リビドー発達段階史観

フロイトによれば、去勢以前のリビドーの発達段階には、口唇期、肛門期、男根期という三つのフェイズがある。個体発生が系統発生を繰り返すという反復説に従うなら、個人史的な三つのフェイズは、人類史的にどういう時代に相当するのだろうか。リビドー発達段階史観に基づき、人類が母なる自然から自立したこれまでの歴史を振り返る。
経済構造の発展と心の発達のアナロジー

互酬とは相互に報酬を与えることで、互酬性の原理に基づいて、対等な二者の間において贈与と返答の交換が行われる。再配分では、中心/周縁という構造を持つ、権力的に差異化された社会において、富がいったん中心の権力者に集められ、それが権力者の裁量で、権力者に忠誠を誓う階層(半周縁)には厚く、それ以外には薄く分配されるのだが、民主主義と市場経済は、この中央集権的な構造を脱中心化する。反復説に基づいて、個体発生が系統発生をどのように繰り返すかを考えたい。