『システム論研究序説』を出版しました

2016年3月24日

このページでは、私の著作『システム論研究序説』の書誌情報、販売場所、概要、冒頭抜粋、改訂履歴をまとめます。誤字脱字の指摘、内容に関する質問などありましたら、このページのコメント・フォームに投稿してください。

1 : 表紙画像

システム論研究序説
横幅300ピクセルに圧縮した『システム論研究序説』表紙画像

2 : 書誌情報

  • Title :: システム論研究序説
    • Furigana :: システムロンケンキュウジョセツ
    • Romaji :: System Ron Kenkyu Josetsu
  • Author :: 永井俊哉
    • Furigana :: ナガイトシヤ
    • Romaji :: Nagai, Toshiya
  • Author bio :: 著作家。インターネットを主な舞台に、新たな知の統合を目指す在野の研究者。専門はシステム論。1965年8月、京都生まれ。1988年3月、大阪大学文学部哲学科卒業。1990年3月、東京大学大学院倫理学専攻修士課程修了。1994年3月、一橋大学大学院社会学専攻博士後期課程単位修得満期退学。1997年9月、初めてウェブサイトを開設。1999年1月、日本マルチメディア大賞受賞。電子書籍以外に、紙の本として『縦横無尽の知的冒険』(2003年7月, プレスプラン)、『ファリック・マザー幻想』(2008年12月, リーダーズノート)を出版。
  • Language :: jpn
  • Page :: 373ページ
  • Publisher :: Nagai, Toshiya
  • ISBN :: 9781311583116 (Smashwords, Inc.)
  • BISAC :: Book Industry Standards and Communications
    • Science / System Theory
    • Social Science / Sociology / General
    • Philosophy / Social
  • Tags :: キーワード
    • Japanese :: システム理論, 複雑性, エントロピー, オートポイエーシス, ルーマン, フォン・ベルタランフィ, ウォーラーステイン
    • English :: communicaion, complexity, complexity theory, horizon, logic, luhmann, media, system theory, theory of sociology, wallerstein

3 : 販売場所

販売価格は小売店によって異なります。リンク先で確認してください。

4 : 短い概要

システムは、全体部分関係から構造論的にではなく、複雑性/エントロピー概念から機能論的に解明しなければならない。本書は、第一章で、地平の論理構造を解明しつつ、不確定性(エントロピー)の哲学を提唱し、第二章で、ルーマンの社会システム論を超越論的目的論へと改作し、第三節では、システム論の視点から進化と歴史を論じ、ルーマンが放棄した規範論と目的論の再建を目指す。

5 : 長い概要

フォン・ベルタランフィ以来、システムの概念は、相互作用する要素の関係として定義されたが、こうした全体部分関係論的な定義だけでは、システムと環境の差異が明確ではないので、システムは、複雑性を縮減する主体として機能的に定義されなければならない。システム論における複雑性とは、不確定性の大きさ(確率の逆数)である。実在する要素や要素間の関係といった常識的な意味での複雑性は、複合性として、常識的な意味での複雑性から区別されなければならない。複雑性の対数がエントロピーであり、システムが複雑性(エントロピー)を縮減した結果、排除された諸可能性の集合が、そのシステムの環境を形成する。システムと環境は、通俗的には空間的な内と外で区別されるが、情報システムに空間的な内と外は存在しないので、両者は複雑性(エントロピー)の落差によって説明されなければならない。

私たちは、情報システムとして、可能的意味の過剰を削減しているが、間主観的には、その選択はダブル・コンティンジェントになる。そして、社会システムとは、ダブル・コンティンジェンシー、すなわち、自己の選択と他者の選択が相互に相手の選択に依存している二重の不確定性を縮減する機能として定義できる。自他の間に完全な対称性が成り立つなら、私たちは、ホッブズが自然状態で起きると想定した「万人の万人に対する闘争」から抜け出せないが、対称性の自発的破れにより、資本の非対称な蓄積が起こり、高資本の第三者が媒介者となることで、ダブル・コンティンジェンシーは解消される。その際、媒介の機能を果たすのが、言語、貨幣、刑罰などのコミュニケーション・メディアである。

熱力学第二法則によれば、物質システムのエントロピーを縮減しようとするなら、それ以上のエントロピーを環境において増やさなければならない。すなわち、システムは、複雑性を縮減するためには、複雑性を増大させなければならない。これは、物質システムのみならず、情報システムや社会システムにも当てはまることだ。一般に、システムは、持続可能であるためには、環境適応性と変化適応性の二つの要件を満たさなければならないが、前者は複雑性を縮減するために、そして後者は複雑性を増大させるために必要である。本書は、ここから、なぜ社会システムを持続可能にするためには、格差の否定でも格差の固定でもなく、格差の流動化が必要であるかを論じる。

6 : 改訂履歴

本書の材料は、私が一橋大学大学院博士後期課程に在籍中に書いた以下の論文です。

  • “「地平の哲学」序説”.『一橋論叢』通巻616号. 日本評論社. 1992年2月1日. pp. 52-68.
  • “超越論的システム論の可能性”.『哲学の探求』第20号. 全国若手哲学研究者ゼミナール. 1992年12月1日. pp. 85-94.
  • “現代社会の成立と複雑性”.『現代社会学研究』第9号. 経営社会学会編. 1993年3月31日. pp. 9-19.
  • “他者の不確定的存在構造”.『一橋論叢』通巻633号. 日本評論社. 1993年8月1日. pp. 330-341.
  • “道徳的規範の妥当性の基礎付けに向けて”.『哲学の探求』第21号. 全国若手哲学研究者ゼミナール. 1993年12月1日. pp. 26-36.
  • “機能的システム論と超越論的目的論”.『一橋研究』通巻104号. 一橋研究編集委員会. 1994年7月31日. pp. 29-45.

これらは、私の専攻が倫理学から社会哲学に変わる過程で書かれたものでした。

その後、1997年9月に、これらにオリジナルコンテンツを加えて、『システム論の哲学』というタイトルの著作としてウェブ上に公開しました。現在、システム論アーカイブ書籍編で公開している『システム論研究序説』は、当時のものと内容は大きく変わりません。

  • 1.0(1997年09月):: ウェブサイト「超越論的システム論」の第四巻『システム論の哲学』として、ウェブ上で公開。
  • 1.1(2005年01月):: ブログ「永井俊哉ドットコム」の書籍編の第四巻『システム論研究序説』として、ウェブ上で公開。
  • 2.0(2015年05月):: 電子書籍として出版。序文、各章の冒頭への新しい文章の追加など全般的なアップデート。
  • 2.1(2015年12月):: ePub 3.0 へアップグレード。若干の内容の修正。