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シンギュラリティは近いか

2018年3月23日

2005年にカーツワイルは『シンギュラリティは近い[1]』を出版し、2045年の技術的特異点(シンギュラリティ)以降、人間が生物学的限界を超えた爆発的な進化を遂げると予言した。人工知能の能力が人間の能力に迫る中、カーツワイルのシンギュラリティ論を信じる人は増えつつあるが、彼の未来予測は本当に正しいのかどうか、批判的に検証してみたい。

シンギュラリティのイメージ画像

なぜ情報技術は指数関数的に進化するのか

カーツワイル[2]が80年代から抱き続けている信念は「世界を変える知の力はそれ自体を加速している[3]」というものだ。

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2005年撮影のレイ・カーツワイル。Source: Michael Lutch. “Raymond Kurzweil in 2005." Licensed under CC-BY-SA.

モラベック[4]と同様、カーツワイルは、ムーアの法則を一般化し、情報技術一般が指数関数的に進化すると予測する。

1990年代に、私はすべての情報関連技術のはっきりした加速に関する経験的データを収集し、これらの観測の根底にある数学的モデルを精緻化しようとした。私は収穫加速法則という理論を開発した。これは、テクノロジーと進化プロセスが一般に指数関数的に進歩する理由を説明している。[5]

収穫加速法則の根拠となっているのが、「進化の発展段階から帰結する、さらに有力な方法が次の段階を作るのに使われる[6]」というポジティブ・フィードバックである。ポジティブ・フィードバックは情報関連技術一般に働く。

文字の発明を例にとろう。文字が発明される以前、誰かが重要な発明を成し遂げても、それが後世に伝えられないことがしばしばあった。文字の発明により、人類は、記憶という頼りない方法に依存することなく、先人の知恵を継承し、それを土台として新しい発明ができるようになった。この意味で、文字の発明は、それ自体偉大な発明であるだけでなく、さらなる発明を加速させる発明であった。活版印刷術、放送、コンピューター、インターネット、人工知能の発明は、そうした類の発明である。

現在、そのポジティブ・フィードバックが最も注目されている発明は、人工知能である。まだ「人工知能の冬」と呼ばれた時期にあたる2005年に出版された本書が世界に大きな影響力を持つようになったのも、2006年にジェフリー・ヒントンたちによってディープ・ラーニングのアルゴリズムが発表され[7]、三回目となる「人工知能の夏」が訪れたからである。それ以降人工知能は大きな進化を遂げ、今や人工知能が人工知能を改善するという新しい段階に入った。

例えば、グーグル・ブレーンのチームは、自分の子供を作る人工知能を作った。AutoMLと名付けられたこのアプローチは、「機械学習の専門家によって設計された最先端のモデルと同等の精度を達成するモデルを設計できた[8]」。その後、グーグル(アルファベット)傘下のディープマインドは、碁のルール以外何も与えられることなく、人間による先例、手引き、専門知識なしの文字通りゼロから独学する機械学習プログラム、アルファ碁ゼロを作った。何千もの人間の先例から学んで、人間のチャンピオンを倒したアルファ碁に対してアルファ碁ゼロは、100対0で勝った[9]。限られた分野においてではあるが、人工知能は、もはや人間という下等動物から学ばなくてもよい段階にまで進化しているということである。

カーツワイルは、ポジティブ・フィードバックが指数関数的成長を帰結することを数学的に示している[10]。計算速度(V=単位コスト、一秒あたりの計算能力)が世界の知(W)に比例するなら、

V = c_{1}W

となる。以下、c は定数を表すものとする。次に、世界の知の変化率が計算速度に比例すると仮定すると、

\frac{dW}{dt} = c_{2}V

となる。t は時間変数とする。情報処理能力の向上が知を改善し、知の改善が情報処理能力を向上させるというポジティブ・フィードバックが働いているということである。最初の数式1を数式2に代入すると、

\frac{dW}{dt} = c_{1}c_{2}W

となる。この微分方程式(数式3)を変数分離の方法で解くことにしよう。

\int \frac{dW}{W} = \int c_{1}c_{2}dt
lnW = c_{1}c_{2}t+c_{3}
W = e^{c_{1}c_{2}t+c_{3}} =e^{c_{1}c_{2}t} e^{c_{3}} =c_{4}e^{c_{1}c_{2}t}

ここで、t=0 の時、W=W0 となるように特殊解を求めると、

W = W_{0}\: e^{c_{1}c_{2}t}

となる(e は自然対数の底)。これで、世界の知が時間とともに指数関数的に増大することが示された。

指数の指数関数的成長という仮説

カーツワイルによると、ムーアの法則の適用範囲を集積回路からパンチカード、継電器、真空管、ディスクリート・トランジスタといったそれ以前の信号変換パラダイムにまで広げると、指数関数の指数自体が指数関数的に増加する。実際、以下の図では、縦軸は1000ドルあたりの計算速度を対数目盛で表示しているのにもかかわらず、時間とともに計算速度が指数関数的に増加しているように見える。

コンピューターの五つのパラダイムの表示
コンピューターの五つのパラダイムとそのコスト・パーフォーマンス[11]

この傾向が21世紀にも続くと仮定しよう。すると、以下の図にあるとおり、演算能力という点で、1000ドルの標準的なコンピューターが、2020年には一人の人間の脳を、21世紀の中頃には全人類の脳を凌駕することになる。

コンピューターの性能の指数関数的発展の表示
コンピューターの性能の指数関数的発展[12]

指数が指数関数となる指数関数的成長を説明するべく、カーツワイルは、数式2 に、演算に活用される資源Nもまた指数関数的に増加するという事実を含める。

N=c_{5}e^{c_{6}t}

これで世界の知の変化率が計算速度と活用される資源に比例することになった。

\frac{dW}{dt} = c_{2}NV

数式8と数式1を数式9に代入すると、

\frac{dW}{dt} = c_{1}c_{2}c_{5}e^{c_{6}t}W

となる。この微分方程式(数式10)も変数分離の方法で解ける。

\int \frac{dW}{W} = \int c_{1}c_{2}c_{5}e^{c_{6}t}dt
lnW = \frac{c_{1}c_{2}c_{5}}{c_{6}}e^{c_{6}t}+c_{7}
W = e^{\frac{c_{1}c_{2}c_{5}}{c_{6}}e^{c_{6}t}+c_{7}} =e^{c_{8}e^{c_{6}t}} e^{c_{7}}=c_{9}\: e^{c_{8}e^{c_{6}t}}

この解[13]は、世界の知が時間とともに二重指数で増大することを示している。この増加率を前提に、カーツワイルは、「今世紀前半の終わりに非生物的知性は、生物的知性の何十億倍もパワフルになるだろう[14]”」と予想している。シンギュラリティは近い(2045年頃)とカーツワイルが宣言するのはそのためである。

カーツワイルによれば、シンギュラリティとは「そこにおいて技術的変化があまりにも急激で、その影響があまりにも甚大であるため、人類の生活が不可逆的に変化してしまうであろう未来の時点[15]」である。しかし、シンギュラリティの定義はこれでよいのか。次の節では、シンギュラリティの本来の定義にさかのぼって、カーツワイルの用法が正しいのかどうかを検証しよう。

シンギュラリティの本来の意味は何か

カーツワイルはシンギュラリティ(Singularity 特異点)という用語をヴィンジ[16]が1993年に発表したエッセイ「来るべき技術的特異点[17]」から借用している。ヴィンジは、このエッセイにおいて、人類の知性を凌駕する存在が誕生し、人類を絶滅に追い込む技術的特異点の到来を予想した。ヴィンジはこの用語を使うにあたって、フォン・ノイマン[18]による1950年代のシンギュラリティの用法に言及している。

ある時、フォン・ノイマンの話は、絶えず加速し続ける技術の進歩と人類の生活様式の変化に集中した。その進歩と変化は、さながら人類史上におけるある本質的なシンギュラリティに近づいている観を呈し、そのシンギュラリティを超えると、今日おなじみの人類の仕事は継続不可能になるだろうというのだ。[19]

ここで、フォン・ノイマンは「シンギュラリティ」でもって、超人間的な知性の誕生を念頭に置いていたのではなかったが、ヴィンジと同様、シンギュラリティを、私たちの時代に終焉をもたらす望ましくない特異点とみなしていた。そして、こうした意味合いで使うことはもっともなことなのである。

そもそもシンギュラリティは、カーツワイルも認める通り、数学では、関数が無限大または微分不可能といった定義不可能な値をとる点という意味で使われている。

シンギュラリティ(特異性)は、たった一つしかないという意味で特異な出来事を意味する英単語である。 この言葉は、どのような有限の制限をも超越する値を表すために数学者によって採用された。例えば、定数を限りなくゼロに近い数で割った時に爆発的に増大する大きさなどで、単純な関数 y=1/x で、xの値がゼロに近づくにつれて、関数(y)の値はいくらでも大きな値へと爆発する。[20]

たしかに、x の値がゼロに近づくにつれ、y の値は爆発的に大きくなる。しかし、y の値は、いくら大きな値であっても、有限の値である限り、シンギュラリティではない。その値がシンギュラリティと呼べるのは、x=0 の時だけである。カーツワイルは、シンギュラリティが2045年に起きると想定している。その時までに、1000ドルのコンピューターの計算能力は、1026 cps (calculations per second) となり、一年間に創られる知性は、今日の全人類の知性よりも約十億倍パワフルになるであろう[21]からだ。これらの数字は途方もなく大きいが、有限な値である。2045年は、カーツワイルが言うように、人間の能力に深遠で破壊的な変革をもたらす年になるだろうが、それは数学的に定義されたシンギュラリティではない。

そもそも、指数関数である数式7や数式13は、t が有限である限り、無限の値をとることはない。そこでカーツワイルは、数学的な意味でのシンギュラリティが生じるように、世界の知の成長率を表す微分方程式に小細工を施そうとする[22]。例えば、カーツワイルは、以下のように、C>1 という条件で、Wの成長率の新しいモデルを考案する。

\frac{dW}{dt} = C^{W}

カーツワイルによれば、その解は

W=\frac{1}{lnC}ln\left ( \frac{1}{1-tlnC} \right )

で、t=1/lnC において、無限大になる。もう一つのモデルは、a>1 という条件で、

\frac{dW}{dt} = W^{a}

とするものだ。カーツワイルによれば、その解は

W=W_{0}\: \frac{1}{\left (T-t  \right )^{\frac{1}{a-1}}}

となり、t=T においてシンギュラリティを生み出す。しかし、これらの仮説と解はどれも疑わしく、私は間違いだと思う。

カーツワイルが、数学的なシンギュラリティを作り出そうと躍起になるのは、技術的なシンギュラリティを技術の飛躍的な進歩を象徴する画期的な出来事と考えているからなのだろう。しかし、そうした肯定的な評価は、科学者の一般的な認識とは異なる。

物理学の理論では、シンギュラリティがあることは理論の破綻を意味していると解釈され、その回避が試みられる。例えば、ニュートンの万有引力の法則

F= G \frac{Mm}{r^2}

において、質量が M, m である二つの物体の質点間の距離 r がゼロになると、万有引力の大きさ F は無限大になる。これは数学的な意味でのシンギュラリティで、あってはならないことだ。もちろん、物体は幾何学的に定義された点ではないので、そうなることは実際にはない。

物理学において「シンギュラリティ」は理論的には質量の無限の密度と無限の重力を伴う大きさゼロの点を指す。しかし、量子の不確性のために、無限密度の点は現実にはなく、実際のところ量子力学は無限の値を許さない。[23]

ブラックホールやビッグバンにおいて物質の密度が無限大となり、重力のシンギュラリティを作り出すという説もあったが、物理学者は、弦理論によりこのシンギュラリティを回避しようとしている。

シンギュラリティは、経験科学にとって、整合性と無矛盾性を維持するためには、治さなければならない病気である。ところが、奇妙なことに、カーツワイルにとって、シンギュラリティは、治療するべき病気ではなくて、目指すべきゴールなのである。彼のシンギュラリティの用法は、明らかに科学者の伝統的な用法とは異なる。

彼のシンギュラリティ信仰(Singularitarianism)は、科学としては不可解だが、宗教としてなら理解できる。事実、彼は「私たちは新しい宗教を必要としている[24]」と言っている。科学が奇跡と思えるものを奇跡でないもので説明しようとするのに対して、宗教は奇跡を奇跡として好意的に肯定しようとする。同様に、カーツワイルは科学が回避しようとするシンギュラリティを好意的に認めようとしていると考えれば、納得がいく。たぶん彼は、シンギュラリティでもって、終末論的な超越、すなわち人類の神との一体化を考えているのだろう。その意味では、シンギュラリティ信仰が「科学的というよりも宗教的な見解[25]」であり、「科学の仮面を被った終末論的カルト[26]」という評価は正しい。

カーツワイルの予想は当たっているのか

本書が出版されてから12年以上が経過した2018年3月現在、カーツワイルの予想の一部を検証できる。カーツワイルは、2010年までにスーパーコンピューターの性能が人間の脳の性能を上回ると予想していた。

私たちは、人間の知能をエミュレートするために必要なハードウェアを、2000年代が終わる頃までにスーパーコンピューターで実現し、次の10年代でパーソナル・コンピューター・サイズのデバイスで実現するようになる。私たちは、2020年代半ばまでに、人間の知能をエミュレートする上で実効力のあるソフトウェア・モデルを実現するだろう。[27]

IBMアルマデン研究所の認知コンピューティング担当ディレクタ、ダーメンドラ・モダは、コンピューターは、人間の脳に匹敵するには、38ペタフロップス(PFlop/s)、つまり1秒あたり3京8000兆回以上の演算を実行できなければならないと推定している[28]。下の図は、世界の最高のスーパーコンピューター(茶色の三角形)が2010年までにこの目標を達成しなかったことを示している。

世界トップ500のスーパーコンピューターの性能の表示
世界トップ500のスーパーコンピューターの性能の変化[29]。縦軸は浮動小数点演算の回数で、対数目盛。横軸は西暦。茶色の三角形は世界第1位のスーパーコンピューターの、青色の四角形は世界第500位のスーパーコンピューターの、緑色の丸は合算の値を表す。

この図はまた、スーパーコンピューターの演算性能が、2013年以降、カーツワイルが期待したような指数関数以上の成長ではなくて、むしろ指数関数以下の成長しか遂げていないことをも示している。

では、カーツワイルによる以下の「2010年のシナリオ」はどうだろうか。

2010年代の初めに登場するコンピューターは、本質的に不可視になるだろう。すなわち、それらは衣服に織り込まれ、家具や環境に埋め込まれるようになるということだ。[…]ディスプレイは眼鏡やコンタクトレンズに組み込まれ、イメージは私たちの網膜に直接投射されるようになるだろう。[30]

彼の予測通り、ウェアラブル・コンピューターを普及させようとする動きはあった。例えば、彼が所属するグーグルは、2012年4月にグーグル・グラスというヘッドマウント・ディスプレイ方式の拡張現実ウェアラブル・コンピューターを公式に発表した[31]。しかし、2018年現在、米国の職場で採用されている業務用のグーグル・グラス・エンタープライズ・エディションを除けば、スマート・グラスはほとんど普及していない。スマート・コンタクト・レンズもまだ開発段階であり[32]、インテルの Vaunt[33]や QD Laser の RETISSA Display[34]などの網膜投影方式によるスマート・グラスもまだ販売されていない。コンピューターがこれまでのダウンサイジングのトレンドに沿ってウェアラブルになるほど小さくなるという予測自体は間違っていないが、ダウンサイジングの速度は、カーツワイルが予想したほど爆発的に加速はしなかったということである。

現時点でカーツワイルの予測を暫定評価するなら、コンピューティング性能が指数関数的成長以上の爆発的成長を達成するという予測は間違いであったということだ。それゆえ、数学的な意味でのシンギュラリティは、神による奇跡でも起きない限りないだろう。それどころか、ムーアの法則のような単純な指数関数的成長にすら疑問を持つ人が出てきているのが現状である。

ムーアの法則の限界はどう克服されるのか

ムーアの法則とは、1965年に「素子コストが最小となる複雑性は、おおざっぱに言って、1年で2倍になるという割合で増大してきた[35]」と言ったゴードン・ムーアに因んで名づけられた半導体の法則である。ムーア本人が所謂「ムーアの法則」を提唱したわけではなく、今日、この法則は、半導体のコスト当たりの性能が指数関数的に向上するといった一般的な意味で拡大解釈されて使われている。

ムーアは、半導体素子の微細化と集積化が少なくとも1975年までは続くと予言したが、それ以降も、デナードのスケーリング則によって、この傾向は続いた。電力密度を抑制しつつ、トランジスタのサイズを小さくすることができたからだ。ところが、2006年頃、つまりカーツワイルの本が出版された後、この傾向は天井を打った。微細化がナノスケールにまで及ぶと、量子トンネル効果により、ゲートとチャネルとの間の誘電体にリーク電流が流れるようになり、これが待機時消費電力と熱生成を増加させた。排熱が不十分なら、熱暴走を引き起こしかねない。かくして、CPUメーカは、CPUの性能を向上させる代替手段として、プロセッサーのマルチコア化に依存するようになった

2018年1月2日に、イギリスのテクノロジー雑誌『ザ・レジスター』は、後に Meltdown/Spectre と名付けられることになったインテル CPU のチップレベルでの脆弱性を暴露した[36]。これらのバグを修正するセキュリティ・パッチは、第7/8世代プロセッサー搭載 Windows 10 PC の応答性を 12-14%、第6世代では、21% 低下させることが判明した[37]。『ザ・レジスター』は、Meltdown を防ぐには、CPUの性能を30%犠牲にしなければならないと主張し、「ムーアの法則の訃報」なるものをその月に掲載した。曰く、「ムーアの法則は、50歳になってから急に老化が進み、高齢の域に達して、今月の初めに忘却の彼方に消えた[38]」。

Spectre は、インテルのみならず、AMD, ARM, IBM プロセッサーでも見出される脆弱性で、その対策により、あらゆる種類のコンピューターの性能が短期的に後退することは避けられない。しかし、長期的に見た場合、半導体の性能改善にとってもっと深刻な問題は、物理的な限界である。カーツワイルもムーアの法則が2020年にシグモイド曲線の終端に達することを認めた上で、三次元分子コンピューターが
パンチカード、継電器、真空管、ディスクリート・トランジスタ、集積回路に続く第六のパラダイムとして現れ、指数関数的成長を支えると主張する[39]

以下の図が示す通り、新しいパラダイムは新しいシグモイド曲線(S字カーブ)を開始する。

シグモイド曲線の表示
指数関数的成長はS字カーブの連なりから成り立っている[40].

収穫加速法則に従って、パラダイム・シフト(別名、イノベーション)は、特定のパラダイムのS字カーブを継続的な指数関数曲線にする。古いパラダイムが自然の限界に近づくと、三次元回路などの新しいパラダイムがそれを引き継ぐ。そうした引継ぎは、コンピューターの歴史においては既に少なくとも四回起きた。[41]

たしかに、集積回路のパフォーマンスを改善するためにシリコン・ウェーハやダイを積み重ねて垂直に相互接続しようとしている開発者はいるが、そうした三次元集積回路はパラダイム・シフトの名に値するだろうか。私には、それは、現在のICのパラダイムに取って代わるイノベーションというよりも、むしろ、ICの改善のためのたんなるパズル解きにしか見えない。

では、分子コンピューターの方はどうか。カーツワイルも認識する通り、「単分子トランジスタ、原子ベースのメモリ・セル、ナノワイヤ、数兆(潜在的には数兆の兆倍)の要素を自己組立、自己診断する方法といった三次元分子コンピューティングにとって必要なすべての要件の実証実験を私たちはすでに終えている[42]」。分子コンピューターは、もしもシリコンの代わりに生物由来の分子を素材とするなら、そのアイデア自体は40年以上前から存在しているとはいえ、新しいパラダイムと言える。

今日、「三次元分子コンピューター」の最も有望な候補は、DNAコンピューターである。生物が遺伝情報の保存に使ってきたDNA(デオキシリボ核酸)は、高い記録密度と長期にわたる耐久性という点で、従来のコンピューターの記録媒体よりも優れている。DNAをデータ・ストーレジとして使う上での大きな課題は、「コストとスピード[43]」だ。マイクロソフト・リサーチは、2020年までにDNAに基づいたストーレジ・システムの運用を目標としている[44]。とはいえ、実用化するには、DNAへの保存コストを現行の1万分の1に引き下げ、書き込み速度を26万倍増大させなければならないので、その目標を達成することは困難だ。

DNAコンピューターは、パラレル・プロセッサとしてふるまうことが期待されている[45]が、並列コンピューティングで最も注目されている候補は量子コンピューターである。もっとも、カーツワイルは量子コンピューターには懐疑的だ。

量子コンピューティングの最終的な役割はまだ決まっていない。しかし、たとえ数百の絡み合った量子ビットを抱えた量子コンピューターを実現できて、他の方法ではエミュレートできない傑出した能力を持っていても、それは特殊用途のデバイスにすぎない。[46]

2011年5月11日、D-Wave Systems は、量子アニーリングと呼ばれるプロセスによって組み合わせ最適化問題を解決する世界初の商用量子コンピューターを発表した[47]。これは「特殊用途のデバイスにすぎない」が、現在、IBM[48]、グーグル[49]、マイクロソフト[50]など多くの企業が汎用的な量子コンピューターを開発中である。

量子コンピューターはデコヒーレンスのために古典的なコンピューターよりエラーの影響を受けやすいが、エラー許容性の高いディープ・ラーニングに適している。機械学習の時代になると、GPUの大規模並列量子コンピューティングはコンピューターの性能を向上させるので、GPUはCPUよりも重要な役割を果たすことが期待されている。ただし、量子メモリーの寿命は短い(2018年現在、最大8時間[51])ので、長期的に保存するには、量子ビットを古典ビットに変換して、DNAストーレジに保存するという方法もありうる。この古典コンピューターと量子コンピューターとDNAコンピューターの組み合わせなら、ムーアの法則の古典的限界を超えて、計算速度の指数関数的増加をもたらしうる。

脳をコンピューターにアップロードできるか

コンピューターの性能が今後とも指数関数的に向上するなら、遠からず人間の脳の性能を超えるようになり、人間の存在意義が問われることになる。これはネオ・ラッダイトたちが心配していることだ。しかし、もしも私たちが、コンピューターに「人間の脳をアップロードする[52]」こと、すなわち、「人間の脳の顕著なすべての詳細をスキャンし、それらの詳細を十分強力なコンピューター基盤に再生すること[53]ができるようになれば、不老不死という人類の夢がかなうだけでなく、コンピューターの進歩とともに私たちも指数関数的に進歩することになり、私たちはこれからも文明の主人公としての地位を保つことができるようになる。問題はそれが可能かどうかだ。

オープンワーム・プロジェクトに従事する科学者たちは、線虫(Caenorhabditis elegans)のニューロン間接続をすべてマッピングし、ソフトウェアにシミュレーションして、それにレゴ[54]やアルデュイーノ[55]のロボットを駆動させた。この動画にみられるとおり、線虫のバーチャルな脳は、人間がプログラムした指令なしにロボットを線虫の体のように動かした[56]

同様に、将来、私たちは人間の脳をリバース・エンジニアリングして、人工知能でシミュレーションし、それにロボットを制御させるということが可能になるだろう。しかし、このようなプロジェクトは、たんに人間の脳のパターンをコピーしたにすぎず、アップロードしたとは言えない。カーツワイルも認めるとおり、複製と移転は全く別なのである。

コピーは私のパターンを共有しているが、コピーが私であるとは言い難い。私は依然としてここにいるだろうし、いることが可能であるからだ。あなたは、私が寝ている間に私をスキャンしてコピーすることさえできるだろう。朝、あなたが私のところに来て、「良い知らせだ、レイ。私たちはあなたをより耐久性のある素材に再生することに成功した。それゆえ、あなたの古い体と脳はもう必要なくなった」と言うなら、私はそうではないよと懇願することになるかもしれない。[57]

そこで、カーツワイルは、身体を段階的に機械に置き換えることで、自己同一性を維持しようとする。既に紹介したように、カーツワイルは三次元分子コンピューターが次世代のコンピューターになると考えている。コンピューターとロボットが分子レベル、つまりナノ・スケールまで小さくなれば、それらの小型機械は人間の体を構成している分子と代替可能になる。カーツワイルはこれをナノボットと呼ぶ。

数十億のナノボットが、血流にのって、私たちの体や脳を駆け巡るようになるだろう。ナノボットは、私たちの体において、病原体の破壊、DNAエラーの修正、解毒、その他、多くの健康増進作業を成し遂げるだろう。その結果、私たちは老化することなく無限に生きられるようになるだろう。私たちの脳においては、大量に分散したナノボットが私たちの生物学的ニューロンと相互作用するだろう。これは、神経システム内から私たちの感情の神経学的対応物とともにすべての感覚を取り込んだ完全な没入型仮想現実を提供するだろう。より重要なことは、私たちの生物学的思考と私たちが作り出す非生物学的知能との密接なつながりは、人間の知性を根本的に拡張するだろうということだ。[58]

カーツワイルは、2025年ごろにナノボットの時代が訪れ、2029年ごろには強いAIが生まれると予測した[59]。たしかに、免疫細胞の機能を補完する医療用ナノボットなら、現在開発されている。例えば、2018年2月に、アリゾナ州立大学の科学者は、腫瘍を血液供給の遮断によって縮小するようにプログラムされたナノロボを作った[60]。カーツワイルは、さらに脳の機能を補うナノボットが登場することを予想している。

ナノボットによって脳の機能を拡張することは、今日外科手術で設置できるようになった神経インプラントよりも著しい改善をもたらすだろう。ナノボットは、手術なしに血流を介して導入し、必要に応じてすべて撤去するように指示できるので、プロセスを容易に巻き戻せる。[61]

そして、ナノボットが、段階的に脳を代替することで、人格の自己同一性を維持したまま、脳を機械へとアップロードできるというのだ。

私の脳の小さな部分を神経形状の等価物で置き換えることを考えてみてほしい。さて、私はまだここにいる。手術は成功した(ちなみに、ナノボットなら、最終的に手術なしでこれをするだろう)。人工内耳、パーキンソン病患者用インプラントなどでそうしたことをした人がいることは周知のとおりだ。さて、私の脳の別の部分を置き換えよ。大丈夫、私はまだここにいる。… こうしたことをいくら繰り返していっても、最終的に私は私自身だ。「古いレイ」と「新しいレイ」との違いは決してなかった。私は以前と同じだ。私を含め、誰も私がいなくなって寂しいということはない。レイを段階的に置き換えても、それはレイでしかなく、意識とアイデンティティは保存され続けているように思える。[62]

しかし、私の身体と脳を段階的に機械に置き換えていっても、私が段階的に消滅するだけであって、私を機械に移したことにはならないかもしれない。アルツハイマー病患者のように、脳が段階的に委縮する場合、たとえコンピューターがニューロンやシナプスの喪失を補って、私が存続するように見せかけたとしても、私は段階的に消滅して、死ぬことになるだろう。

では、いったい私とは何であるのか。私のコピーがいかに私とよく似ていても、私のコピーが私そのものとは異なるのはなぜなのか。古来哲学者たちが取り組んできた意識の自己同一性の問題は、現在でも解決に合意が形成されてはいないが、物理学的な仮説なら立てられる。量子脳理論によれば、意識とは脳の量子状態であり、量子複製不可能定理(quantum no-cloning theorem)により、その量子状態はコピーすることが不可能である。したがって、私の意識を、私の自己同一性を破壊することなく正確にコピーすることは、物理的に不可能であるということだ。

量子脳理論にも様々な立場があるが、もっとも有名なのは、ロジャー・ペンローズの仮説[63]である。カーツワイルは、ペンローズの量子脳理論を批判して、次のように言っている。

ペンローズの立場は、量子状態のひとまとまりを完全に複製することは不可能なので、完全なダウンロードは不可能というように解釈されている。さて、ダウンロードはどれだけ完璧でなければならないのか。オリジナルが一分前のオリジナルとそっくりであるのと同程度に「コピー」をオリジナルそっくりに作れるところまでダウンロード技術が開発されるなら、それは、量子状態をコピーするという目的以外の考えられるどんな目的にも十分ではある。[64]

カーツワイルは、量子複製不可能定理が完全なダウンロードを不可能にしていると考えているようだが、量子複製不可能定理にもかかわらず、否、むしろそれゆえに人格を移す方法がある。それは量子テレポーテーションである。すなわち、私の脳の量子状態と量子コンピューターとの間で、量子もつれの関係にあるEPRペアを利用して、瞬時に転移してしまう方法である。転移に際して私の脳の量子状態を計測したり観察したりする必要はない。量子複製不可能定理により、私の意識は私の元の身体から消滅するが、その代わり、私は、同じ意識の量子状態を維持したまま新しい人工身体に現れられる。

私が提唱する方法に対して、前提となっている量子脳理論が間違っているのではないかという批判があるだろう。実際、ペンローズが1989年に『皇帝の新しい心』を出版した頃、「微小管」における量子効果が人間の意識において役割を果たすという彼の理論は、オカルト扱いにされ、支持する科学者はほとんどいなかった。

量子脳理論に対して投げかけられる主な批判は、次の二つである。

  1. 私たちの脳のようなノイジーで湿った温かい環境で長期間にわたり量子コヒーレンスを維持することは不可能である。
  2. 私たちの脳における神経システムは、量子現象が神経システムの機能において重要な役割を果たすには大きすぎる。

しかし、これらの批判に対して、次のような反論が、近年の経験的な発見に基づいてなされている。

  1. ポスナー分子、Ca9(PO4)6が、ノイジーで湿った温かい環境で長期間にわたり神経キュビットのコヒーレンスを保護し、それゆえ量子メモリーとして機能しうる分子として同定されている[65]
  2. 我々の脳内の非線形カオス動態は、バタフライ効果により、ミクロ・レベルの量子ゆらぎをマクロに増幅し、より大きなスケールのニューロン活動を調節できる[66]

もとより、脳における情報処理のすべてが、1でも0でもないような状態でありうる量子コンピューティングということではなく、古典コンピューターのように、真(1)か偽(0)かどちらか一つというデジタルな判断もする。カーツワイルも言うとおり、「ニューロンの発火はデジタル事象とみなせるが、シナプスにおける神経伝達物質レベルはアナログ値とみなせる[67]」ので「人間の脳はデジタルにコントロールされたアナログな方法を使っている[68]」と言える。私が提案した量子コンピューターのGPUと古典コンピューターのCPUという組み合わせも、私たちの心を構成するアナログな直観とデジタルな概念の組み合わせを反映している。

ところが、量子コンピューターを軽視するカーツワイルは、人間のアナログな認識をも軽視し、すべてデジタルに変換しようとする。

私たちは、デジタルコンピューティングはアナログコンピューティングと機能的に同等であることを心に留めておく必要がある。つまり、デジタル+アナログのハイブリッド・ネットワークの全機能を完全にデジタルなコンピューターで実行できるということだ。[69]

たしかにアナログなデータからそれとそっくりなデジタルなコピーを作ることはできるが、それによって捨てられるものがあることも心に留めておくべきだ。そして、私のデジタルなコピーは、どんなに私とそっくりでも、私自身ではないことを認めるなら、デジタルな古典コンピューターだけで人格を移転することは不可能であることにカーツワイルは気が付くべきだ。

宇宙が覚醒する日は来るのか

カーツワイルは、以下の図に示すように、ビッグバンから未来にかけての進化の歴史を六つに画期し、このうち「五番目の時代(Epoch 5)から、シンギュラリティが始まり、六番目の時代(Epoch 6)では、シンギュラリティは地球から残りの宇宙へと広がるだろう[70]」と言う。

進化の六つの時代の表示
進化の六つの時代[71]。縦軸も横軸も対数目盛にすると、ビッグバン以降の進化の歴史は、S字カーブの連なりになる。

カーツワイルによると、「知能が、知能にとって利用可能な物質とエネルギーを飽和するにつれ、愚かな物質はスマート物質になり[72]」、その飽和の拡張が宇宙を覚醒させる。

宇宙には約1080個の粒子があり、理論上の最大容量は約1090cpsとセス・ロイドは見積もっている。言い換えれば、宇宙規模のコンピューターは1090cpsで計算できるということだ。これらの推定値を出すにあたって、ロイドは物質の観測された密度を1立方メートルあたり約1水素原子とし、この数字から宇宙全体のエネルギーを計算した。このエネルギー量をプランク定数で割って、彼は約1090cpsという値を得たのだった。[73]

カーツワイルが、ここで参照しているロイドの論文は、以下のような結論となっている。

非常にありそうにないことだが、ムーアの法則の指数関数的進歩が将来にわたって継続することが可能であるならば、1010ビットで毎秒1010回操作する現在のコンピューターよりも40桁性能が上である1031ビットで毎秒1051回操作する1キログラムの究極のラップトップ・コンピューターを作るのに250年しかかからないだろう。[74]

そうした1キログラムのコンピューターなら、250年後には作れるようになるかもしれないが、宇宙内のすべての物質とエネルギーを利用して、宇宙をコンピューターにすることは不可能である。なぜなら、物質が持つ複雑性はそのままでは情報ではないし、すべてのエネルギーが情報処理に使えるエネルギーとは限らないからだ。

カーツワイルは、愚かな物質をスマート物質に変える一例として、普通の岩を取り上げる。彼によれば、1キログラムの岩は、1025個の原子を持ち、少なくとも1027ビットのメモリーを持つ。

計算上、たんに電磁気的な相互作用を考慮するだけで、1キログラムの岩の中で、毎秒毎ビット1015回の変化が少なくとも起こる。これは事実上、毎秒1042回(百万×一兆の三乗回)演算していることになる。しかし、岩はエネルギー入力を必要とせず、かつほとんど熱を発生させない。[75]

ここからもわかるとおり、複雑性が情報と混同されている。カーツワイルは、「複雑性の概念自体が複雑[76]」であると認めた上で、「システムやプロセスを特徴づけるのに必要な、意味のある、ランダムではないが、予測不可能な情報の最小量[77]」という定義を一例として提示している。「ランダムではないが、予測不可能な」という矛盾した表現に、混同の結果が現れている。情報ならランダムではないが、複雑性なら予測不可能な不確定性がなければならない。

この混同は多くの人にみられ、実際、複雑性の単位であるはずのビットが、情報の大きさを表す単位として一般に使われている。そこで、複雑性が情報でないことを簡単な例で説明しよう。

以下の二つの命題を比較してみてほしい。

  1. 明日の天気は、晴れか否かのどちらかであり、かつ、高温であるか否かのどちらかであり、かつ、強風であるか否かのどちらかである。
  2. 明日の天気は、晴れであり、かつ、高温であり、かつ、強風である。

一番目の命題は、明日の天気に関して、23=8ビットの可能性を示している。つまり複雑性は8ビットであるのだが、この命題は明日の天気に関していかなる情報をも提供していない。これに対して、二番目の命題は、その複雑性を縮減することで、明日の天気に関する一定の情報を提供している。複雑性の対数をエントロピーと言い、底を2とすると、一番目の命題のエントロピーが3であるのに対して、二番目のエントロピーは0である。シャノン以来認識されている[78]ように、情報とは負のエントロピーであり、この場合、-3の負のエントロピーが与えられることで、情報が提供されたことになる。

岩を情報保存のためのメモリーにする場合であれ、情報処理のためのプロセッサーにする場合であれ、いずれにせよ、岩のエントロピーを縮減するには、熱力学第二法則により、外部から低エントロピーのエネルギーを入れ、それを高エントロピーの熱として外部に排出しなければならない。宇宙に存在するエネルギーの多くは、そのために使えるほどエントロピーが小さいエネルギーではない。資源と環境という二つの制約要因のおかげで、宇宙全体がコンピューターとなり、覚醒するといったことは、熱力学的に不可能なのである。

宇宙の覚醒という観念は科学的というよりも宗教的なテーマだ。人間の精神が神の水準にまで高まって遍在化し、その結果宇宙が覚醒するという思想はヘーゲル[79]にも見られるが、その思想をさらに遡るなら、キリスト教の終末思想に辿り着く。

私たちが宇宙における物質とエネルギーを知性で満たすと、宇宙は「覚醒」し、意識を持ち、崇高なまでに知的になるだろう。それは、私がそれ以上は想像できないほど神に近づく時なのだ。[80]

カーツワイルがこういうのを聞くと、やはり彼のシンギュラリティ論はカルト的だと感じてしまう。予言者カーツワイルの信奉者たちは「シンギュラリタリアン」と呼ばれているが、これは奇妙な呼称である。シンギュラリティの本来の定義からすれば、「頭の中が破綻した人」というふうに聞こえる(実際に、世間ではそのように思われているのだが)。私は、情報技術の指数関数的進化の継続や、マインド・アップロードや、ポスト・ヒューマンの宇宙への拡散が将来実現される可能性を否定はしないが、カーツワイルとともに「イッヒ・ビン・アイン・ジンギュラリタリアン[81](私はシンギュラリタリアンだ)」と宣言するつもりはない。

参照情報

関連著作
注釈一覧
  1. 日本語訳は、キンドル版では『シンギュラリティは近い』であるが、最初に出版された紙製本の方は『ポスト・ヒューマン誕生』である。日本語訳に使われている「ポスト・ヒューマン」は、ヴィンジ(後述)のもので、カーツワイルは、「人間2.0」さらには「人間3.0」といった表現を用いており、「ポスト・ヒューマン」も人間と考えている。
  2. レイ・カーツワイル(Ray Kurzweil;1948年2月12日 – )は米国の発明家、実業家、未来学者で、認知科学と人工知能の研究とその実用化で知られている。本名はレイモンド・カーツワイル(Raymond Kurzweil)であるが、著作では略称を使っている。
  3. “… the power of ideas to transform the world is itself accelerating” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 352.
  4. Hans Moravec. “When will computer hardware match the human brain?.” Journal of evolution and technology 1.1 (1998): 10.
  5. “During the 1990s, I gathered empirical data on the apparent acceleration of all information-related technologies and sought to refine the mathematical models underlying these observations. I developed a theory I call the law of accelerating returns, which explains why technology and evolutionary processes in general progress in an exponential fashion.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 356.
  6. “Evolution applies positive feedback: the more capable methods resulting from one stage of evolutionary progress are used to create the next stage.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 1,029.
  7. Hinton, Geoffrey E., Simon Osindero, and Yee-Whye Teh. “A fast learning algorithm for deep belief nets." Neural computation 18.7 (2006): 1527-1554.
  8. “our approach can design models that achieve accuracies on par with state-of-art models designed by machine learning experts (including some on our own team!).” ― Quoc Le & Barret Zoph, Research Scientists, Google Brain team. “Using Machine Learning to Explore Neural Network Architecture.” Research Blog. Wednesday, May 17, 2017.
  9. Silver, David, et al. “Mastering the game of go without human knowledge." Nature 550.7676 (2017): 354-359.
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  12. Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 1,373.
  13. カーツワイルがしているように、c9をW0とすることはできない。t=0 の時の初期値として、W0=c9ec8としよう。
  14. “If we factor in the exponentially growing economy, particularly with regard to the resources available for computation (already about one trillion dollars per year), we can see that nonbiological intelligence will be billions of times more powerful than biological intelligence before the middle of the century." ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 9,666.
  15. “What, then, is the Singularity? It’s a future period during which the pace of technological change will be so rapid, its impact so deep, that human life will be irreversibly transformed.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 408.
  16. ヴァーナー・シュテファン・ヴィンジ(Vernor Steffen Vinge;1944年2月10日 – )は、米国の数学者、コンピューター科学者、ヒューゴー賞受賞のSF作家。
  17. Vernor Vinge. “The Coming Technological Singularity: How to Survive in the Post-Human Era”. In Vision 21: Interdisciplinary Science and Engineering in the Era of Cyberspace. Sponsored by NASA Lewis Research Center and the Ohio Aerospace Institute, March 30-31, 1993.
  18. ヨハネス・ルートヴィヒ・フォン・ノイマン(Johannes Ludwig von Neumann;1903年12月28日 – 1957年2月8日)はハンガリー出身の米国の数学者。生前から天才と呼ばれ、数学のみならず幅広い科学の分野に影響を与えた。
  19. “One conversation centered on the ever accelerating progress of technology and changes in the mode of human life, which gives the appearance of approaching some essential singularity in the history of the race beyond which human affairs, as we know them, could not continue.” ― Ulam, S., “John von Neumann, 1903-1957.” in Tribute to John von Neumann. Bulletin of the American Mathematical Society. vol 64, nr 3, part 2, May, 1958. p.5.
  20. “ “Singularity” is an English word meaning a unique event with, well, singular implications. The word was adopted by mathematicians to denote a value that transcends any finite limitation, such as the explosion of magnitude that results when dividing a constant by a number that gets closer and closer to zero. Consider, for example, the simple function y = 1/x. As the value of x approaches zero, the value of the function (y) explodes to larger and larger values.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 654.
  21. Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 2,428.
  22. Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 9,671.
  23. “In physics “singularity” theoretically refers to a point of zero size with infinite density of mass and therefore infinite gravity. But because of quantum uncertainty there is no actual point of infinite density, and indeed quantum mechanics disallows infinite values.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 9,574.
  24. “Yes, well, we need a new religion.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 7,279.
  25. “The singularity is a religious rather than a scientific vision.” ― John Horgan. “The Consciousness Conundrum.” Special Report: The Singularity.
  26. “an apocalyptic cult masquerading as science.” ― NEWSWEEK STAFF. “RAY KURZWEIL’S SCIENCE CULT.” 5/17/09 AT 8:00 PM.
  27. “We will have the requisite hardware to emulate human intelligence with supercomputers by the end of this decade and with personal-computer-size devices by the end of the following decade. We will have effective software models of human intelligence by the mid-2020s.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 710.
  28. Larry Greenemeier. “Computers have a lot to learn from the human brain, engineers say.” Scientific American Blog Network. March 10, 2009. フロップス(floating-point operations per second)は、一秒間に実行できる浮動小数点演算の回数で、コンピューターの演算性能を示す指標として使われている。
  29. TOP500 Supercomputer Sites. “PERFORMANCE DEVELOPMENT.” Accessed 2018/02/04.
  30. “Computers arriving at the beginning of the next decade will become essentially invisible: woven into our clothing, embedded in our furniture and environment. […] Displays will be built into our eyeglasses and contact lenses and images projected directly onto our retinas." ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 6,009.
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  39. “When Moore’s Law reaches the end of its S-curve, now expected before 2020, the exponential growth will continue with three-dimensional molecular computing, which will constitute the sixth paradigm.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 1,355.
  40. Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 1075.
  41. “In accordance with the law of accelerating returns, paradigm shift (also called innovation) turns the S-curve of any specific paradigm into a continuing exponential. A new paradigm, such as three-dimensional circuits, takes over when the old paradigm approaches its natural limit, which has already happened at least four times in the history of computation.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 1,399.
  42. “We already have proofs of concept for all of the major requirements for three-dimensional molecular computing: single-molecule transistors, memory cells based on atoms, nanowires, and methods to self-assemble and self-diagnose the trillions (potentially trillions of trillions) of components.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 2,143.
  43. “The big challenges to deploying DNA data storage are cost and speed.” ― Mark Peplow. “Rebooting the molecular computer.” Chemical & Engineering News. Volume 95. Issue 4. p.23-25. Issue Date: January 23, 2017.
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  46. “The ultimate role of quantum computing remains unresolved. But even if a quantum computer with hundreds of entangled qubits proves feasible, it will remain a special-purpose device, although one with remarkable capabilities that cannot be emulated in any other way.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 2,139.
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  51. Astner, Thomas, Johannes Gugler, Andreas Angerer, Sebastian Wald, Stefan Putz, Norbert J. Mauser, Michael Trupke et al. “Solid-state electron spin lifetime limited by phononic vacuum modes." Nature materials (2018): 1.
  52. “Uploading the Human Brain.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 3,642.
  53. “Uploading a human brain means scanning all of its salient details and then reinstantiating those details into a suitably powerful computational substrate. This process would capture a person’s entire personality, memory, skills, and history.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 3,647.
  54. Lucy Black. “A Worm’s Mind In A Lego Body.” I Programmer. Sunday, 16 November 2014.
  55. Mike James. “A Worm’s Mind In An Arduino Body.” I Programmer. Wednesday, 04 October 2017.
  56. OpenWorm. “Worm Robot Sneak peek.” YouTube. Published on Jul 21, 2017.
  57. “Although the copy shares my pattern, it would be hard to say that the copy is me because I would ― or could ― still be here. You could even scan and copy me while I was sleeping. If you come to me in the morning and say, “Good news, Ray, we’ve successfully reinstantiated you into a more durable substrate, so we won’t be needing your old body and brain anymore,” I may beg to differ.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 7,498.
  58. “Billions of nanobots will travel through the bloodstream in our bodies and brains. In our bodies, they will destroy pathogens, correct DNA errors, eliminate toxins, and perform many other tasks to enhance our physical well-being. As a result, we will be able to live indefinitely without aging. In our brains, the massively distributed nanobots will interact with our biological neurons. This will provide full-immersion virtual reality incorporating all of the senses, as well as neurological correlates of our emotions, from within the nervous system. More important, this intimate connection between our biological thinking and the nonbiological intelligence we are creating will profoundly expand human intelligence.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 5,741.
  59. Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 3,619.
  60. Li, Suping, et al. “A DNA Nanorobot Functions as a Cancer Therapeutic in Response to a Molecular Trigger in Vivo.” Nature Biotechnology, Feb. 2018.
  61. “The use of nanobots as brain extenders will be a significant improvement over surgically installed neural implants, which are beginning to be used today. Nanobots will be introduced without surgery, through the bloodstream, and if necessary can all be directed to leave, so the process is easily reversible.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 6,114.
  62. “Consider replacing a tiny portion of my brain with its neuromorphic equivalent. Okay, I’m still here: the operation was successful (incidentally, nanobots will eventually do this without surgery). We know people like this already, such as those with cochlear implants, implants for Parkinson’s disease, and others. Now replace another portion of my brain: okay, I’m still here . . . and again. . . . At the end of the process, I’m still myself. There never was an “old Ray” and a “new Ray.” I’m the same as I was before. No one ever missed me, including me. The gradual replacement of Ray results in Ray, so consciousness and identity appear to have been preserved.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 7,511.
  63. Roger Penrose. The Emperor’s New Mind. Oxford University Press (November 9, 1989).
  64. “Penrose’s position has been interpreted to imply that it is impossible to perfectly replicate a set of quantum states, so therefore perfect downloading is impossible. Well, how perfect does a download have to be? If we develop downloading technology to the point where the “copies” are as close to the original as the original person is to him- or herself over the course of one minute, that would be good enough for any conceivable purpose yet would not require copying quantum states.” Kurzweil, Ray. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 8,886.
  65. Fisher, Matthew PA. “Quantum cognition: the possibility of processing with nuclear spins in the brain." Annals of Physics 362 (2015): 593-602.
  66. Jedlicka, Peter. “Revisiting the Quantum Brain Hypothesis: Toward Quantum (Neuro)Biology?Frontiers in Molecular Neuroscience 10 (2017).
  67. “the firing of a neuron can be considered a digital event whereas neurotransmitter levels in the synapse can be considered analog values” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 2,678.
  68. “the human brain uses digital-controlled analog methods.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 8,443.
  69. “We should keep in mind, as well, that digital computing can be functionally equivalent to analog computing ― that is, we can perform all of the functions of a hybrid digital-analog network with an all-digital computer.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 2,726.
  70. Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 548.
  71. Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 552.
  72. Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 7069.
  73. “Seth Lloyd estimates there are about 1080 particles in the universe, with a theoretical maximum capacity of about 1090 cps. In other words a universe-scale computer would be able to compute at 1090 cps. To arrive at those estimates, Lloyd took the observed density of matter ― about one hydrogen atom per cubic meter ― and from this figure computed the total energy in the universe. Dividing this energy figure by the Planck constant, he got about 1090 cps.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 7080-7084.
  74. “If, as seems highly unlikely, it is possible to extrapolate the exponential progress of Moore’s law into the future, then it will only take two hundred and fifty years to make up the forty orders of magnitude in performance between current computers that perform 1010 operations per second on 1010 bits and our one kilogram ultimate laptop that performs 1051 operations per second on 1031 bits.” ― Lloyd, Seth. “Ultimate physical limits to computation." Nature 406, no. 6799 (2000): 1047. p.17
  75. “In terms of computation, and just considering the electromagnetic interactions, there are at least 1015 changes in state per bit per second going on inside a 2.2-pound rock, which effectively represents about 1042 (a million trillion trillion trillion) calculations per second. Yet the rock requires no energy input and generates no appreciable heat.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 2,329.
  76. “Not surprisingly, the concept of complexity is complex.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 938.
  77. “One concept of complexity is the minimum amount of meaningful, non-random, but unpredictable information needed to characterize a system or process.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 965.
  78. Shannon, C. E. “A mathematical theory of communication." The Bell System Technical Journal, Vol. 27, pp. 379–423, 623–656, July, October, 1948.
  79. ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル(Georg Wilhelm Friedrich Hegel, 1770年8月27日 – 1831年11月14日)は、ドイツの観念論哲学者で、精神は、絶対精神において、主観精神と客観精神の対立を克服し、神の高みに到達すると考えた。
  80. “Once we saturate the matter and energy in the universe with intelligence, it will “wake up,” be conscious, and sublimely intelligent. That’s about as close to God as I can imagine.” ― Ray Kurzweil. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 7,298.
  81. “Ich bin ein Singularitarian.” Kurzweil, Ray. The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology. Kindle edition. Penguin Books; 1st edition (September 22, 2005). Location. 7,159. これは、言うまでもなく、1963年6月にケネディ大統領が西ベルリンで行った演説での「イッヒ・ビン・アイン・ベルリーナ Ich bin ein Berliner」のパロディーである。