なぜ日本のリベラルはリフレ政策が嫌いなのか
欧米では、リベラルが量的金融緩和に肯定的で、保守主義者が否定的であるのに対して、日本ではそれが逆になっている。日本の左派知識人が、経済成長に積極的でないのは、彼らが、欧米的な意味でリベラルであるだけでなく、仏教かぶれでもあるからだ。
アベノミクスの三本の矢
アベノミクスの三本の矢のうち、第一の矢は正しいが、第二の矢は財政支出拡大という点で正しくなく、第三の矢は、国家主義的な産業政策と構造改革の混合となっており、総じて「小さな政府」を目指しているのか「大きな政府」を目指しているのか不明確である。
日本経済はハイパーインフレになるのか
国土交通省が推し進める観光立国政策の理論的立役者である藤原直哉は、今後日本経済は、日銀の紙幣乱発のおかげで、ハイパーインフレとなり、資本主義と市場経済が崩壊すると予言し、日本の主要産業を観光と農業にせよと提言する。藤原の主張は正しいのか。『崩壊から再生への大潮流―経済がよくわかる本』を検討しながら考えよう。
調整インフレは有害か
調整インフレとは、わかりやすく説明すると、日銀がお札を刷って、国の借金を返し、マネーサプライ(通貨供給量)の伸び率を増加させ、通貨価値を下落させることで、経済をデフレから回復させる金融政策のことである。借金が減って、景気が良くなるのだから、一石二鳥の政策である。