人はどのような知を求めるのか

私たちは、必ずしも役に立つ知だけを求めているのではない。一見すると何の役にも立たない知を求めることもある。しかし、これは人類の生存にとって不利には働かない。なぜなら、種の存続には、環境適応のみならず、変化適応も必要だからだ。「よく遊びよく学べ」とはよく言ったもので、前者は変化適応力を、後者は環境適応力を高めよという教えとして解釈することができる。環境適応にばかり力を入れてると、環境が変化した時、それに適応できなくなるから、バランスが必要だ。
言語はなぜ不完全なのか

もしも、言語が世界を忠実に写し取り、それを他者に伝達するための手段だとするならば、そこには二つの不完全性がある。しかし、その不完全性は、私たちにとって必要な不完全性である。