古事記の異郷訪問譚
『古事記』には、多くの異界訪問の神話が含まれている。あの世に逝ったり、蘇ったりするというのはどういうことなのか。禊はなぜ必要なのか。因幡のしろうさぎの物語が何を意味しているのか。こうした問題を考えながら読んでみよう。
あの世は縄文時代どこにあったのか
アニメ映画『千と千尋の神隠し』で、千尋の家族は、トンネルを潜り抜けて、八百万(やおよろず)の神々が住むあの世へと迷い込む。この異界観は、日本では伝統的で、その起源は縄文時代にまで遡る。なぜ縄文時代の日本人は、キリスト教や仏教などの世界宗教が想定するように、あの世が天にあるとは考えなかったのだろうか。
浦島物語の起源は何か
浦島太郎の物語のモデルは何だったのか。乙姫様がいた竜宮に、なぜ竜はいなかったのか。そして竜宮という理想郷は、なぜ天の上ではなくて、海の中にあったのか。ジェンダー論の観点から考えてみよう。