中央卸売市場は必要か

日本には、中央卸売市場という地方公共団体等が農林水産大臣の認可を受けて開設する官製マーケットが存在するが、日本の政治家でその存在を疑問視する人はほとんどいない。代表的な中央卸売市場である築地市場の移転問題においても、豊洲新市場に移転するか、それとも改修することで築地において存続させるかがもっぱら争点になっていて、両方とも廃止せよという声は聞こえてこない。だが、情報革命による流通の合理化が進展する中、生鮮食料品の流通のために、このような官製マーケットが本当にこれからも必要なのかという根源的な問いこそが問われなければならない。
サブプライム問題はなぜ起きたのか

2009年1月20日、バラック・オバマが米国大統領に就任した。共和党の市場経済万能主義的な経済政策のおかげでサブプライム問題が発生したので、この世界恐慌以来の経済的危機を、世界恐慌の時と同様のニューディール政策によって克服する必要性が生じ、このため、米国の有権者は、小さな政府を理想とする共和党政権に代わって、大きな政府を理想とする民主党政権を選んだというのが大方の解釈であるが、この解釈は正しいのか。検証してみよう。
社会福祉は必要か

社会福祉は不要である。安心して暮らすことができる社会を作る上で必要なのは保険であり、保険は営利企業に委ねることができる。社会福祉の機能を民間の保険会社に代行させ、社会保障の分野に市場原理を導入することは、大きな政府の弊害を是正する上で重要である。私たちは、政府が強者から税を徴収して弱者にばらまく福祉中心型社会から、幸運な者と不幸な者がリスクヘッジのコストを分担し合う保険中心型社会へと移行するべきである。
地方分権は望ましいのか

日本の地方分権論の主流は、教育や福祉といった対人サービスが政府の役割であることを前提にし、住民により身近な存在である地方政府にそれらの権限を大幅に与えよというものだが、こういった地方分権論では地方政府はいつまでたっても自立できない。