『現象学的に根拠を問う』を出版しました

私の著作『現象学的に根拠を問う』の解説動画、書誌情報、販売場所、概要、読者との質疑応答などを掲載します。本書に関してコメントがありましたら、このページの下にあるコメント・フォームに投稿してください。誤字脱字の指摘から内容に関する学問的質問に至るまで幅広く受け入れます。
地平の中間性構造

地平は、私たちの視界を部分的に遮ると同時に、部分的に与える。ここから、地平は、認識を制限する制約であると同時に認識を可能にする条件という両義性を帯びた哲学的概念として使われる。私たちは、神のような全知全能の存在ではないが、完全な無知無能の存在でもなく、その中間に位置する。本稿ではこれを地平の中間性構造と名付け、地平の中間性構造が私たちの存在の本質を規定していることを確認したい。
シェーラーの哲学的人間学

マックス・シェーラーは、現象学の影響を受けた倫理学者であり、哲学的人間学の提唱者でもある。フッサールは、倫理学にはあまり興味を持たなかったので、現象学的な直観主義が、倫理学に何をもたらすのかを、マックス・シェーラーの提唱する実質的価値倫理学で検証し、彼の哲学的人間学の成否を検討したい。
フッサールの超越論的現象学

フッサールの超越論的現象学は、カントの超越論的哲学と何が同じで、何が異なるのか。このページでは、カントの超越論的哲学と比較しつつ、フッサールの哲学を全体部分関係論の観点から分析し、超越論的哲学としての現象学の射程と限界を見定めたい。