科学者はオカルト現象とどう向き合えばよいのか

古来より磁力や静電気力はオカルト的な遠隔作用として認識されており、魔術を禁止するキリスト教の力が強かった時代に磁力や静電気力の研究は廃れた。しかし、ルネサンス期以降、敢えて魔術に取り組む研究者が現れ、彼らが近代的な電磁気学や力学の基礎を築いた。ニュートンやクーロンは、万有引力や電磁気力を遠隔作用と認識していたが、今日それらは近接作用で説明されるようになった。この電磁気学の歴史から私たちが学ばなければならない教訓は、オカルト的であることを理由にオカルト現象の研究を拒否することはするべきではないが、遠隔作用を遠隔作用のまま肯定することはオカルティズムであって科学ではなく、遠隔作用は近接作用によって説明されなければならないということである。
デカルト座標はなぜデカルト的か

直交座標システムは、デカルト座標システムとも呼ばれるが、その名は、フランスの数学者にして哲学者のルネ・デカルトに因んで付けられている。しかし、デカルトは、最初にデカルト座標システムを考案したのでもなければ、最初にデカルト座標システムに基づいた解析幾何学を創設したのでもなかった。しかしそれでもなお、デカルト座標システムという呼称は不適切とは言えない。なぜならば、デカルト座標は、デカルトの哲学を数学へと応用したものだからだ。
哲学は何から始まるのか

哲学は、古代のギリシャにおいて、アルケー、すなわち万物の根源は何かという問いから始まった。哲学としてのシステム論の結論は、世界がそこから立ち現れ、哲学がそこから始まるところのアルケーとは、不確定性であるというものだ。アルケーが、あれやこれやの要素であるとか、基体=意識主体であるとかいった従来の哲学者たちの主張は、本来のアルケーの忘却から生じる。不確定性は、時間的にも、理論的にも、すべてに先立つのである。