仏教はなぜ女性を差別するのか

仏教は、カースト制度による伝統的な差別を否定し、万人の平等を説く宗教であるにもかかわらず、女性を蔑視するのはなぜか。この問いに答えるには、そもそもなぜ、仏教の開祖であるガウタマ・シッダールタが出家をしたのか、その動機を理解しなければならない。
男社会はいかにして成立したのか

人間の社会においては、有史以来、男が女よりも主導的な働きをしてきたというのが常識である。現代でも、建前はともかく、相変わらず男社会が続いている。女性が要職に就くたびに、「これからは女の時代だ」とマスコミが騒ぐのは、逆に、女性が依然として低く見られている証拠である。しかし、人類の歴史全体を通して、常に男尊女卑であったわけではない。有史以前は、むしろ女尊男卑の時代だった。