ウェブサイト再編成のお知らせ
2011年度より、私が管理するサイトを大規模に再編成します。これまで永井俊哉ドットコムで公開してきたコンテンツは、システム論アーカイブに移転し、そこで保存します。新コンテンツは、システム論ブログで公開し、システム論ウィキで体系化します。また、読者の積極的な参加を促すために、システム論フォーラムを開設します。

1. サイト再編成の狙い
私は、これまで運営してきたサイトは、永井俊哉ドットコム(nagaitosiya.com)という文字通り私の個人的なブログサイトでした。それにもかかわらず、たまに、「この論文を論文編に載せてほしい」という依頼が来ることがありました。私は、個人サイトであることを理由に断ってきたのですが、そういう人に「自分の主張を世に問いたいのなら、自分で自分のサイトを作って、そこで公開すればよいのではないですか」と言うと、「サイトを作るのは面倒だし、作っても誰も見に来てくれない」と言っていました。たしかに、自前のサイトを作るまでもないが、単発的に自己主張したいという人はかなりいるようです。
そこで、私は、自分のサイトを脱個人サイト化しようと考えるようになりました。個人サイトの場合、私が死亡すればそれで終わりですが、学術系コンテンツは、長期的に保存され、かつ後続の人々によって(肯定的にか否定的にかは別として)継承されるべきものであることを考えるならば、より多くの人が関与できるオープンなサイトにしたほうが良いのではないかと思えるからです。もちろん、個人サイトだったものをいきなりオープンにするわけにもいかないので、段階を踏んで、徐々に読者参加型にしていかなければいけないのですが、このプランについては後で話すことにします。
私のサイト再編成の動機はもう一つあります。私は、これまで主として日本語で記事を書いてきましたが、英語のオンライン人口が日本語のオンライン人口の5倍以上いる(下の図参考)こと、学術分野では英語が圧倒的な存在であることなどを考慮して、今後は日本語だけではなくて英語による情報発信にも力を入れていかなければいけないと考えるようになりました。

最初は、旧サイトの手直しでバイリンガル対応にしようかと思っていたのですが、今後のことを考えて、抜本的なサイト編成を行うことにしました。可能であれば、日本語、英語以外の言語のディレクトリも作りたいと考えています。
私は、学生時代から、システム論としての哲学を模索してきました。今後とも自分のシステム論の完成に向けて努力していきたいと思いますが、たんにサイトを自分のシステム論の公開の場にするだけでなく、様々な専門分野の様々な人が様々な言語でシステム論研究に参画することができる、システム論研究のプラットフォームにしていきたいと思います。私は、これまで「専門の壁を越えた縦横無尽の知的冒険」を標榜し、システム論の研究を行ってきましたが、今後は、以下のような五つのシステム論ウェブサイトの運営を通して、人の壁、言語の壁、専門の壁を越えたサイトを目指したいと思います。
2. システム論アーカイブ
まず、永井俊哉ドットコムでこれまで公開してきたコンテンツは、システム論アーカイブに移転し、原則として更新を終了し、文字通り書庫入りといたします。但し、各記事に対するコメントは、今後も受け付けます。サイト内のファイル構成は、日本語コンテンツと英語コンテンツを別フォルダにした以外は、ほとんど変えていません。

保存するだけなら、旧ドメインのままでもよいのですが、旧ドメインでは、私の名前のローマ字表記が訓令式となっており、これを英語圏で標準のヘボン式に変える必要性を感じてきたので、ドメインを変更することにしました。これまで、私の名前のローマ字表記として、訓令式の“Tosiya”とヘボン式の“Toshiya”を併用してきましたが、今後は後者で統一します。また、移転に際して、コメントの署名に使っていた“Nagai Tosiya”は、日本語版ではすべて「永井俊哉」で、英語版ではヘボン式表記で統一しました。
訓令式は、1954年の内閣訓令第1号によって定められた公式のローマ字規格で、1989年には国際標準化機構(ISO)によってISO3602として承認され、現在、国内的にも国際的にも認められたデ・ジュール・スタンダードです。それにもかかわらず、英語圏ではヘボン式がデ・ファクト・スタンダードとして相変わらず使われていて、また、同じ日本政府内部でも、文部科学省が学校教育で訓令式を推奨している一方、外務省はパスポートにヘボン式を使うことを要求するなどの状況を勘案するならば、訓令式で統一するということは実際には難しいと感じました。
現在、旧サイトにアクセスしても、自動的にシステム論アーカイブに転送されます。リンク切れを防ぐためにも、旧サイトのドメインはしばらくは維持し続けますが、リンクを張ってくださった方には、お手数で恐縮ですが、URLの変更をお願いしたいと思います。なお、私のサイトのドメインの変更はこれで四度目で、そのたびに読者にはご迷惑をおかけしましたが、これ以上ドメインを変更することがないようにしたいと思います。
3. システム論ブログ
永井俊哉ドットコムの後継ブログがシステム論ブログです。最新記事は、ここで配信します。RSSリーダー等をご利用の方は、このフィードで登録することができます。コメントフォームが英語でわかりにくいですが、名前、メールアドレス、URIは空欄でもコメントできます。但し、名前のところは、ペンネームでかまいませんから、できるだけ何か入力してください。ユーザー登録すると、コメントも簡単になります。

これまでの私のブログが、ブログソフトとして、商用ソフトである MovableType を使用していたのに対して、システム論ブログは、海外で主流となっている、オープンソースの WordPress をブログソフトとして使用することにしました。WordPress は、テーマやプラグインが豊富なので、便利です。
MovableType は、静的ページをデフォルトで生成するので、システム論アーカイブのように、一度構築したページをサーバーに負荷をあまりかけずに保存する上で便利です。他方で、WordPress は、動的ページをデフォルトで生成するので、アクセスが増えるとサーバーに大きな負荷をかけ、ページの表示も遅くなります。一応、WP Super Cache というプラグインをインストールして、この負担を軽減し、ページの表示を高速化するようにしていますが、我慢できないほど重い時は、知らせてください。
また、Apple iPhone/iPod touch、Google Android、Blackberry Storm といったタッチベースのスマートフォンにも対応するために、WPtouch というプラグインをインストールしました。また、狭い画面でも見ることができるようにと、本文の横幅を680ピクセルに抑えました。しかし、私自身スマートフォンを持っていないので、本当にスマートフォンで見ることができるかどうかわかりません。不具合がありましたら、知らせてください。
4. システム論ウィキ
これまで一般システム学というタイトルで実験的に運用していたウィキサイトは、システム論ウィキに移転します。このサイト名に関しては、システム論ウィキで詳しく説明しましたが、要は私のシステム論を体系化するためのまとめサイトということです。

システム論ブログとシステム論ウィキは、伝統的なアカデミズムにおけるジャーナルと書籍の関係にあり、システム論ブログが最新記事を配信して、読者からのコメントを求めるのに対して、システム論ウィキは、既存の記事を集めて、加筆・修正を加え、整理するための作業場で、内容が常に変化する可能性があるため、コメントはページ単位では受け付けていません。これに対して、システム論ブログは、コメントを受け付けるために、原則として内容を変更しません。ブログソフトが時系列重視型データベースに基づいているのに対して、ウィキソフトは追記修正対応型データベースに基づいているのだから、こうした役割分担がふさわしいと思います。
システム論ウィキは、ウィキペディアで使われているウィキソフト、MediaWiki を使用しています。これはもともと百科事典用のソフトで、一般的な CMS(content management system)ではないため、カスタマイズするのに一番苦労しました。しかし、学術的なウィキサイトを作るのには、そのための拡張機能が豊富で、かつユーザーも多いこのソフトしかないと思いました。なお、MediaWiki のカスタマイズ方法は、別のページにまとめておきましたので、MediaWiki を一般的な CMS として使いたい方は、参考にしてください。
5. システム論フォーラム
システム論フォーラムは、学術的議論のための掲示板です。サイト名に「システム論」とありますが、話題を狭義のシステム論に限定する必要はありません。私の考えでは、おおよそすべてのものはシステムであり、どのような学問の対象もシステム論的に分析できると考えています。だから、このサイトには、主要な諸学問すべてのフォーラムがあります。複数の領域にまたがる学際的なトピックは「システム論一般」フォーラムに、現在報道されている出来事で、複数の学問に関わるトピックは「時事」フォーラムに投稿してください。

ところで、日本で掲示板といえば、2ちゃんねるが有名ですが、2ちゃんねるでは誹謗中傷と悪口雑言が横行していて、「祭り」をするには最適の場所ですが、まじめな学術的議論をする場所としてはふさわしくありません。そこで、もっと学問的な討論をしたいという方のために、システム論フォーラムを開設したという次第です。この掲示板は、批判的意見を歓迎しますが、名誉毀損や信用毀損に相当する書き込みは削除いたしますので、
システム論フォーラムは、フォーラムソフトとして、世界的に最もよく使われている phpBB を使用しています。フィードの利用も可能です。投稿原稿にはHTMLタグを使うことはできませんが、“BBコード”をHTMLタグの代わりに使うことができるので、ブログのコメント欄や2ちゃんねるよりも表現力が高いと言えます。特に重要なのが、アンカーと引用で、その方法はここに書いておきましたので、引用を伴う書き込みをされる方は、事前に読んでください。
新しく作ったばかりのサイトには不具合が付き物です。Windows XP + Internet Explorer/Fire Fox という環境下で基本的な確認を済ませていますが、私のパソコンとは異なる環境でどのように見えるかのチェックは行っていません。不具合の報告、ウェブサイトのデザインや運営方法に対する要望や提案などがありましたら、このページのコメント欄、もしくは、以下の各専門トピック
- システム論アーカイブ
- システム論ブログ
- システム論フォーラム
- システム論ウィキ
に投稿してくださいますようお願い申し上げます。
6. 追記(2015年8月)
2015年8月にさらにサイトの再編を行いました。詳しくは、「永井俊哉ドットコム復活のお知らせ」をご覧ください。本ページ中のリンクのほとんどがリンク切れとなったため、それらのリンクを解除しましたが、本文は過去の記録として残しておきます。
ディスカッション
コメント一覧
最近ではソーシャルメディアという言葉が注目されていますが、永井先生はTwitterやFacebookを始める予定はありませんか?
最近開設したシステム論フォーラムは、私なりのソーシャル化に対する取り組みです。おかずさんのような方にも、ぜひ参加してほしいです。
永井氏の場に他者が多く訪れるということは、それすなわち「永井氏人気の現れ」であるとも思うところです。
そう。
永井氏には「他者が近づきたくなる魅力」があるというわけです。
これ単体では、非常に喜ぶに値するコトガラではあるわけですが、
とある人物におき、おおよそ「人気が出る」ことの背景には、
【その人物には隙がある】ということも同時に謂えます。
つまりが、
【永井氏のお書きになるどんな説明文においても、その文章は永井氏自身における人間そのものの「隙」を垣間見せている】ということです。
だから、他者が寄ってくるのであります。
「隙の無い人間」には、誰も近づかないというものです。
隙があるからたくさん訪問者が来るサイトというのは、2ちゃんねるの祭りの標的となって炎上するブログみたいなもののことですか。それはきわめて特殊な場合だし、このサイトには当てはまらないでしょう。ところで、石黒ティナさんは、「美的緩和空間」というブログをやっていたようですが、アクセス数はどの程度でしたか。ちなみに当サイトのこの1ヶ月間のアクセス数は、Google Analytics によると、89,247 Visits, 132,855 Pageviews で、「人気サイト」と呼べるほどの水準ではないと思います。
私のブログは、永井俊哉氏におけるこの場のように小学生さえも気軽に立ち寄れるようなブログではありませんので、永井俊哉氏スペースに対し「気軽さ」という印象を持ちましたので「人気」という表現を使用しました。
「人気」という表現がお嫌いでしたら、「敷居が低い」とでも申しましょうか?
私としてはまだ「人気」という表現のほうが「まし」だとは思いますが。。。
あ。
「隙」←という一言に過敏反応なさったのでしたら、
「隙というテーマ」で以って雑談でもいかがですか。
カオス・スペースでのハゲ、いやもとい、「不毛」な議論はこれ以上やっても無駄なんですから、この際、別のテーマで。。ということから。
勿論任意ですが。
「カオスと決定論」での論戦に勝てないから、こういうところで八つ当たりをしているのですか。それとも「別のテーマ」でリベンジすることを考えているのですか。それならば、「アカラサマに論点を摩り替えつつ必死に逃げ惑う」のは、石黒さんの方ですね。
【永井俊哉氏ご自身が墓穴をお堀りになったことの一部始終を、あろうことかご自分所有のスペースで石黒からオープンにされてしまったから】といって、石黒に対し『「カオスと決定論」での論戦に勝てないから』とか、『こういうところで八つ当たりをしている』というような【「ご全身がどっぷりとドブにお嵌りになっておられても尚、高々とVサインをする】というその姿を(これまた)顕にする】永井俊哉氏のさまをこのように目前にすると、あなたという人物(永井俊哉氏という人物)に対し、本当に「可哀想である」と感じざるを得ないのが私であります。
お可哀想で仕方がありません。どうぞ、お大事に。。。
しかしながら、私は優しい一面も持っておりますので、下記の言葉も送ることができます。
『永井さん。ドンマイです(笑)♪』