松村劭の戦争学
戦争が別の手段をもってする政治の継続であるとするならば、どのようにして戦争を行うかは、その国の政治が平和時にどのように機能しているかとは無関係ではありえない。松村劭の『戦争学』と『新・戦争学 』を参考に、古代から現代の戦争の歴史を振り返りながら、政治システムの構造変換の歴史を考えてみよう。
ルソーのノスタルジーは正しいのか
ルソーやマルクスは、文明成立以前の発展段階に戦争も階級もないユートピアをノスタルジックに想定した。今でも人類学者や考古学者の多くは、未開社会や原始社会は、本来平等で平和であったと考える傾向にある。しかし、このノスタルジーに科学的な根拠はない。