他者は存在するのか
自分に意識があるということは確実な事実である。では他者にも同様の意識があるということをどうやって証明したらよいのであろうか。この証明に行き詰まる時、ひょっとしたら、意識がある存在者は自分だけではないだろうかという独我論が頭をもたげて来る。
他者認識と認識の不確定性
これまで哲学者たちは、独我論を論破するべく、他者の存在を証明しようとしたが、うまくいっていない。それは他者の存在を証明しようとしたからだ。証明するということは、そうであって他の様ではない必然性を示すこと、つまり、認識の他者性の排除であり、認識の他者性を排除しようとしている限り、他者の認識は不可能だからだ。