エビデンスに基づく教育政策

従来の日本の教育改革は、政策立案者の個人的体験に基づく人生論、精神論、感情論で行われることが多かった。中室牧子の『「学力」の経済学』は、教育を人的資本への投資とする経済的アプローチをとり、医療行政で行われているようなエビデンス(科学的根拠)に基づく政策立案を提案する。その方向は正しいが、中室が言っていることには同意できない点もあるので、それも併せて指摘することにしよう。
ボランティア活動は公益になるか

ここで問題にするボランティア活動とは、他者のために、無報酬で(あるいは少なくとも非営利で)、自発的に、非専門的な労働をすることである。趣味で行う非営利の労働は、その外部経済がいかに大きくても、ボランティア活動とは言わない。このように定義されたボランティア活動が、はたして公益に貢献するのかどうかを考えてみよう。