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読書備忘録。論文や書籍を書くための準備段階の草稿だが、書評としても機能するように書いている。

書評編

2005年にカーツワイルは『シンギュラリティは近い(日本語訳:ポスト・ヒューマン誕生)』を出版し、2045年の技術的特異点(シンギュラリティ)以降、人間が生物学的限界を超えた爆発的な進化を遂げると予言した。人工知能の能力が人間の能力に ...

書評編

ゾウリムシの研究者、高木由臣は、2014年に出版した著書『有性生殖論』で、ゾウリムシのオートガミーを根拠に、有性生殖の機能を遺伝子の多様化に求める通説を否定し、有性生殖を、無性的一倍体化と無性的二倍体化を起源とする、蓄積した突然変異の ...

書評編

1997年に神戸連続児童殺傷事件を起こした元少年Aが、2004年に社会復帰し、2015年に自らの犯行と半生を回想した本『絶歌』を出版した。1999年に「酒鬼薔薇聖斗のバタイユ的解釈」を行った私にとって、この本を読むことは解いた問題の答 ...

書評編

ヒトにとって出産は痛くて苦しくて、場合によっては命にかかわる危険な営みであるが、他の動物にとってはそうではない。奈良貴史著の『ヒトはなぜ難産なのか』によると、直立二足歩行と頭脳の巨大化のおかげで、ヒトの出産は難産になった。難産という代 ...

書評編

従来の日本の教育改革は、政策立案者の個人的体験に基づく人生論、精神論、感情論で行われることが多かった。中室牧子の『「学力」の経済学』は、教育を人的資本への投資とする経済的アプローチをとり、医療行政で行われているようなエビデンス(科学的 ...

書評編

クリステンセンが1997年に出版した『イノベーターのジレンマ(邦訳名:イノベーションのジレンマ)』は、大企業に成長した優良企業は、いかに経営が良くても(むしろ経営が良いからこそ)イノベーションに失敗し、没落することを指摘し、企業におけ ...

書評編

槌田敦著の『熱学外論』という奇妙なタイトルは「熱学概論」の間違いではなくて、彼の父、槌田竜太郎が書いた『化学外論』を真似たもので、聖書の正典に対する外典のような位置付けであることを意識した書名である。異端の書であるがゆえに、間違いも少 ...

書評編

『日本書紀』は、もともと天武天皇が、自らの権力の継承が正当であること、自分の称号として定めた「天皇」が、雄略朝の時期から続く由緒あるものであることを国内外に誇示するために、編纂された。しかし、後に修史事業を受け継いだ藤原不比等は、聖徳 ...

書評編

J.A. Chapman, S.A. Drury, R.C.L. Wilson の共著『氷河期-気候変動と生命』を読んで考えたことの覚書。現氷河期はいつから始まったのか、氷河期の氷期/間氷期のサイクルは何によって決まるのか、ヤンガード ...

書評編

安田喜憲は理学博士であるが、環境考古学の視点から、人文科学の分野にも積極的な発言をしている。『森の日本文化―縄文から未来へ』もそうした本の一冊である。この本を手がかりに、邪馬台国や神武東征など、日本古代史の問題を再検討しよう。 ...

書評編

ファルスがたんなるペニスではなく、無のシニフィアンであるというのは、どういう意味なのか。私たちが、自分自身を同一化しようとするファルスとは、どのような存在者なのか。1961-62年に行われたジャック・ラカンのセミネール『同一化』を手が ...

書評編

戦争が別の手段をもってする政治の継続であるとするならば、どのようにして戦争を行うかは、その国の政治が平和時にどのように機能しているかとは無関係ではありえない。松村劭の『戦争学』と『新・戦争学』を参考に、古代から現代の戦争の歴史を振り返 ...

書評編

山脇正俊(北海道工業大学客員教授)は、『近自然学』および『近自然工学』で、従来の人工的な河川工法や道路工法に対して、近自然的な工法を主張している。河川改修や道路建設はどうあるべきか、人間の自然に対する負荷は集中するべきか否かについて考 ...

書評編

燃料電池は、自動車の次世代エンジンとして脚光を集めたが、最初の実用化は、携帯機器のバッテリーから始まりそうだ。理由は、携帯機器の既存のバッテリーは、電力単価が高く、寿命も短く、電池容量に限界があるから、比較的勝ち目があるからだ。日経B ...

書評編

福祉国家と社会主義の崩壊により、個人単位での貧富の格差が増大しつつある。それにともなって、ビジネスのあり方も、大衆のために安く大量に商品を作るフォーでリズム的なやり方よりも、金持ちのために高額な商品を少量作る前近代的なやり方のほうが有 ...

書評編

『エントロピーの法則』の著者として有名なジェレミー・リフキンは、『水素エコノミー―エネルギー・ウェブの時代』で、インターネット革命の成功をモデルに、石油の燃焼による動力発電から水素の利用による燃料電池発電への移行を説いている。彼のアナ ...

書評編

第二次世界大戦は、枢軸国の敗北に終わったが、日本が犯したある一つの間違いさえなければ、あの戦争は、枢軸国の勝利に終わっただろう。どうすれば、枢軸国が勝つことができたのか、佐藤晃の『太平洋に消えた勝機』を手掛かりに考えよう。

目次 ...

書評編

イスラム教は、信者の数が、キリスト教についで世界で二番目に多い世界宗教である。にもかかわらず、なぜイスラム教は、仏教やキリスト教などの他の外来宗教とは異なって、日本で信者をほとんど確保することができないのか。小室直樹の『日本人のための ...

書評編

イスラム教徒はなぜラマダンの月に断食をするのか。なぜ日没後は飲食をしてもかまわないのか。イスラム教の聖典である『コーラン(クルアーン)』の中に、その手掛かりを見出そう。

書評編

ハラキリは、海外の辞典にも載っているぐらい有名な、日本人の伝統的な自殺の方法である。苦しいだけでなかなか死なない、こんな非効率な自殺の方法が、なぜ名誉ある死に方として尊重されたのか。千葉徳爾が『日本人はなぜ切腹するのか』で提示したのと ...

書評編

アメリカでは、70年代以降、貧富の格差が広がっているが、日本でも80年代以降、同じ現象が起きている。社会主義経済が崩壊し、市場経済が勝利をおさめ、いまやグローバリゼーションの波が世界中を覆っているわけだが、これは人類にとって好ましい現 ...

書評編

日本がアメリカの政治的従属国であることはよく知られている。アメリカ主導の世界標準の押し付けを日本は拒否するべきなのか否か、『拒否できない日本』を読みながら、日本の将来の進路を考えよう。

目次1. 回収命令が出された問題作?

書評編

間接的アプローチとは、「20世紀のクラウゼヴィッツ」と評される、イギリスの著名な戦略研究家・戦史研究家、リデル・ハートが提唱した戦略である。日本のような戦争を放棄している国で軍事的戦略を勉強してもあまり意味はないが、リデル・ハートの戦 ...

書評編

アブダビは、ペルシャ湾南部に面するアラブ首長国連合(UAE)の首都である。日本人の中には、アラブ首長国連合という国名すら知らない人も少なくないが、アラブ首長国連合からの原油輸入量は、日本の全原油輸入量の24%を占め、国単位では最も多い ...

書評編

現在、地球では、毎年600万ヘクタールもの土地が沙漠になっているという。地球の沙漠化の根本的な原因は何か。沙漠化を阻止するにはどうすればよいのか。赤木祥彦が『沙漠化とその対策―乾燥地帯の環境問題』で挙げている諸原因を整理しながら、考え ...

書評編

アメリカはイラク戦争の失敗で世界の顰蹙をかった。アメリカはもはや、世界の指導者としての資格がないと感じる人が増えている。そういう感情に受けたのか、トッドの『帝国以後―アメリカ・システムの崩壊』は世界的なベストセラーとなった。はたして、 ...

書評編

私が大学を去ってから10年程が経つ。大学淘汰の時代を迎え、少しは改革が進んでいるのかと思っていたが、『大学教授は虚業家か―学園のいびつな素顔』を読むと、根本的な問題は何も解決していないという印象を得る。沈み行くタイタニックの甲板上で椅 ...

書評編

国土交通省が推し進める観光立国政策の理論的立役者である藤原直哉は、今後日本経済は、日銀の紙幣乱発のおかげで、ハイパーインフレとなり、資本主義と市場経済が崩壊すると予言し、日本の主要産業を観光と農業にせよと提言する。藤原の主張は正しいの ...

書評編

無形化世界とは、1970年代以降の情報化の時代を迎えた世界のことである。冷戦も雪解けを迎え、古典的な有形の戦争が減る中、経済戦争や知的ヘゲモニーの争奪戦やメディア合戦といった目に見えない形での戦争が熾烈になっていく。これらの無形の戦争 ...

書評編

諏訪地方では、御柱祭りで、木落しという、死者がしばしば出る危険な行事が行われる。この古い祭りの本当の意味は何か。梅原猛の『日本冒険』を読みながら、柱や橋の語源をアイヌ語にまで求めつつ、縄文時代の死生観や宇宙観を考えてみよう。

書評編

竜宮伝説はしばしば機織姫の物語を伴う。なぜ機織姫が竜女になるのか。日本では、鶴女房が機織姫の話として有名である。浦島物語での亀の恩返しと鶴女房での鶴の恩返しには、どのような関係があるのか。『竜蛇神と機織姫―文明を織りなす昔話の女たち』 ...

書評編

中国通が書いた龍のトリビア『龍の百科』を読みながら、龍は男なのか女なのかを考えよう。現在の中国人は、男と考えているようだが、もともとそうだったかどうかが問題である。

書評編

龍(ドラゴン)神話は、洋の東西を問わず、どこにでもある。西洋では、竜は退治される存在でしかないが、なぜ東洋では龍が崇められるのか。竜信仰と蛇信仰は同じなのか。なぜ宇宙の開闢は、暗い水の中にいる龍退治から始まるのかといったことを考えなが ...

書評編

なぜ、私たちの心はしばしば病むのか。フロイトの『精神分析入門講義』を読みながら、考えよう。この本は、一般向けに書かれた入門書で、内容は深くないが、フロイトの理論全体を概観するには都合の良い本である。この本を読めば、神経症の本質がよく理 ...

書評編

ギリシャや日本には、なぜ男性同性愛の習慣があったのだろうか。私は、その本質は、ファリック・マザーへのナルシシスティックな幻想だと思う。フロイトの論文集『性理論三篇』を読みながら、ファリック・マザーについて考えよう。

書評編

プラトンは、主著『国家』で、正義とは何かを探求した。身体以外の所有物の否定、妻子共有制、民主主義を否定する哲人政治など、プラトンが思い描く理想郷は、現代の私たちには受け入れがたい共産主義的独裁体制なのだが、正義とは何かに関する彼の哲学 ...

書評編

イエス・キリストは、なぜスケープゴートとして屠られなければならないのか。なぜ十字架は、キリスト教徒にとって、忌まわしい思い出ではなく、信仰の象徴たりうるのか。イエスの復活はどのように成されたのか。『新約聖書』を読みながら考えよう。

書評編

ユダヤ人が1948年にイスラエルを建国して以来、中東では戦火とテロが絶えることがない。ユダヤ人は、なぜ平気でアラブ人から土地を奪うことができるのか。彼らの行為を正当化するユダヤ教の正典『旧約聖書』を読みながら、ユダヤ人たちの選民思想を ...

書評編

予備知識なしで『聖書』を読んでも、ほとんどの日本人には、その意味が理解できない。具体的な、わかりやすい話も出てくるが、その寓話を通して、どのようなメッセージが送られているのかまでを読み取らなければならない。『聖書を読みとく―天地創造か ...

書評編

哺乳動物の毛皮には、温度調節、保湿、紫外線遮断などの機能があり、突然変異によって、毛皮を失った個体がたまたま生まれても、子孫を残さずに死滅する。では、なぜ人間は、他の霊長類とは異なって裸となりえたのか。島泰三が『はだかの起原―不適者は ...

書評編

『古事記』には、多くの異界訪問の神話が含まれている。あの世に逝ったり、蘇ったりするというのはどういうことなのか。禊はなぜ必要なのか。因幡のしろうさぎの物語が何を意味しているのか。こうした問題を考えながら読んでみよう。

書評編

アマテラスは、太陽の女神にして、天皇家の祖先であり、現在は伊勢神宮で祭られている。筑紫申真は、アマテラスの誕生で、アマテラスは、『記紀』が編集された頃、持統天皇をモデルにして作られた新しい神にすぎないと主張している。しかし、私は、アマ ...

書評編

「竹島の日」制定をきっかけに、韓国人の反日感情が燃え上がった。なぜ韓国の反日活動家は、これほどまでに日本人を嫌い、被害妄想を膨らませるのだろうか。福原泰平の『ラカン―鏡像段階』を手掛かりに考えてみよう。

書評編

文明以前の古代エジプトにはどのような宗教があったのか。ピラミッドは何のために建造されたのか。出エジプトに描かれているモーセの奇跡は史実だったのか。『吉村作治の古代エジプト講義録』を読みながら、考えてみよう。

書評編

古代エジプトは、母権社会的な色彩が強かった。このことは、ファラオ(男性)による統治と太陽崇拝に矛盾しないのか。吉村作治の『ファラオと死者の書―古代エジプト人の死生観』を読みながら、考えよう。

書評編

最古の文明である古代メソポタミア文明での神話は、日本の神話にどのような影響を与えたか、岡田明子と小林登志子の共著古代メソポタミアの神々―世界最古の「王と神の饗宴」を読みながら、考えてみよう。

書評編

紀元前3500年ごろに世界最古の都市文明を築いたシュメール人は、紀元前2004年にウル第三王朝が滅亡した後、歴史の表舞台から消えたと言われていたが、実は、その後、日本列島に上陸し、弥生人になったという説がある。江戸時代に来日したエンゲ ...

書評編

柿本人麻呂は、持統・文武両天皇に仕えた宮廷歌人であり、歌聖として崇められた。柿本人麻呂を神として祀った神社は全国に多数ある。そして、梅原猛の『水底の歌』によれば、このことは、柿本人麻呂が非業の死を遂げたということを暗示している。

書評編

フロイトは、『トーテムとタブー』において、「個体発生は系統発生を繰り返す」というテーゼのもと、エディプス・コンプレックスの理論を用いてトーテムのタブーを説明しようとするのだが、トーテムは、プリミティブな社会において、本当に父親として表 ...