ウイルス進化説は正しいか

ウイルス進化説とは、進化はウイルスの感染によって起こるという仮説のことである。「ウイルス進化説」あるいは「ウイルス進化論」は、中原英臣と佐川峻による命名であるが、この仮説は海外では二人が提唱する前からあり、それらを含めた包括的な説とするなら、今日ウイルス由来の遺伝子が哺乳類の進化をもたらしたことが実証されているので、部分的には正しいということがわかっている。
なぜヒトの体毛は少ないのか

哺乳動物の毛皮には、温度調節、保湿、紫外線遮断などの機能がある。だから、毛皮を失った個体がたまたま生まれても、そうした機能を持たないがゆえに、子孫を残さずに死滅するはずだ。では、なぜ人間は、他の霊長類とは異なって体毛が極端に少ないのか。島泰三が『はだかの起原―不適者は生きのびる』で提唱した新たな仮説の妥当性を検討しよう。
生命はいかにして進化するのか

ダーウィンの進化論は、偶然生じた生物の変異に自然選択(性選択等も含めるものとする)が働き、環境に適応しているものだけが生き残って子孫を増やすことで、進化が起きるとする説であるが、このダーウィンの進化論は、今日に至るまで進化論のパラダイムである。新しい進化の学説を唱える者は、そろってこのダーウィンの進化論を批判し、「ダーウィニズムはもう古い」と宣言するが、このことは、ダーウィニズムがまだ古くない証拠である。もし本当にダーウィニズムが古くなっているのならば、新しい進化の学説を唱える者は、そもそもダーウィニズム批判などしないはずだからだ。
道徳規範のシステム論的基礎付け

私たちは、子供のころから道徳を守るように教えられている。しかし、あらゆるものの根拠を疑うのが哲学の精神である。だから、あらためて「なぜ道徳的でなければならないのか」を問わなければならない。このページでは、この問いをシステム論の立場から答え、道徳規範の地平論的(第一節)、目的論的(第二節)、淘汰論的(第三節)な基礎付けを目指す。