の記事も書いていない。

最終報告書

投稿者:永井俊哉.投稿日時:2014年4月02日(水) 22:18.

2014年4月1日に、理化学研究所の調査委員会が最終報告書を公表した。

理研の調査委員会による最終報告 (date) Apr 1, 2014 (media) FNN

ネイチャー論文に使われた電気泳動画像の切り貼りは改竄、博士論文に掲載した画像の転用は捏造にあたるという結論を下した。不正行為を行ったのは小保方のみで、笹井・若山・丹羽には(監督責任はともかくとして)不正行為はなかったという見解を示した。笹井・若山・丹羽は論文の撤回に同意しているが、小保方とバカンティは反対している。小保方は、改竄と捏造という調査委員会の結論に対して「承服できません」と言い、不服申し立てをする構えである。

この後の記者との質疑応答のビデオも見てみた。「小保方さんの思いはどうだったのか」といったワイドショー的な関心の質問をする記者もいたが、実験に使われたサンプルなど物証の調査がほとんど行われていないことを詰問する記者もいた。彼らの回答を聞いてみると、調査委員会は、実験の検証をしたのではなく、あくまでも論文の検証(しかも疑惑をもたれた六つの項目の検証)をしただけで、捏造といってもそれは論文の捏造で、実験の捏造ということではないということのようである。

理研は、実験自体が捏造だったのかどうか、STAP 現象自体がありえないことなのかどうかを調べるため、外部による追試任せにすることなく、丹羽が主体となって、約一年かけて再現実験を行うとのことである。これまで外部の研究者たちが再現実験に失敗しているが、これは理研やバカンティによる詳細なプロトコルの公表前であり、理研としては、これらのプロトコルに従えば、STAP 現象の再現ができるという可能性をまだ完全には捨てていないということである。

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