大人が幼児性を持つことに対する日米での評価の違い
日本人でも米国人でも、11~14歳ごろになると、変声が起こり、声の高さが低くなる。したがって、意図的に高い声を出す女性は、意図的に子供のようにふるまおうとしているというように解釈される。日本では、それが「少女みたいでかわいい」と肯定的に評価されるのに対して、米国では「幼稚でバカっぽい」と否定的に評価される。これは、日本文化の前去勢的性格を示している。
『ファリック・マザー幻想』を出版しました
以前予告していた、私の二冊目の本『ファリック・マザー幻想―学校では決して教えない永井俊哉の《性の哲学》』が、リーダーズノート株式会社より出版されました。このページでは、この本の読み方などを説明します。本書に関する質問等は、このページのコメント欄に投稿してください。
芸者の化粧の謎を解く
芸者の襟足は、白い化粧の塗り残しという形で、強調される。この化粧にはどのような意味があるのか。なぜ芸者は、襟を後方に大きく開いて、男に背中を見せるのか。なぜ襟足は、正月と八朔には、二本ではなくて三本になるのか。芸者の化粧に込められた意味を解読してみたい。
西洋のドラゴンと東洋の龍の起源
龍(ドラゴン)神話は、洋の東西を問わず、どこにでもある。西洋では、竜は退治される存在でしかないが、なぜ東洋では龍が崇められるのか。竜信仰と蛇信仰は同じなのか。なぜ宇宙の開闢は、暗い水の中にいる龍退治から始まるのか。荒川紘の『龍の起源』を手掛かりに、考えてみたい。
十字架はなぜキリスト教の象徴なのか
十字架がキリスト教の象徴であるということは、常識的に考えると奇妙である。敵対する異教徒の中には、「彼らは、彼らに値するもの(死刑)を拝んでいる」と皮肉る人もいるが、なぜキリスト教徒は、教祖であるイエスを死に追いやった忌まわしい処刑の道具を、キリスト教の象徴として崇拝するのだろうか。イエスは、死後復活したのだから、十字架は、死の克服の象徴だと言う人もいるが、それならば、なぜ、釘とか槍といった他の処刑道具ではなくて、十字架でなければならないのかが問われなければならない。
仏教はなぜ女性を差別するのか
仏教は、カースト制度による伝統的な差別を否定し、万人の平等を説く宗教であるにもかかわらず、女性を蔑視するのはなぜか。この問いに答えるには、そもそもなぜ、仏教の開祖であるガウタマ・シッダールタが出家をしたのか、その動機を理解しなければならない。
なぜ日本人は幼児的なのか
しばしば、日本の文化や日本人の精神構造は特殊だと言われる。しかしそれは、日本の文化や日本人の精神が特殊な発達を遂げたからではない。たんに発達が未熟であったからにすぎない。標準的な発展を遂げた他の文化圏の人々と比べると、日本人は、外観だけでなく性格が幼児的に見える。そして、この幼児性ゆえに、日本文化は、特殊であるように見えるだけなのだ。