Qアノン陰謀論はなぜ生まれたのか
2020年の米国大統領選挙で最もネットを熱くさせた陰謀論は、Qアノン陰謀論であった。このネット発の陰謀論は、2016年の米国大統領選挙の時に流布したピザゲート陰謀論の続編であるが、トランプ大統領が児童売春と悪魔崇拝を行うリベラル派エリートの秘密結社と秘かに戦っているという荒唐無稽な陰謀論は、誰がどのような動機で作って、広めたのか。陰謀論の陰謀論という形で推測してみたい。
寿命は何によって決まるのか
生物には、カゲロウのように短命のものもあれば、ヒトのように百年近く生きるものもある。また同じヒトでも、現在は過去よりも平均寿命が長いし、現在においても、先進国の方が途上国よりも平均寿命が長い。この違いはなぜ生まれるのか。また、ヒトの寿命は今後も伸び続けるのか。寿命にまつわる謎について考えたい。
イノベーターのジレンマ
クリステンセンが1997年に出版した『イノベーターのジレンマ(邦訳名:イノベーションのジレンマ)』は、大企業に成長した優良企業は、いかに経営が良くても(むしろ経営が良いからこそ)イノベーションに失敗し、没落することを指摘し、企業におけるイノベーションの研究に大きな影響を与えた。このページでは、2003年の続編、『イノベーターの解決策(邦訳名:イノベーションへの解)』を参照しつつ、クリステンセンの理論がどこまで正しいのかを検証したい。
松村劭の戦争学
戦争が別の手段をもってする政治の継続であるとするならば、どのようにして戦争を行うかは、その国の政治が平和時にどのように機能しているかとは無関係ではありえない。松村劭の『戦争学』と『新・戦争学 』を参考に、古代から現代の戦争の歴史を振り返りながら、政治システムの構造変換の歴史を考えてみよう。
浦島太郎と桃太郎
浦島太郎と桃太郎は、日本のおとぎ話の分野では、ともに人気があり、有名である。二人の太郎の話は、しかしながら、対照的である。浦島太郎のテーマが、胎内回帰願望と死への欲動であるのに対して、桃太郎のテーマは、胎内回帰の拒否と生への欲動である。すなわち、前者が去勢以前的なファリック・マザー幻想の物語であるのに対して、後者は自発的去勢の物語である。
浦島伝説の三つの謎
浦島太郎の物語は有名であるが、それが何を伝えようとしているのかははっきりしない。竜宮という理想的異界は、なぜ天の上ではなくて、海の中にあるのか。竜が登場しないのになぜ竜宮なのか。竜宮から出て、玉手箱を開けるとたちまち年をとってしまったことは何を意味しているのか。これら三つの問いに答えることで、浦島伝説の本来の意義を解き明かしたい。
どうすれば太平洋戦争に勝てたのか
第二次世界大戦は、枢軸国の敗北に終わったが、日本が犯したある一つの間違いさえなければ、あの戦争は、枢軸国の勝利に終わった可能性がある。どうすれば、枢軸国が勝つことができたのか、佐藤晃の『太平洋に消えた勝機』を手掛かりに考えよう。
リデル・ハートの戦略論
間接的アプローチとは、「20世紀のクラウゼヴィッツ」と評される、イギリスの著名な戦略研究家・戦史研究家、リデル・ハートが提唱した戦略である。日本のような戦争を放棄している国で軍事的戦略を勉強してもあまり意味はないが、リデル・ハートの戦略論を経営に応用しようとする人ならたくさんいる。彼が主著『戦略論―間接的アプローチ』で提唱する「間接的アプローチ」をビジネスに応用するとどういうことになるのかを考えてみよう。
無形化世界の力学と戦略
無形化世界とは、1970年代以降の情報化の時代を迎えた世界のことである。冷戦も雪解けを迎え、古典的な有形の戦争が減る中、経済戦争や知的ヘゲモニーの争奪戦やメディア合戦といった目に見えない形での戦争が熾烈になっていく。これらの無形の戦争は、別の手段を以ってする有形の戦争の継続に過ぎないのか。長沼伸一郎の『無形化世界の力学と戦略―理系からの解析は戦略と地政学をどう変えるか』を読みながら考えよう。
戦争に勝つということはどういうことか
英米は、第二次世界大戦で犯した過ちと同じ間違いをイラク戦争で繰り返している。二つの戦争に共通する構造を浮かび上がらせながら、戦争に勝つということはどういうことかを考えてみよう。