リビドー発達段階史観

フロイトによれば、去勢以前のリビドーの発達段階には、口唇期、肛門期、男根期という三つのフェイズがある。個体発生が系統発生を繰り返すという反復説に従うなら、個人史的な三つのフェイズは、人類史的にどういう時代に相当するのだろうか。リビドー発達段階史観に基づき、人類が母なる自然から自立したこれまでの歴史を振り返る。
個体発生は系統発生を繰り返すのか

個体発生は系統発生を繰り返すという生物学の仮説を反復説という。この説は長い間タブー視されてきたが、近年再評価されつつある。反復説をオートポイエーシスとフラクタルの観点からシステム論的に説明しよう。
フラクタルは複雑系か

複雑系を扱った本は、必ずと言って良いぐらい、カオスとフラクタルに言及しているが、ロジスティック写像の自己指示的反復適用が必ずしもカオスを発生させるわけでないのと同様に、すべてのフラクタルが複雑系と呼ぶにふさわしい不確定性を持つわけではない。