ソーシャル・メディアへの対応
明けましておめでとうございます。おかげさまで新しく始めたシステム論ブログも三年目を迎えました。去年一番感銘を受けたことは、ソーシャル・メディアのネットワークの広がりです。私はもともと社交的な人間ではないので、世間がいくら Mixi や Facebook で盛り上がっても、試そうという気にすらならなかったのですが、ある日、メルマガと同様にサイトの更新通知に使ってはどうだろうかと思うに至り、それで試してみてから、その便利さを実感するようになりました。今では、もっと早くからやればよかったと思っています。

ソーシャル・メディアへの取り組み
私は、2012年の夏から、Facebook, Twitter, Google+ といったソーシャル・メディアの利用を始めました。有用だったので、2013年には、利用するソーシャル・メディアの数を増やすべく、これ以外にメジャーなサービスはないかといろいろ調べました。すると、日本では有名ではないけれども、海外ではアクティブ・ユーザ数の多いサービスがあることを知りました。以下の表は、日米で使われている主要なソーシャル・メディアをアクティブ・ユーザ数(単位百万人)の多い順に並べたランキングです。グローバルなサイトランキングの順位である Alexa ランクも併記しました。データは2013年12月時点のものです。
ソーシャル・メディア名 | アクティブユーザ数 | Alexa ランク |
---|---|---|
1190M | No. 2 | |
YouTube | 1000M | No. 3 |
Google+ | 540M | No. 1 |
259M | No. 16 | |
232M | No. 12 | |
150M | No. 40 | |
Tumblr | 100M | No. 32 |
70M | No. 30 |
このうち、YouTube は動画専門、Instagram と Pinterest は画像専門のサービスなので、私には向いていません。そこで、新たに LinkeIn と Tumblr を配信用チャンネルとして選ぶことにしました。どちらも、日本ではあまり使われていませんが、米国では人気のようです。また、Facebook に続き、Google+ でも、バイリンガルのプロファイル・アカウントとは別に、言語別のページを作ることにしました。現在使用しているアカウントの一覧は、以下の通りです。
- Facebook
- Facebook Profile – 永井俊哉/Nagai Toshiya:日本語と英語。
- Facebook Page – システム論ブログ:日本語のみ。
- Facebook Page – Systemics Blog:英語のみ。
- Google+
- Google+ Profile – 永井俊哉/Nagai Toshiya:日本語と英語。
- Google+ Page – システム論ブログ:日本語のみ。
- Google+ Page – Systemics Blog:英語のみ。
- Twitter
- Twitter – システム論通信:日本語のみ。
- Twitter – Systemics News:英語のみ。
- その他
- LinkedIn – 永井俊哉:日本語と英語。
- Tumblr – Systemics Tumblelog:日本語と英語。
また、HootSuite, TwitterFeed, dlvr.it を用いた RSS 配信のチャンネルを以下の表のように再配置することにしました。Facebook では、これまでシステム論ブログの記事を dlvr.it を使って自動配信してきましたが、それだと見た目に汚いので、手動で投稿することにします。投稿内容も、システム論ブログに限定せず、Google+ と同様に、配信に値すると判断した更新を通知する予定です。SNS 初心者なので、今後もいろいろ試行錯誤をしながら迷惑をかけるかもしれませんが、よろしくお願いします。

代表的なフィード・アグリゲータであった Google Reader が、2013年7月2日(米国時間7月1日)をもって終了となりました。代替サービスがまだ存続しているとはいえ、RSS リーダで情報収集する時代は終わったという印象を受けます。プッシュ型サービスの主流は、メールマガジン → RSS リーダ → SNS というに変遷すると言ってよいでしょう。グーグルも今後は、プッシュ型サービスとしては、自社の SNS である Google+ に注力するようです。
ところで、Google Reader の終了とともに、グーグルが所有している Feedburner のサービスも近々終了になるのではないかと噂されています。まだグーグルからの正式のコメントはありませんが、feedburner.jp のドメインが更新されなかったこと、Feedburner の公式ブログや公式ツイッターアカウントが閉鎖されたこと、Feedburner 向け広告や Feedburner API が終了したことなどから判断すると、その可能性がないとは言えません。私も、Feedburner のサービスを部分的に使ってきましたが、今後は、その事態に備えて、これを使わないことにします。
2014年1月1日現在のフォロワー数は、Twitter で137人、Facebook で107人、Google+ で41人です。メルマガの読者数4690人と比べるとまだ数は少ないけれども、始めてからまだ一年半ですから、むしろよくこれだけフォローしてくれたものと感謝したいところです。
追記(2018年08月)選択と集中
グーグルは、2018年10月8日(米国時間)に、同社のソーシャル・メディア、Google+の消費者版を2019年8月に終了すると発表しました。フォロワーの方には、他のソーシャル・メディアへの乗り換えをお薦めします。Tumblr はすでに止めたので、現在私が継続しているのは、Facebook, Twitter, Linkedin の三つです。
追記(2023年09月)スレッズ開始

2023年9月18日に、X(Twitter)のオーナーであるイーロン・マスクは、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との対談中に、ヘイトスピーチや偽情報を拡散させるボットを封じ込めるべく少額の月額課金を導入するつもりだと述べました。2023年3月27日のツイートでも、マスクは「有料認証はボットのコストを1万%まで増加させ、電話やCCクラスタリングによるボットの特定をはるかに容易にする」ことを理由に「有料アカウントのソーシャル・メディアは、唯一の重要なソーシャル・メディアになるだろう」と言っていたので、これは彼の持論のようです。
メディアは「Xシステムの利用に毎月少額を課金する方向に移行中である最も重要な理由は、それが膨大なボット軍団に対抗する唯一の方法であるからだ」というマスクの発言を取り上げ、全員に課金すると報道しましたが、実際のところ、マスクは、無料ユーザーを完全に排除するのではなく、たんに現行の有料サブスクリプション(X Premium)のプランとは別に、もっと安いプランを新設するだけのようです。それでも、無料でできることは今よりももっと制限される(さもなくば、誰もそのプランを買わない)でしょうから、無料ユーザーにとってXはますます不便になりそうです。
マスクは、ツイッターの無料利用の制限を、買収したころから構想していたようです。ツイッター買収の翌月、2022年11月に報道された内部からのリークによると、毎月の閲覧時間に上限を設け、制限を超えると課金するというアイデアが検討されたとのことです。
このアイデアは、その後形を変えて、実行されました。2023年7月1日から、「極端なレベルのデータ・スクレイピングとシステム操作に対処するため」、一日の閲覧が、認証アカウントで6000投稿、未認証アカウントで600投稿までに制限されたのです。600投稿以上を読もうとすると、有料サブスクリプション(Twitter Blue)を購入して、認証されなければいけないので、有料サブスクリプションの販促とも受け取れます。
なお、マスクが謂う所のデータ・スクレイピングとは、機械学習で必要になるデータを収集するために、ボットがウェブからデータを抽出することを意味します。マスクは、Xのデータを使って、「宇宙の真実を解き明かす」ことを目標とする汎用AIを開発しようとしているので、ライバルの機械学習のためにXのデータが無料で使われることを嫌ったのでしょう。
その後、マスクはXの閲覧制限を緩和しましたが、ユーザーの不満は一挙に高まりました。このタイミングを狙って、マーク・ザッカーバーグが予定前倒しで7月6日にリリースしたのが、スレッズ(Threads)というツイッター競合アプリです。月間アクティブユーザー数が十億人のインスタグラムから容易に登録できることもあって、公開からわずか5日間で、ユーザー数が1億人を超えました。
しかし、この開発途上のアプリは、ツイッターと比べて機能が不十分であったため、多くのユーザーは幻滅し、離れていきました。8月になると、アクティブ・ユーザーは約8割減ってしまいました。マスクが9月になって課金ベースの拡大を発表したのは、スレッズの失速を見て安心したからなのかもしれません。
それでも、スレッズは、8月25日にブラウザ版を公開するなど、機能改善を続けています。Xが無料利用に大きな制限を課す一方で、スレッズが、今よりも改善されたサービスを無料で提供するようになるなら、形勢が逆転するかもしれません。ただし、政治や重大ニュースなど、ネガティブな感情を惹き起こす投稿を歓迎しないというスレッズの方針は、スポンサーの要望に基づいているので、今後とも変わることはないでしょうから、そうした類の投稿がお目当ての人は、料金を支払ってでもXに留まることでしょう。
どちらが勝つのか、あるいは棲み分けるのかは、現時点では予測できませんが、Xだけに依存するのはリスクが高いので、保険をかけるつもりで、スレッズも始めることにしました。どちらでも同じような内容を投稿するので、Xの現状に閉口しているフォロワーの皆様には、スレッズでフォローしていただければと思います。インスタグラムおよびスレッズでのユーザーネームは、"ja.nagaitoshiya"です。スレッズで"nagaitoshiya"あるいは"永井俊哉"で検索していただければ、最上位に出てきます。
追記(2023年10月)アカウント停止
理由はよくわかりませんが、スレッズでの私のアカウントが10月2日に停止となりました。もともとリスク分散のために作ったアカウントなので、停止になっても私のダメージはそれほど大きくないのですが、さっそくフォローしてくださった四名のユーザーの皆様には、ご期待に添えず申し訳なく思います。
スレッズに限ったことではありませんが、第三者が管理するプラットフォームでは、アカウントやサービスが、ユーザーの意図に反して停止となるリスクがあります。このリスクを低減するために、私は複数のプラットフォームにチャンネルを開設し、かつ最後の拠り所として、プラットフォームに依存しない二つのメディアを運営しています。
そのメディアとは、ウェブサイトとニューズレターです。HTML文書と電子メールは、私企業が管理するプラットフォームにではなく、公的な通信プロトコル(WWW/SMTP/POP)に依存するため、第三者の支配を受けにくいという長所を有します。
現在、私は、ニューズレターをSubstackというプラットフォームを使って配信しています。私企業が管理するプラットフォームですから、将来サービスが有料になるとか、サービス自体が停止になるとかといった可能性はあります。しかし、Substackは、まぐまぐとは異なり、メールリストの持ち出しを許可しているので、使えなくなったなら、他のプラットフォームに移転したり、自分のウェブサイトをホスティングしているサーバーに、phpListというオープンソースのソフトウェアをインストールし、直接配信したりする選択肢があります。
もとより、ウェブサイトとニューズレターには、ソーシャルな機能がないので、それを求めるユーザーのためにソーシャル・メディアでのチャンネルを可能な限り維持します。第三者のプラットフォーム上にあるアカウントは、私にとっては、リーチを広げるための支城という位置付けで、支城が落ちた時に籠る本城が、ウェブサイトとニューズレターということです。
追記(2024年06月)アカウント再開
インスタグラムとスレッズのアカウントは、メール・アドレスを使ってパソコンから登録すると停止処分になりやすいという情報を得て、今度は、スマホのアプリから電話番号でアカウントを作り直しました。しかし、今回の目当ては、スレッズではなくて、ショート動画がとうこうできるインスタグラムのリールです。インスタグラムのリールは、スレッズでシェアできるので、スレッズも併せて再開することにしました。ユーザーネームは、@nagai.toshiya.japanese です。
追記(2024年11月)ブルースカイ開始
米大統領選挙後、Xの代替ソーシャル・メディアであるブルースカイ(Bluesky)の利用者数が急増し、2024年11月28日現在、2300万人を超えました。この数自体はそれほど大きいとは言えません。以下は私が配信に使用しているプラットフォームの月間利用ユーザー数(単位は百万人)です。Substackより少し多い程度です。
- Facebook: 3065
- YouTube: 2490
- Instagram: 2000
- TikTok: 1582
- Spotify: 626
- X (Twitter): 570
- LinkedIn: 397
- Threads: 275
- Substack: 20
- まぐまぐ: 7.5
それでもモーメンタムはあります。それは、Xのオーナであるイーロン・マスクが、トランプ次期米政権で要職に就くことに不満なリベラルが新天地を求めて大量脱出(出エジプトになぞらえ、X-odusと書かれるエクソダス)したからと解釈されていますが、Blueskyがジャーナリストやパブリッシャーに好まれるのは、たんにリベラルだからだけではありません。Xをはじめとする既存のソーシャル・メディアは、リンク・ポストの優先順位を下げるアルゴリズムを採用しているからです。
イーロン・マスクは、リンクをコメントで張ればよいとアドバイスしていますが、ほとんどの閲覧者は、コメントで張ったリンクなど気付きません。プラットフォームとしては、利用者を自分のアプリ内に囲い込んで、外に出させたくないのでしょうが、利用者にとっては、オープンなウェブ上のリソースを参照できる方が視野が広がるので、この点、独占を目指すプラットフォームと選択の自由を求める利用者との間に利害の対立があります。もちろん、自分のサイトへの誘導を望む配信者側との間にも利害の対立があります。これに対して、ブルースカイのCEOは、リンク・ポストのプライオリティを下げないことを明言しているので、パブリッシャーからは歓迎されています。
Xの代替ソーシャル・メディアとして、Xに次いで最も利用者が多いのは、スレッズですが、こちらは、政治のニュースを歓迎しない方針を打ち出しているので、ジャーナリストやパブリッシャーからは好まれていません。また、プラットフォームの責任者は明言していませんが、リンク・ポストは歓迎されていないようです。スレッズに限らず、メタのソーシャル・メディアは、エンターテインメントやライフスタイル関係の話題を歓迎しているようです。
しかし、スレッズにも評価すべき点があります。分散型ソーシャル・メディアのプロトコル、ActivityPubと互換性を持たせ、フェディバースに参加していることです。もしもすべてのメディアがフェディバースに参加すれば、ユーザーはプラットフォーム間を自由に移動できます。これは、ユーザー囲い込みによる独占利権を目指すプラットフォームにとっては不都合なので、Xはフェディバースに参加していません。メタも、フェイスブックやインスタグラムといったその分野で業界トップのアプリをActivityPub互換にしていません。スレッズだけをActivityPub互換にしたのは、マイクロブロギングの分野でXよりも劣位にあるので、弱者連合で対抗しようとしたためなのでしょう。
ActivityPub互換のメディアは今のところあまり多くありませんが、大きな可能性を秘めているのが、WordPressです。WordPressで構築されたウェブサイトは、2024年現在、全体の43.7%に相当する4億8860万あるとみられています。WordPressの開発者が作成したActivityPubのプラグインは、まだ6000ほどしかインストールされていませんが、将来WordPressに標準装備され、多くのブログがActivityPub互換となれば、フェディバースの世界は一挙に広がることでしょう。
ブルースカイのプロトコル、AT Protocolは、ActivityPubと互換性を持ちませんが、Bridgy Fedで相互交流可能です。ブルースカイでアカウントを作って、@ap.brid.gyをフォローすると、フォローバックされ、フェディバースと交流できます。フェディバース側では、@bsky.brid.gyをフォローすることで、ブルースカイのユーザーと交流できます。
私は、今後もXを中心にマイクロブロギングを続けますが、読者の選択肢を広げるために、ブルースカイ(ハンドル:@japanese.nagaitoshiya.com)にも永井俊哉チャンネルのアカウントを開設し、Xでの投稿をクロスポストすることにします。スレッズの方は、フェイスブックもしくはインスタグラムからクロスポストすることにします。また、永井俊哉ドットコムにもActivityPubのプラグインをインストールして、ブログを直接フェディバースに参加させます(@[email protected])。
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