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橋下徹は自由主義者か国家主義者か

2012年1月10日

日本国民は、小泉内閣による構造改革を支持したが、安倍内閣が熱心に取り組んだ愛国教育は支持しなかった。橋下および大阪維新の会も、国家主義的な方向に逸脱することなく、自由主義的な改革を続けていかなければ、有権者の支持を維持することはできないだろう。

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1. 問題提起

投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年1月10日(火) 05:27.[1]

橋下徹は、2008年1月に大阪府知事選に出馬して当選して以来、その政治的影響力を着実に広げている。彼が設立した地域政党、大阪維新の会は、2011年4月の統一選挙で議席数を大幅に伸ばし、2011年11月には、大阪市長と府知事のダブル選挙でも圧勝した。彼らの快進撃は、中央政界からも大いに注目され、みんなの党代表の渡辺喜美や国民新党代表の亀井静香が連携を求めた。

しかし、これは奇妙なことである。みんなの党は小さな政府を目指す自由主義的な政党であるのに対して、国民新党は大きな政府を目指す国家主義的な政党である。小泉改革を継承した路線を採っている政党と小泉改革に反発してできた二つの政党が同じ政治家に秋波を送るというのは、異様なことである。

結論を言えば、これは亀井の無理解に基づくものであるが、こうした類の誤解が生じる原因は橋下側にも部分的にはある。橋下は、基本的に自由主義者なのだが、東京都知事の石原慎太郎が彼を応援したことからもわかるように、同時に国家主義的な面も併せ持っている。だからこそ、彼の政治はファシズムをもじって、ハシズムなどと揶揄されたりする。

橋下の国家主義的な側面は、教育の分野において顕著に表れている。橋下は、府内の公立学校の教職員に国歌斉唱時の起立を義務付ける条例を成立させたが、こうした義務は、学校の経営主体が自治体であるなら、不当とは言えない。民間企業でも、社歌を歌うことを拒否し続ける従業員がいたら、忠誠心を疑われ、解雇されてもしかたがない。しかし、橋下は、なぜ学校の経営主体が自治体であることに疑問を持たないのだろうか。

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橋下徹(2013年)[2]

教育行政をどうするかという論点において、自由主義と国家主義で意見が対立する。自由主義者は、民間営利企業にもできることは政府がするべきでないという立場をとる。したがって、自由主義を純化させていくと、国や自治体は教育産業に一切従事するべきではないという結論になる。これに対して、国家主義者は、国民に愛国教育を受けさせるために、公教育を維持しようとする。

橋下市長は、市立幼稚園の民営化は行う予定であるが、それ以外の公教育は維持する予定である。もちろん、現行制度下においては、自治体の首長には、私が以前提唱したような公教育の廃止をする権限はないが、例えば、大阪市立大学/大阪府立大学の民営化あるいは売却なら、大阪市/大阪府の決断でできないことはない。しかし、橋下は、府知事時代、府立大学の民営化も検討したようだが、結局二つの大学を統合し、公立という経営形態を維持することになった。

大阪府立大・大阪市立大:統合構想 教育学部設置で対立 文科省「法認めず」、橋下市長「バカな話」(date) 2011年12月30日 (media) 毎日新聞 さんが書きました:

松井、橋下両氏はダブル選で「大阪都公立大学法人」(仮称)を設立し、両大学を一体経営するとしていた。橋下市長は「交付金をまとめ、重なる学部を再編すれば、投資効果を生むような使い方ができる。アジアの競争に勝てる大学にしていく」と意義を説明する。

大学側も前向きに検討を始めた。市立大は今月12日に法人統合戦略本部を設置し、理工▽医療▽教育▽事務部門の各分会で課題を議論する。西沢良記学長は「規模拡大で研究施設の整備もしやすくなる。うまく融合していきたい」と意欲を見せる。府立大も今月、検討会議を発足させた。船野智加枝・府立大総合調整室長は「事務部門をまとめれば経費削減が可能だ」と期待する。

一方、教育学部の新設は、松井知事が「大阪全体の教育の質向上のためだ」と口火を切った。文科省によると、教員を養成する教育学部を設立するには付属学校が必要だが、公立大学法人は法律上、設置できないという。

橋下市長は「国立大や私立大は付属校を作れるのに公立大は作れない。こんなバカな話はない。文科省がとんちんかんな回答をしている」と批判。国立の大阪教育大(同府柏原市)との競合も予想されるが、「国立では知事や市長の意向が反映されない。大阪にとって必要な教員を養成する」と話す。

この引用文からもわかるように、橋下は、たんに二大学を統合し、重複ゆえの無駄を省こうとしているのではない。知事や市長の意向を教育に反映させるために、公立であることを維持し、教育学部を新設したいと言っているのである。これは行政改革とは逆方向の「大きな政府」を目指す改革である。もしも橋下が「小さな政府」を目指すのであれば、公立大学を民間に売却するべきである。

自由主義者が国家主義的な性格を持つことは必ずしも思想的に不純ではない。なぜなら、政府は、たんに企業に競争をさせる主体であるのみならず、自らグローバルな市場において競争する主体でもあるからだ。その限りにおいて、優れた自由主義的政治家は、政府を企業のように経営するアントレプレナーシップを持たなければならない。橋下も、大阪はアジアでの都市間競争に打ち勝たなければならないという問題意識を持っている。しかし、都市間競争は、減税や規制の変更による民間投資の誘致合戦のような形で行われるべきであって、政府自らが生産活動の主体となって、他の企業との競争に参加することがあってはならない。そうした民業圧迫は非自由主義的な国家主義的政策で、自由主義者には容認できない。

橋下が教育への政治介入を始めようとしたきっかけは、全国学力テストでの大阪府の成績が全国で最下位に近いにもかかわらず、大阪府教育委員会をはじめ、誰も責任を取ることなく、それを放置していると感じたことのようだ。だから、大阪維新の会が提出した大阪府教育基本条例案の前文には以下のように書かれている。

平成23年9月定例府議会議員提出第3号議案の概要 (media) 大阪府議会 さんが書きました:

教育行政からあまりに政治が遠ざけられ、教育に民意が十分に反映されてこなかった結果生じた不均衡な役割分担を改善し、政治が適切に教育行政における役割を果たし、民の力が確実に教育行政に及ばなければならない。

たしかに、自治体が公教育という枠組みで住民の教育の自由を制限するのであれば、自由の制限から帰結する結果に対して自治体が責任を取らなければならない。しかし、もしも公教育という枠組みがないのなら、自治体にはそうした責任は生じない。教育結果に責任を持たなければいけないのは、自由に教育方法を選ぶことができる保護者あるいは生徒ということになる。

橋下市長は、通学区域を越えた市立小中学校に通えるようにする学校選択制の導入を検討するなど、公教育の枠組みの中で市場原理を導入しようとしている。しかし、公教育を前提にして競争原理を導入することは、改革としては中途半端である。橋下市長は、2011年12月で、めざす改革を「古い制度やシステムを捨て去るグレート・リセット」と表現し、「大阪から日本を変える」と述べた。グレート・リセットで大阪から日本を変えるというのであれば、公教育の廃止といった思い切った目標も掲げてほしいものだ。それは、少なくとも、橋下が提案している「首相公選制」よりも、憲法を改正する必要がないという点で実現は容易である。憲法には義務教育の条文はあるが、公教育についての条文はない。

日本国民は、小泉内閣による構造改革を支持したが、安倍内閣が熱心に取り組んだ愛国教育は支持しなかった。橋下および大阪維新の会も、国家主義的な方向に逸脱することなく、自由主義的な改革を続けていかなければ、有権者の支持を維持することはできないだろう。

橋下徹は自由主義者か国家主義者か
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年1月18日(水) 02:38.

この記事を書いてから1週間ほどたつが、橋下市長の教育行政は、あいかわらず、国家主義的側面をも持っている自由主義という性格を維持している。

まずは、市立小中学校の学校選択制であるが、これは公約通り実行していくようだ。

橋下市長、学校選択制を26年度に導入へ 「地域の実情を踏まえる」 (date) 2012.1.16 (media) 産経新聞 さんが書きました:

大阪市の橋下徹市長は16日、市長選のマニフェストに掲げていた市立小中学校の学校選択制について、平成26年度から導入する方針を明らかにした。24年度に制度をつくり、25年度に保護者に周知。同年秋には、26年春入学の児童を対象に希望調査を行う見通しという。

この日の市議会決算特別委員会で答弁した。橋下市長は、市内24区一律の導入を基本としたが、「保護者の選択肢を考えると地域の実情を踏まえる必要があり、止めてくれという区は外していく」とも言及。判断は、新たに選ぶ公募区長に委ねるとした。

学校選択制の具体的な形態について市教委は、希望校を区内全ての学校から選ぶ「自由選択制」▽区内をブロックに分け、その中から選ぶ「ブロック選択制」▽従来の通学区域を残し、隣接区域内から選ぶ「隣接区域選択制」-などを検討している。市立小中学校は計425校。仮に自由選択制が導入されれば、学校数が最も多い平野区の場合、区内の23小学校と11中学校から進学先を選べる。

これは、公教育という枠組みの中での市場原理の導入である。市場原理の導入というのはよいのだが、公教育という枠組みを維持するなら、生徒が集まりすぎた学校は、校舎を増設してよいのかとか、逆に集まらない学校では、校長に責任が問えるのかとか、いろいろ問題が起きるだろう。そうした問題にいちいち行政が介入するのではなくて、すべて市場原理にゆだねるというところまでいかないものなのだろうか。

橋下市長は、公教育の枠を超えようとする試みも行っている。

橋下市長、塾代補助検討 教育格差問題 (date) 2012年1月10日 (media) 読売新聞 さんが書きました:

大阪市の橋下徹市長が、小中学生が学習塾に通う際の塾代など、学校以外にかかる教育関連経費を補助する制度の検討を市教委に指示したことが9日、わかった。各家庭に、塾代に補充可能な「バウチャー」(クーポン券)を支給する方式を想定しており、今後、具体的な支給額や導入時期、所得制限の有無などについて検討する。

橋下市長は幹部への指示で「経済格差が教育格差につながるのは問題」と指摘。経済的に厳しいために、学校以外の教育に投資できない家庭を救済する狙いがあるとみられる。現金ではなくバウチャーを支給することで、他目的に使われるのを防ぐ。

橋下市長は大阪府知事当時、年収610万円未満の家庭に私立高校の授業料を無償とするなど、中低所得層の保護者負担軽減を進めている。「塾代補助」も同様の狙いがあるとみられる。

読売新聞は、たんに負担軽減というところにしか着目していないようだが、橋下市長は、消費者に選択の自由を与えることにより、政府と業者の癒着を防ごうとしており、この点で、民主党が進めた画一的な高校無償化のような社会主義的政策とは異なる。

私もかつてバウチャー制度を提唱したが、今では、教育のプロセスに金を出すよりも結果に金を出した方がよいと考えている。これも、もちろん、公教育の廃止が前提である。

橋下市長は、市立小中学校の道徳教育の内容を監視する第三者機関の設立を表明しているが、これは彼の国家主義的性格を示している。

橋下大阪市長、道徳教育の内容監視機関を設置の意向 (date) 2012年1月11日 (media) 読売新聞 さんが書きました:

大阪市の橋下徹市長は11日の市議会一般質問で、市立小中学校の道徳教育の内容を監視する第三者機関を設ける考えを明らかにした。

橋下市長は「道徳教育は中身が問題。現場に任せて、君が代を立って歌うことにぐじゃぐじゃ言われる教育をやられたらたまったもんじゃない」と、国歌を起立斉唱しない教職員を問題視したうえで、「第三者機関をつくって中立的に監視してもらいたい」と述べた。

そういう第三者機関を作っても、橋下市長が批判する教育委員会と同様、機能しないから、税金の無駄である。道徳教育の内容を監視するべきなのは子供の保護者であり、公教育を廃止し、市場原理を導入することで、消費者の満足度が最も高い道徳教育が行われるようになる。

やはり、自治体の首長では、抜本的な教育制度改革はできない。橋下市長は、景気対策として、消費を促進するために貯蓄に課税することを提案している[消費をさせる税制が根幹。貯蓄に課税、消費は全て … (date) 2012年01月08日 (media) Twitter (author) 橋下徹]が、そうした政策効果は、国レベルでインフレ税を実施する方が、徴税コスト=ゼロ、脱税=ゼロで容易かつ効果的に達成できる。しかし、国は大きすぎて改革が難しい。橋下市長が道州制の実現に熱意を示すのは、それが理由なのだろう。

Re: 橋下徹は自由主義者か国家主義者か
投稿者:ペンペン.投稿日時:2012年3月05日(月) 21:21.

永井俊哉 さんが書きました:

日本国民は、小泉内閣による構造改革を支持したが、安倍内閣が熱心に取り組んだ愛国教育は支持しなかった。橋下および大阪維新の会も、国家主義的な方向に逸脱することなく、自由主義的な改革を続けていかなければ、有権者の支持を維持することはできないだろう。

反対者を「抵抗勢力」とみなして徹底的に攻撃するとともに、マスコミを巧みに利用して、「抵抗勢力」との闘争を実況中継させるという「劇場型政治」を橋下が継続する限り、国家主義的な方向に逸脱したとしても、有権者は橋下を支持するであろう。

Re: 橋下徹は自由主義者か国家主義者か
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年3月06日(火) 08:48.

もしも安倍首相(当時)が日本の核武装を主張し、反対者を「抵抗勢力」とみなして徹底的に攻撃するとともに、マスコミを巧みに利用して、「抵抗勢力」との闘争を実況中継させるという「劇場型政治」を行っていたら、有権者は安倍首相を支持したと思いますか。

Re: 橋下徹は自由主義者か国家主義者か
投稿者:ペンペン.投稿日時:2012年3月06日(火) 19:44.

大衆に人気のある橋下が「劇場型の政治」をするから支持されるのであり、同じことを安倍が行っても支持されない。

Re: 橋下徹は自由主義者か国家主義者か
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年3月06日(火) 20:25.

では、橋下徹が大衆に人気がある理由はどこにあるとペンペンさんは考えているのですか。

Re: 橋下徹は自由主義者か国家主義者か
投稿者:ペンペン.投稿日時:2012年3月07日(水) 22:17.

それは彼がタレントだったからさ。
永井様も、大阪維新の会の政治塾に応募し、参謀として就職なさってはいかがですか。永井様の悲願である、「公教育の廃止」や「市場原理が貫徹する社会」が、実現するかもしれませんよ。
三国志演義の諸葛孔明のように、三顧の礼をもって迎えられるとよいですね。

Re: 橋下徹は自由主義者か国家主義者か
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年3月07日(水) 23:11.

ペンペン さんが書きました:

それは彼がタレントだったからさ。

橋下徹はタレントでしたが、小泉純一郎はタレントではありませんでした。それなのに、なぜ小泉純一郎は、橋下徹のように、大衆に人気があって、彼の「劇場型の政治」は支持されたのでしょうか。なぜ、橋下徹と小泉純一郎の場合は、反対者を「抵抗勢力」とみなして徹底的に攻撃する手法が有権者に支持されたのでしょうか。

Re: 橋下徹は自由主義者か国家主義者か
投稿者:ペンペン.投稿日時:2012年3月10日(土) 06:52.

小泉がなぜタレント並みの人気があったのか、私にもわかりませんねえ。「人は見た目が9割」といいますからねえ。従来の自民党の領袖とはまったく異なる、小泉の人格、外見が支持されたんでしょうか。

Re: 橋下徹は自由主義者か国家主義者か
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年3月11日(日) 17:19.

外観という点で言えば、橋本龍太郎は小泉純一郎よりもハンサムで、実際、女性に大変人気がありました。米国と普天間基地返還で合意するなどの外交的成果もあり、1996年の第41回衆議院議員総選挙では自民党の議席を増やすことに成功しました。しかし、1998年の第18回参議院議員通常選挙では惨敗となり、引責辞任に追い込まれました。橋本と小泉は、どこが違ったのでしょうか。

橋本は、「たとえ火だるまになっても行政改革を断行する」と言って、行政改革への熱意を示しました。その点でも小泉に似ているのですが、その結果の省庁再編はたんなる看板の掛け替えに終わり、本来の行政改革とはほど遠いものでした。さらに大蔵官僚の言いなりになって、消費税を引き上げて、不況を惹き起こし、選挙直前に恒久減税に関する発言が迷走するなど、リーダーシップの欠如、信念の欠如があらわになり、それが選挙での大敗につながりました。

外観も重要なのでしょうが、政治家が高い支持率を維持するには、他にもっと重要な要因があると私は考えます。では、政治家が有権者から支持されるには、どのようなことが必要なのか、これを論じるために、「国民は政治に何を求めているのか」を書きましたので、それをお読みください。

Re: 橋下徹は自由主義者か国家主義者か
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年8月24日(金) 16:41.

橋下は、安倍晋三との連携に意欲を示している。

橋下氏、安倍元首相に新党の党首を打診 (date) 2012年8月23日 (media) TBS さんが書きました:

さまざまな動きを見せる維新の会ですが、実はある懸念がありました。それは・・・

「このままいくと小沢氏のいない小沢新党のような、新人議員ばかりの集団になってしまう」(維新の会関係者)

接触している議員はキャリアが浅い議員が多い。そこで白羽の矢が立ったのが総理大臣も務めた安倍氏だったのです。数回にわたる会談で橋下氏は、安倍氏に驚くべき提案をしました。

「維新の会が作る新党に合流していただき、その党首となっていただきたい」(大阪維新の会 橋下徹代表)

維新の会が作る新党の党首に、自分ではなく安倍氏を迎えたいと申し出たのです。これに対して安倍氏は、即答を避けたといいます。

キャリアのある政治家なら他にいくらでもいるのに、なぜ安倍晋三なのか。大阪維新の会の松井幹事長は、こう言っている。

安倍元首相との連携に期待 大阪維新幹事長「価値観合っている」 (date) 2012年8月21日 (media) 産経新聞 さんが書きました:

大阪維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事は21日、自民党の安倍晋三元首相について「考え方、方向性は一致している。価値観が合っている」と述べ、次期衆院選での連携に期待感を示した。

橋下徹大阪市長率いる維新の会が次期衆院選に向け発足した政治塾の講師として招かれている竹中平蔵慶応大教授、財務省出身の高橋洋一氏が安倍内閣の政策ブレーンだったことを挙げ「われわれと政策的にも近い」と指摘した。

しかし、当の竹中は、以下のインタビューに見られるように、安倍を評価していない。

国に期待する者はバカを見る、自分を磨きなさい 竹中平蔵・慶應義塾大学教授インタビュー (date) 2012年5月16日 (media) JBPress さんが書きました:

安倍首相は小泉改革の継承者として鳴り物入りで登場した。しかし、安倍首相をそれまでの日本流に育てようとしたことが完全に裏目に出てしまう。それまでの日本流とは、「エリートには無理をさせず大切に育てる」というものである。

日本の役所でも大企業でも、あるいは大メディアでもこうしてエリートを養成してきた。しかし、そうしたエリートは少し前の流行語で言えば草食系となり、何とも頼り甲斐がない。日本が変革期に没落しているのは、ここに原因の一端があるはずだ。

安倍元首相は支持者である財界人から次のように大切に育てられる。

「安倍さんはまだまだ若い。だから長期政権になってもらわなければ困る。そのためには揉め事はつくらないほうがいい。最初から敵をつくらないほうがいい。無難に出発しよう」

しかし、竹中さんはこれが失敗の始まりだったと言う。大きな失敗はしない代わりに大きな成果も生まれず、国民の支持を失っていく。そして敵を作らないことは、郵政改革反対派を復帰させることになり、さらに国民の支持を失っていく。

竹中の安倍に対する評価は、これでもまだ甘いぐらいである。あるいは、意図的に善意に解釈したと見るべきだろうか。安倍が郵政造反組を復党させようとしたのは、敵を作らないようにすることが目的ではなかった。そういうことをすれば、当時は党内に多数いた小泉改革支持の議員や小泉チルドレンを敵に回すことになるのだから、味方以上に敵を作ることになる。安倍が、平沼赳夫のような郵政民営化に反対し続ける造反議員まで復党させようとしたということは、もともと郵政民営化に象徴される構造改革にあまり熱心ではなかったということである。

安倍は在任中に、防衛庁を省に昇格させたり、愛国心の涵養を謳った教育基本法や憲法改正のための国民投票法を成立させたりするなど、国家主義的な改革には意欲的に取り組んだが、構造改革の方は成果が十分ではなかった。結局のところ、安倍は自由主義の看板を掲げた国家主義者だったと評することができる。そういう安倍を党首にしようとしているのなら、大阪維新の会も同類と疑わざるを得ない。

あるいは、橋下は、安倍を党首にしようとしているのではなくて、たんに次期衆議院総選挙後に与党入りするための布石を打っているだけなのかもしれない。橋下は、自民党の推薦で大阪府知事になったにもかかわらず、2009年の総選挙の時は、民主党の勝利を見越して、「国の形が変わる可能性として民主党に軍配が上がった」と述べ、民主党支持を表明した。こうした過去の言動からもわかるように、橋下は常に勝ち馬に乗ろうとするマキャベリストである。結局のところ、橋下は、次期衆議院総選挙で自民党が優勢であることから、自分に比較的近い立場の安倍を自民党総裁にしようとして、安倍総裁なら維新との連立が可能といったメッセージを自民党の議員たちに発しているだけなのかもしれない。

そう考えると、なぜ維新の会がみんなの党との合流に否定的であるのかもわかる。

みんなの党と合流に否定的…維新の松井大阪知事 (date) 2012年8月23日 (media) 読売新聞 さんが書きました:

地域政党・大阪維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事は22日の記者会見で、次期衆院選に向けたみんなの党との合流の可能性について「(同党の政策は国会で)広がっていない状況があり、実現できない集団になってしまう。政治は結果責任。決定できる態勢を作れるチームが必要」と述べ、否定的な見方を示した。

現在の民主党が「実現できない集団」となり、「決定できる態勢を作れるチーム」になっていないのは、たんに反自民・非共産という点以外に共通点のない議員を集めたことが原因であり、「実現できない集団」とならずに、「決定できる態勢を作れるチーム」となるためには、みんなの党のような政策面で近い政党と提携するべきなのだが、それをしないということは、自民と民主の双方と対立しているみんなの党と提携すると与党入りができなくなり、そういう意味での「実現できない集団」となることを恐れているからなのか。

Re: 橋下徹は自由主義者か国家主義者か
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年8月28日(火) 21:59.

橋下は地方自治体の首長で、国家を直接統治していないので、「国家主義」という呼称は不適切かもしれない。むしろ、彼の場合、パターナリズム(paternalism 父権主義)という呼称の方が適切かもしれない。なぜならば、橋下は三男四女の父であり、大阪府知事選でもそのことを前面に押し出し、「子供が笑う」をキャッチフレーズに、教育行政に重点を置いた公約を掲げ、当選後、「独裁者」を自称するほどの強権的な采配を振るったのだから。

政治思想としてのパターナリズムは、ちょうど父が子に対してそうするように、為政者が自立できない個人を温情的に保護するという思想であるから、個人の自立を前提に、個人に最大限の選択の自由を与えようとするリバタリアニズム(libertarianism 自由主義)の対極にある立場である。橋下は競争主義者であり、その点ではリバタリアンである。地方分権も、地方の自立を強調する限り、リバタリアニズムの思想に沿っている。橋下は、基本的にリバタリアンであるが、しかしながら、本来それとは両立しないはずのパターナリストとしての側面も持っている。

例えば、橋下は、2008年の大阪府知事選で、「食育教育の充実」のため、大阪府内の全公立中学校に給食を導入することを公約として掲げ、2011年には、5年間で246億円の予算を計上すると表明した[3]。橋下は、2011年の大阪市長選でも同じ公約を掲げ、現在その公約を実行しようとしているが、結果は芳しくない。

橋下改革目玉、中学給食導入が不調 (date) 2012年8月23日 (media) 読売新聞 さんが書きました:

大阪市の橋下市長肝いりで、同市教委が今年度から全市立中に順次導入する学校給食で、9月からの最初の申込者が13・7%と低迷していることがわかった。

昨年11月の市長選で公約に掲げ、今年度予算だけで約20億円をつぎ込んだ教育改革の目玉施策が出はなからくじかれた格好で、橋下市長は「せっかくの制度が浸透していない。周知を図ってほしい」と指示した。

市立中128校ではこれまで給食を実施しておらず、弁当持参が原則だった。橋下市長は「ちゃんとした食事を提供することが学力・体力向上につながる」とし、来年度までに全校で給食を導入することになった。

しかし、9月から、45校で弁当との選択制となる給食(1食300円)を先行開始するのに合わせて、対象校の生徒約1万7500人から9月分の申し込みを受け付けたところ、給食費を納付したのは約2400人にとどまった。

財政難から、就学援助を受ける生徒(全体の約38%)にも給食費の負担を求めたため、市教委は、申し込みを4割程度と見込んでいたが、大きく下回った。

担当者は「想定よりもかなり低い。どんな給食が出るのか様子を見ているのかも」と分析。学校関係者らは「弁当の方が好きなものだけが食べられる」「愛情をかけた弁当を作ってあげたい」とする生徒、保護者の思いが根強いとみている。

橋下は「ちゃんとした食事を提供することが学力・体力向上につながる」と父親的な気配りをしているのだが、そうした父親的な気配りは、市長がしなくても各児童の保護者が行っており、彼らからすればこういうパターナリズムは「余計なお世話」というものだろう。給食制度は、欠食児童が多かった終戦後の日本において有効であったが、個人が選ぶ自由を享受するようになった飽食の現代にあっては、既に制度疲労をきたしていると言わざるを得ない。300円と破格に安いにもかかわらず、これだけ人気がないのは、保護者も児童も価格よりも選択の自由の方を重視しているからと考えなければならない。

弁当を持参させることが保護者の負担になるとか、新鮮な食事を食べたいとかいうのであれば、外部の民間業者に委託する、あるいは校内に食堂を造るなどの方法もある。いずれにせよ、メニューを選ぶ自由がなければ、不評になる。日本の給食でこれまでやって来たような画一的なメニューの強制は、リバタリアンの立場からすれば、改めるべきだということになる。もしも橋下が、市場経済を志向するリバタリアンなら、給食制度などという時代錯誤な配給経済の復活に単年度で20億円もの税金を使わないはずだ。

橋下は、「食育教育」という言葉に表れているように、給食を単に食欲を満たす行為としてではなくて、教育の一環と位置付けているのかもしれない。そういう教育実験が試されてもよいが、しかしそれは、個々の学校あるいは個々の教育者が、自分の理念と工夫とで実践し、そして消費者である子供や保護者が選択するべき事柄であって、首長の号令のもと画一的に行うべきことがらではない。このサイトで私が何度も繰り返すように、公教育というサービスの提供方法自体が社会主義的な配給経済であって、リバタリアニズムに反するのである。

Re: 橋下徹は自由主義者か国家主義者か
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年9月05日(水) 10:34.

松井一郎は、なぜ橋下徹とは政策的に異質な安倍晋三を新党の党首にしようとしたのか。安倍と松井は、2012年2月26日に大阪で開かれた教育再生民間タウンミーティングでのパネルディスカッションを通じて意気投合したということになっているのだが、実際にはそれ以上の人間関係が背景にあるようだ。

松井一郎の父である松井良夫は、大阪府議会議長を務めたこともある政治家であったが、笹川良一の舎弟分で、松井一郎が大阪工業高等学校を退学し、福岡工業大学附属高等学校に入学したのは、笹川良一がその理事長であったからとのことである[4]

笹川良一は、安倍晋三の祖父である岸信介とともに1968年の国際勝共連合の設立に尽力した「右翼のドン」と呼ばれた人物である。国際勝共連合は、統一教会の政治団体で、岸信介のみならず、晋三の父、安倍晋太郎も統一教会や国際勝共連合と関わりが深かった。

笹川良一は、1972年に国際勝共連合の名誉会長を辞任した。また、安倍晋三は、2006年に祝電騒動が起きたものの、統一教会からは距離を置いている。松井一郎も統一教会とは直接関係はないだろう。しかし、松井一郎と安倍晋三は、反共右翼という同じような思想的系譜上に位置しており、両者が思想的に共鳴できる素地を持っていたのはこのためと考えることもできる。

なお、統一教会は、様々な政治家に秘書を送りこむなどして、政界へのアプローチを試みている。橋下市長が住吉区長に起用した吉田康人が統一教会と関係があるのではないかと指摘されている[区長が統一協会と関係/大阪・住吉 橋下市長が公募で登用 (date) 2012年6月28日 (media) しんぶん赤旗]が、大阪維新の会自体が特に統一教会と関係が深いとは思えない。

大阪維新の会は、新党を結成するにあたって、松野頼久、西村康稔、平井卓也など、他党の衆院議員と接触しているが、歳川隆雄によると、これらの人々は岸人脈に連なる人々であるとのことである。

「橋下新党」結成で「第2次安倍政権」誕生はあるか!? 政界再編を目指す橋下・安倍の間に蠢く「離党予備軍」の共通項とは (date) 2012年8月18日 (media) 現代ビジネス (author) 歳川隆雄 さんが書きました:

松野氏の父・頼三氏は第2次岸信介内閣で総務長官として初入閣、同改造内閣でも労働大臣を歴任している。さらに1955年の保守合同による自由民主党発足時の岸幹事長の下で政調副会長を務めた。平井氏の祖父・太郎氏は石橋湛山内閣の郵政大臣を務めた後、岸内閣当時の参院副議長(岸氏の実弟・佐藤栄作内閣時には参院自民党議員会長)に就任した。そして旧通産省出身の西村氏の岳父は、岸氏の地元山口県議会議長を歴任した城代家老の吹田晃元自治大臣(海部俊樹内閣)である。

ここで筆者が強い関心を示したいのは、安倍晋三元首相のことだ。改めて指摘するまでもなく、故安倍晋太郎元幹事長の岳父が岸元首相であり、岸氏は晋三氏の祖父である。その晋三氏が最近、橋下氏周辺と接触しているとの報道がここに来て目立つようになった。

『朝日新聞』(8月15日付朝刊)は、一面トップに「橋下新党旗上げへ—月内に準備本格化」と見出しを掲げ、先の道州制型統治機構研究会発足の前日読売報道をフォローした上で、保守を基軸とする政界再編を目指す橋下氏が安倍氏の新党参加を要請していると書いたのだ。

安倍氏がこれまでに橋下・維新のナンバー2である松井一郎大阪府知事と頻繁に接触していることは永田町で周知の事実である。だが、実は安倍氏自身、橋下市長と5月の大型連休前の4月に大阪市内で2回、そして6月に1回会っているのだ。両者を仲介したのは、橋下氏のアウターブレーンの1人である山田宏元杉並区長(現日本創新党党首)だ。山田氏周辺からは早くも、仮に「第2次安倍政権」が誕生すれば、その中枢の一角を占めるのは「橋下新党」であるとの声が聞こえてきている。

安倍晋三は、2006年に、北朝鮮の拉致問題やミサイル発射問題に国民の関心が集まったことを追い風に自民党総裁・内閣総理大臣に就任した。2012年9月現在、領土問題が国民の関心を集める中、再び総理総裁への意欲を示しており、松井としてはこの流れに乗ろうとしているのかもしれない。

Re: 橋下徹は自由主義者か国家主義者か
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年9月27日(木) 10:30.

2012年9月26日に、安倍晋三元首相が自由民主党の新総裁に選出された。

「信頼置ける政治家」とエール=安倍自民新総裁に-橋下氏 (date) 2012年9月26日 (media) 時事通信 さんが書きました:

新党「日本維新の会」の代表に就く橋下徹大阪市長は26日、自民党の新総裁に選出された安倍晋三元首相について「非常に期待しています。信頼の置ける政治家だと思うから、自民党を引っ張っていただきたい」とエールを送った。市役所内で記者団に答えた。

橋下氏は「安倍氏とは教育改革や憲法問題、公務員改革など、価値観ががっちり合うところがある」と評価した。一方、維新が主張する消費税の地方税化や環太平洋連携協定(TPP)への参加、脱原発依存体制の構築といった点では「完全に一致しているわけではない」と指摘。次期衆院選で自民を含む既成政党と対決する方針に変わりがないことを強調した。

では、政策が一致しているみんなの党との合併を拒否し、政策が「完全に一致しているわけではない」安倍を党首にしようとした理由は何だったのか。

「みんなの党解散でいい」維新三くだり半 (date) 2012年9月19日 (media) 日経新聞 さんが書きました:

地域政党「大阪維新の会」は国政進出後、どの政党と組むのか。第三極結集に向け、一時最有力とされたのはみんなの党だった。だが、実は維新幹事長の松井一郎(48)は6月下旬には漏らしていた。「みんなの党は解散してくれたらええ」。この時点で、維新は既に同党と組まない方向にかじを切っていた。

維新代表の橋下徹(43)と松井が案じたのは、自民党内部での、みんなの党代表の渡辺喜美(60)に対する強烈な拒絶反応だった。2人に「渡辺と組めば選挙後に自民と連携できなくなる」との忠告が相次ぐ。政権奪取の可能性が高まる自民と、国会で孤立しがちなみんな。維新の選択肢は限られていた。

8月20日。渡辺と面会した橋下は「新しいものを作らないと既成政党に対する第三極にならない」と解党を迫った。

渡辺は激怒し、「橋下が『偽装保守』なのか『真性保守』なのか見極める」と周囲に語った。だが、交渉決裂で党内には渡辺批判が渦巻いた。

会談の10日後に橋下はツイッターで、渡辺との再会談をキャンセルしたと明かし、「このことが渡辺さんの怒りを買ったのだと思う」と暴露。異例のつぶやき「三くだり半」だった。

やはり、日本維新の会は、選挙後自民党と連立することを考えていたようだ。自民党内では維新に近い安倍が総裁となったことで、それは容易になったが、自民党批判がしにくくなるので、選挙には不利である。

みんなの党は維新に、維新は安倍に「考えが同じだ」と言って片想いを抱いた。片想いが破綻し、選挙で戦わなければならなくなると、片想いしていた方は、違いを説明するのに苦労し、提携でもしない限り、選挙戦で不利な立場になる。日経新聞の報道によれば、維新とみんなの党との決裂の背景には、自民党の忠告があったとのことだが、決裂して得をするのは自民党であるから、自民党の作戦勝ちというところか。敵対勢力を分断して統治するというのは古典的な戦術である。

Re: 橋下徹は自由主義者か国家主義者か
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年10月01日(月) 13:41.

安倍人脈で国会議員を集めた弊害がさっそく出てきている。橋下は、次期選挙をにらんで安倍自民党との違いを出そうとしているが、違いを出そうとすればするほど、日本維新の会の議員の反発を招く。

維新の会所属議員が「橋下氏は平和ボケ」と不快感 (date) 2012年10月1日 (media) 週刊朝日 さんが書きました:

橋下徹大阪市長(43)率いる「日本維新の会」にとって、安倍晋三元首相(58)の存在は"疫病神"であったようだ。

コトの発端は、大阪市内で9月23日に開かれた維新の第2回公開討論会だった。有識者として参加したジャーナリストの田原総一朗氏から竹島問題を突っ込まれた橋下氏は、マイクを手にこうまくし立てた。

「威勢のいいことばかりを言ってもダメ。(韓国が実効支配している)竹島は武力ではひっくりかえせません。竹島が日本固有の領土という主張は曲げないが、シビアに国益を考えれば、決着を国際司法裁判所に委ね、韓国と竹島の共同管理をめざす方向へ持っていくべきでしょう」

熱愛のころは「尊敬できる方」と安倍氏を持ち上げていた橋下氏の態度は一変。「威勢のいいことばかり」のくだりは、領土問題に強硬姿勢を打ち出した安倍氏への批判とも聞こえる。

そんな橋下発言に維新の議員は不快感を隠さない。

「僕ら維新の会の初期メンバーは究極の保守で、領土問題は最終的に戦争を覚悟して臨むべきものと考えている。橋下さんは『戦争する覚悟が日本人にはないから、共同管理しかない』と合理的な意見を言ったんだろうけど、それはあまりに平和ボケ。領土主権に対する僕らの考え方は、橋下さんとは違うが、安倍さんは同じ意見だ」

これより前に、日本維新の会の国会議員団は、橋下徹代表に対し、次期衆院選での候補者擁立や選挙体制に関する32項目の提言・要望書を提出しているが、その中には、第2次公募の対象を業界団体役員や文化人、ジャーナリストらにも広げるべきだという指摘がある。文化人やジャーナリストはともかくとして、業界団体役員を候補にしたら、自民党や民主党と変わらない利益還元型政党になってしまう。数合わせのために甘いチェックで他党の国会議員を入党させた弊害が出てきている。

Re: 橋下徹は自由主義者か国家主義者か
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年10月04日(木) 23:59.

橋下と松井がようやく正しい提携先がどこだったのかに気が付いたようだ。

橋下氏、みんなの党との関係修復に意欲 (date) 2012年10月4日 (media) 日本経済新聞 さんが書きました:

日本維新の会代表の橋下徹大阪市長は4日、合流交渉の決裂で悪化したみんなの党との関係について「第三極が一つの塊として有権者に選択肢を提示するのが本来のあり方だ」と述べ、関係修復に意欲を示した。「仲たがいしたとの誤ったメッセージは正さないといけない。政策は一緒なので(問題は)その実現方法、党の運営方法だ」と語った。

一方、維新幹事長の松井一郎大阪府知事は「みんなの党とは考え方が一緒。覆水盆に返らずだが、一緒になるのが一番良かった」と指摘。その上で、選挙協力の可能性について「みんなの党の候補者がどういう人か知らない。人物を見させて頂いたうえでじゃないと決められない」と述べ、含みを持たせた。

安倍を新党の党首として担ごうとする松井の構想は失敗に終わった。以下の記事が伝えるように、維新の会とみんなの党との提携が破綻したのは、松井が安倍との提携を優先しようとしたことが原因だった。

みんなの維新という政党名内定もみんなと維新の関係こじれる (date) 2012年9月3日 (media) NEWSポストセブン さんが書きました:

みんなの党と維新の会は、「政治理念、基本政策はほとんど一致している。党対党でこれまで継続的に話し合いをしてきた」(江田憲司・幹事長)という関係で、みんなの党の公認候補が組織的に維新政治塾に参加するなど、水面下で合併準備を進めてきた。

「6月頃までは相思相愛。解散になる頃までに互いに選挙準備が整っていなかったから協力するしかなく、ゴールインは間違いないと思われていた。“みんなの維新”という政党名も内定していた。だが、維新側が自前の候補者を揃えると態度が急に冷たくなった」(みんなの党議員)

解消が決定的になったのは、8月20日の渡辺喜美・代表と橋下、松井両氏の会談。渡辺氏が対等合併を含めた具体的な選挙協力を提案したが、維新側は難色を示したとされる。会談後、松井氏は「合流の話は一切ない」と破談をほのめかした。

手痛く振られただけではない。維新の会の議員オーディション(公開討論会)には、みんなの党の小熊慎司、上野宏史両参院議員が参加に意欲を見せている。婚約解消の上、維新に議員を引き抜かれる格好になるみんなの党は、「公開討論会への個人での参加は認めない」(江田氏)と関係はこじれてしまった。

みんなの党幹部は、「維新の松井一郎・大阪知事はどうしても橋下氏を安倍さんとくっつけたいようだ」と、安倍-松井ラインによる橋下略奪愛と見ているが、こうなると元のサヤに戻るのは難しそうだ。

感情的な問題が残っているかもしれないが、みんなの党の方も、立候補予定者の辞退が相次ぐなど、崩壊の危機にあるので、提携に応じるべきだろう。但し、選挙前に合併する必要はない。合併してしまうと、公明党が公認候補を擁立する9小選挙区に候補を立てられなくなるからだ。

大阪維新、公明の公認全9区への擁立見送り (date) 2012年9月8日 (media) 読売新聞 さんが書きました:

地域政党・大阪維新の会は7日、次期衆院選で公明党が公認候補を擁立する9小選挙区すべてで維新候補の擁立を見送る方針を決めた。

維新代表の橋下徹大阪市長と幹事長の松井一郎大阪府知事、公明党副代表の白浜一良参院議員が大阪市内で会談し、合意した。

公明党は大阪3、5、6、16区、兵庫2、8区、北海道10区、東京12区、神奈川6区で公認候補を擁立する。これまで維新は関西の6小選挙区で候補擁立を見送る方針を示していたが、北海道、東京、神奈川にも拡大した。関西では公明党候補の推薦も検討する。

維新は大阪市議会で過半数を確保しておらず、公明党に市政に協力してもらう狙いがある。衆院選後、国政での連携も視野に入れているとみられる。一方、公明党は衆院選で自民党との選挙協力を進めており、維新の協力を得ることで9小選挙区で全勝したい考えだ。

公明党が候補を擁立する小選挙区には自民党も候補を立てないので、そこでは民主党系の公認候補と公明党の公認候補というリベラル寄りの候補者しか有力政党の候補がいないという事態になりかねない。たとえ自民党が推薦しても、保守層は公明党の候補には投票したがらないものだ。みんなの党の支持率は高くはないが、保守色の強い候補を立てれば、保守票を集めて当選する可能性がある。

「日本維新の会」という名称はドクター中松がすでに商標出願しているので、選挙後みんなの党と合併して、新しい名称の党を作るのもよいと思うが、選挙前は、別々の党のまま各選挙区で候補者を一本化するなどの選挙協力をすればよいだろう。

2. 付録(1)橋下徹の「慰安婦」「風俗」発言

以下の議論は、システム論フォーラムの「橋下徹の「慰安婦」「風俗」発言」からの転載です。

橋下徹の「慰安婦」「風俗」発言
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2013年6月04日(火) 12:12.

橋下徹の「慰安婦」「風俗」発言は、国内外に大きな波紋を起こした。以下は、その発端となった、2013年5月13日に橋下市長が登庁時に行った発言だ。

日本維新の会「市役所登庁時の囲み取材の様子」2013.5.13(月)

自民党の高市早苗政調会長が、その前の日に、アジア諸国に対する「植民地支配と侵略」への反省とおわびを表明した村山談話について「侵略という文言を入れているのは私自身しっくりきていない。自存自衛のために決然と立って戦うというのが当時の解釈だった」と発言し、それに対する感想を聞かれた時のことである。橋下は、以下のような長いコメントを行った。

橋下徹大阪市長「米軍の風俗業活用を」はいかなる文脈で発言されたのか (date) 2013年5月14日 (media) SYNODOS さんが書きました:

侵略の定義については学術上きちんと定義がないことは安倍首相が言われている通りです。

第二次世界大戦後、事後的に、国連で安保理が、侵略かどうかを最後に判定するという枠組みが決まりましたけれども。侵略とはなにかという定義がないことは確かなのですが、日本は敗戦国ですから。戦争をやって負けたんですね。そのときに戦勝国サイド、連合国サイドからすればね、その事実というものは曲げることはできないでしょうね。その評価についてはね。ですから学術上さだまっていなくてもそれは敗戦の結果として侵略だということはしっかりと受け止めなくてはいけないと思いますね。

実際に多大な苦痛と損害を周辺諸国に与えたことは間違いないですからその事実はしっかりと受け止めなくてはならなないと思います。その点についても反省とお詫びというものはしなくてはいけない。

またこの立場はずっと週刊朝日や朝日新聞にたいして言い続けていますけども、自らの一方当事者が「もう終わりだ、終わりだ」といって時間を区切って終わりにすることができないんですね。

それは時間が解決する、ようは相手方がある程度納得するまでの期間、時間的な経過が必要であることはまちがいないです。だから、戦後60年経ったんだから、70年経ったんだから、全部ちゃらにしてくれよってことを当事者サイドがいうことではないです。

これは第三国がね、まあアメリカや連合国の方が、また、まあアメリカもそりゃ損害はあったんでしょうけど、それでも第三者的な立場の国がね、「もういいんじゃないの」っていうのは、まあそれはいいんでしょうけど。当事者である日本サイドの方が「もう60年経ったんだから、70年経ったんだから、もうちゃらだよ」っていうのは、これは違うと思いますね。

ただ事実と違うことでね、我が日本国が不当に侮辱を受けているようなことに関しては、しっかり主張はしなくては行けないと思っています。だから敗戦国として受け入れなければいけない、喧嘩っていうはそういうことですよ、負けたんですから。

だからそれは当時の為政者に重大な責任があるわけです。負けたんだったらね、そりゃ負けたらね、そりゃいろんなことを……我慢ならんことだってねいろいろ言われることもあるけれども、負けたってことはそういうことなんです。だから負けるような戦争なんかやっちゃいけないんです。そもそも戦争なんかやっちゃいけないけれども。だから負けたってことをすぐさま捨て去れるような、そんな甘いものじゃないですね、けんかをやったってことは。

ただね、事実としては言うべき事はいっていかなくちゃいけないと思っていますから。僕は、従軍慰安婦問題だってね、慰安婦の方に対しては優しい言葉をしっかりかけなきゃいけないし、優しい気持ちで接しなければいけない。意に反してそういう職業に就いたということであれば、そのことについては配慮しなければいけませんが。

しかし、なぜ、日本の従軍慰安婦問題だけが世界的に取り上げられるかというと、その当時、慰安婦制度っていうのは世界各国の軍は持っていたんですよ。これはね、いいこととは言いませんけど、当時はそういうもんだったんです。ところが、なぜ欧米の方で、日本のいわゆる慰安婦問題だけが取り上げられたかというと、日本はレイプ国家だと。無理矢理国を挙げてね、強制的に意に反して慰安婦を拉致してですね、そういう職に就職業に付かせたと。

レイプ国家だというところで世界は非難してるんだっていうところを、もっと日本人は世界にどういう風に見られているか認識しなければいけないんです。慰安婦制度が無かったとはいいませんし、軍が管理していたことも間違いないです。ただ、それは当時の世界の状況としては、軍がそういう制度を持っていたのも厳然たる事実です。だってそれはね、朝鮮戦争の時だって、ベトナム戦争だってそういう制度はあったんですから、第二次世界大戦後。

でもなぜ日本のいわゆる従軍慰安婦問題だけが世界的に取り上げられるかというと、日本は軍を使ってね、国家としてレイプをやっていたんだというところがね、ものすごい批判をうけているわけです。

僕はね、その点については、違うところは違うと言っていかなければならないと思いますね。ただ意に反して慰安婦になってしまった方はね、それは戦争の悲劇の結果でもあるわけで、戦争についての責任はね、我が日本国にもあるわけですから。そのことに関しては、心情をしっかりと理解して、優しく配慮していくことが必要だと思いますけど。しかし、違うことは違うって言わなきゃいけませんね。

それから戦争責任の問題だって敗戦国だから、やっぱり負けたということで受け止めなきゃいけないことはいっぱいありますけど、その当時ね、世界の状況を見てみれば、アメリカだって欧米各国だって、植民地政策をやっていたんです。

だからといって日本国の行為を正当化しませんけれども、世界もそういう状況だったと。そういう中で日本は戦争に踏み切って負けてしまった。そこは戦勝国としてはぜったい日本のね、負けの事実、悪の事実ということは、戦勝国としては絶対に譲れないところだろうし、負けた以上はそこは受け入れなきゃいけないところもあるでしょうけど。

ただ、違うところは違う。世界の状況は植民地政策をやっていて、日本の行動だけが原因ではないかもしれないけれど、第二次世界大戦がひとつの契機としてアジアのいろんな諸国が独立していったというのも事実なんです。そういうこともしっかり言うべきところは言わなきゃいけないけれども、ただ、負けたという事実だったり、世界全体で見て、侵略と植民政策というものが非難されて、アジアの諸国のみなさんに多大な苦痛と損害を与えて、お詫びと反省をしなければいけない。その事実はしっかりと受け止めなけれないけないと思いますね。

日本の政治家のメッセージの出し方の悪いところは、歴史問題について、謝るとこは謝って、言うべきところは言う。こういうところができないところですね。一方のスタンスでは、言うべきとこも言わない。全部言われっぱなしで、すべて言われっぱなしっていうひとつの立場。もう一つは事実全部を認めないという立場。あまりにも両極端すぎますね。

認めるところは認めて、やっぱり違うところは違う。世界の当時の状況はどうだったのかという、近現代史をもうちょっと勉強して、慰安婦っていうことをバーンと聞くとね、とんでもない悪いことをやっていたとおもうかもしれないけど、当時の歴史をちょっと調べてみたらね、日本国軍だけじゃなくて、いろんな軍で慰安婦制度ってのを活用してたわけなんです。

そりゃそうですよ、あれだけ銃弾の雨嵐のごとく飛び交う中で、命かけてそこを走っていくときに、そりゃ精神的に高ぶっている集団、やっぱりどこかで休息じゃないけども、そういうことをさせてあげようと思ったら、慰安婦制度ってのは必要なのは誰だってわかるわけです。ただそこで、日本国が欧米諸国でどういう風に見られてるかというと、これはやっぱりね、韓国とかいろんなところの宣伝効果があって、レイプ国家だって見られてしまっているところ。ここが一番問題だからそこはやっぱり違うんだったら違うと。

証拠が出てきたらね、それは認めなきゃいけないけれども、今のところ2007年の閣議決定では、そういう証拠はないという状況になっています。先日、また安倍政権で新しい証拠が出てくる可能性があると閣議決定したから、もしかすると、強制的に暴行脅迫をして慰安婦を拉致したという証拠が出てくる可能性があると。もしかするといいきれない状況が出てきたのかもわかりませんが、ただ今のところ、日本政府自体が暴行脅迫をして女性を拉致したという事実は今のところ証拠に裏付けられていませんから、そこはしっかり言ってかなければいけないと思いますよ。

ただ意に反して慰安婦になった方に対しては、配慮しなければいけないと思います。認めるところは認めて、謝るところは謝って、負けた以上は潔くしないと。自民党だって、すぐ武士精神とか武士道とかもちだすのに、負けたのにぐちゃぐちゃいったってしょうがないですよ。負けちゃったんですから。そこは潔く認めて。

ただ、いわれなき事実・根拠のない評価については言うべきところは言う。世界の当時の状況はどうだったのか、それも前面に持ちだしてね。当時植民地政策っていうものがあった。あったんだけれども、日本は戦争して負けてしまった。その中で損害と苦痛を与えてしまったことについてどう評価するのかとういうことは、真摯に考えなきゃいけないし、反省するところは反省しなければいけないと思いますね。

全文を読めば分かるように、橋下の発言は、全体的に右翼色はなく、むしろリベラルにさえ見えるところすらある。しかし、メディアは発言の全体を報道することはない。メディアが繰り返し集中的に報道したのは、「そりゃそうですよ、あれだけ銃弾の雨嵐のごとく飛び交う中で、命かけてそこを走っていくときに、そりゃ精神的に高ぶっている集団、やっぱりどこかで休息じゃないけども、そういうことをさせてあげようと思ったら、慰安婦制度ってのは必要なのは誰だってわかるわけです」の箇所である。これに関して、橋下は以下のように弁明している。

2013年05月18日 – Twilog (author) 橋下徹 さんが書きました:

新聞も僕の「必要」と言う言葉だけを取り上げるし、ほんの少しの前後の文章だけを取り上げるが、この「必要」と言う言葉は、戦争当時日本だけでなく世界各国の軍も女性を利用していた、ということを述べた後の言葉。僕が必要だと言ったわけではなく、当時の客観的状況を述べただけ。これは文脈で分かる

さらに、後には、次のように弁明している。

私の認識と見解 (date) 2013年5月27日 (media) 橋下徹 さんが書きました:

「戦時においては」「世界各国の軍が」女性を必要としていたのではないかと発言したところ、「私自身が」必要と考える、「私が」容認していると誤報されてしまいました。

しかし、「慰安婦制度ってのは必要なのは誰だってわかるわけです」において、「必要なのがわかる」の主語は、「誰だって」であるから、当時の日本をおよび世界各国の軍のみならず、話者である現在の橋下も含まれると解釈される。また「必要だったのは」ではなくて、「必要なのは」になっている点からしても、たんに当時の価値観を述べただけとは解釈しがたい。

以下の同日退庁時に行った発言では、このあいまいな点を明確化しようとしているように見えるが、不十分であり、それどころか、さらにもう一つの問題発言をする羽目となる。

<html><iframe src="//www.youtube.com/embed/MFLhFo-4xWk" width="auto">2013.5.13(月)市役所退庁時の囲み取材の様子 (media) 日本維新の会

この中から慰安婦関連の問答の部分だけを引用しよう。

橋下徹大阪市長「米軍の風俗業活用を」はいかなる文脈で発言されたのか (date) 2013年5月14日 (media) SYNODOS さんが書きました:

―― 朝の慰安婦の件についてなんですが、以前、元慰安婦の方が市役所に来られた時にお会いになられたことがあったと思うんですけど、5月25日、26日に公演があって、来日される、それでまた市長に面会を申し込んでいるとうかがっているんですが、それはお会いになるのでしょうか?

ええ、秘書部には調節するように指示しています。

―― それは前向きに会えれば会いたいということですか?

ええ、そうですね。まぁ、すべて、先方の方にも、もう中で何をしゃべってるかわからないような状況にはせずに、フルオープンでお話うかがわせてもらえるんであればっていう風に言ってますけどもね。

ただ、先方が顔を出したくないとか、しゃべっている内容を聞かれたくないということであれば、そこのご意見はうかがわなきゃいけないですけど。ただ、僕に会うというのは一定の政治的な主張をするためだと思いますから、それはフルオープンであればお会いさせていただこうと思ってますけれども、そうでなければ、僕自身が市長としてお会いする意味もあまりないと思いますんでね。僕の政治的な発言に対していろんな意見があるということで、面会依頼があるという風に思ってますから、そうであればフルオープンの中でしっかりとお互いに主張を出し合うというのは意味があるんじゃないでしょうかね。

―― 以前から元慰安婦の方に対して優しいお言葉をかけていかなきゃいけないとおっしゃっていますが、具体的にはどんなお話を? もしお会いになられたら……。

それは今ここで言っても、仕方がありませんから。その時に、お会いした時に話をします。

―― 優しい言葉をかけなきゃいけないとおっしゃっている一方で、今朝、各国の軍隊が当時制度として(慰安婦を)持っていた事実があって、当時の状況を考えると必要だったというような発言もあったと思いますが、今までにない踏み込んだ発言だったようにも感じたんですが……。

いや、そんなことなくて、ま、聞かれなかったから言わなかっただけで、当時の状況ではそういうことを活用していたのは事実ですから。当時の状況としては。ただ、それをよしとするかどうかというのは別でね。意に反してそういう職業に就かなければならない。「意に反して」ですよ。自らの意志でそういう職業に就いてる人も中にはいたでしょうしね。

現代社会にだって風俗業というのはしっかり職業としてあるわけですから。自らの意志でやった場合には、まぁ、それは自らの意志でしょうということになりますけど、意に反して、そうせざるをえなかったという人たちに対しては、これは配慮が必要だと思いますよ。

―― 「意に反して」ということでも必要ではあったということでしょうか? いい気はしないけれども、状況からして必要であったということですか?

いや、意に反した、意に即したかということは別で、慰安婦制度っていうのは必要だったということですよ。意に反するかどうかに関わらず。軍を維持するとか軍の規律を維持するためには、そういうことが、その当時は必要だったんでしょうね。

―― 今は違う?

今はそれは認められないでしょう。でも、慰安婦制度じゃなくても風俗業ってものは必要だと思いますよ。それは。だから、僕は沖縄の海兵隊、普天間に行った時に司令官の方に、もっと風俗業活用して欲しいって言ったんですよ。そしたら司令官はもう凍り付いたように苦笑いになってしまって、「米軍ではオフリミッツだ」と「禁止」っていう風に言っているっていうんですけどね、そんな建前みたいなこというからおかしくなるんですよと。

法律の範囲内で認められている中でね、いわゆるそういう性的なエネルギーを、ある意味合法的に解消できる場所ってのが日本にはあるわけですから。もっと真正面からそういうところ活用してもらわないと、海兵隊のあんな猛者のね、性的なエネルギーをきちんとコントロールできないじゃないですかと。建前論じゃなくてもっとそういうとこ活用してくださいよと言ったんですけどね。それは行くなという風に通達を出しているし、もうこれ以上この話はやめようっていうんで打ち切られましたけどね。だけど風俗業ありじゃないですか。これ認めているんですから、法律の範囲でね。

―― 活用していないから事件が起こると?

いやいや、それは因果関係は別です。でももっと、だから、そういうのは堂々と……。それは活用したから事件がおさまるという風な因果関係にあるようなものではないでしょうけど、でも、そういうのを真正面から認めないと、建前論ばかりでやってたらダメですよ。そりゃあ兵士なんてのは、日本の国民は一切そういうこと考えずに成長するもんですから、あんま日本国民考えたことないでしょうが、自分の命を落とすかもわかんないような、そんな極限の状況まで追い込まれるような、仕事というか任務なわけで。それをやっぱり、そういう面ではエネルギーはありあまっているわけですから、どっかで発散するとか、そういうことはしっかり考えないといけないんじゃないですか。それは建前論で、そういうものも全部ダメですよ、ダメですよって言っていたら、そんな建前論ばっかりでは、人間社会はまわりませんよ。

―― 午前中の従軍慰安婦の下りで、世界各国の軍は当時、大戦時、持っていたと……。

持っていたというより、活用していたと。

―― 活用していたということで、それは具体的にどこの国が持っていたと?

いやいや、持っていたではなく、活用していた。それはアメリカ軍だって活用していたでしょう。秦郁彦さんのあの本でも、詳細に書いてんじゃないですか。

―― 軍がそういう制度を活用していたのは厳然たる事実で、それは当時のアメリカ軍を指しての発言?

いや、朝鮮戦争の時もあったんじゃないですか? 沖縄の占領時代だってそういう商売というか、日本人が、日本人の女性が、そういうところに携わっていたのは事実じゃないですか。米軍の基地の周辺でね。だから、それは良いか悪いかは別で、そういうことがあったのは間違いないわけです。

だから、それは女性がね、意に反してそういうところで働かなきゃいけないとか、そういうところは考えなきゃいけないし、そうさせないように。それが戦争の悲劇の結果であれば、それは戦争責任の一環として、そういう女性達に対して配慮していかなければいけないんでしょうけれど。ただ、そういう仕事があったというのは事実です。そこまでは否定できません。

全世界でそういうことはある意味、当然のように考えて、もっと言えば歴史を紐解いたら、第二次世界大戦以前のね、野蛮な、まぁ、第二次世界大戦も野蛮ですけども、いろんな戦争で勝った側が負けた側をレイプするだのなんだのなんていうのは、そんな事実は戦争につきまとってあるわけじゃないですか。それはもう具体的な国名は出しませんけども。きちんと事実を裏付けて出そうと思ったら出せますけども、第二次世界大戦の中でも日本の軍以外でね、レイプだのなんだのってことがあったというのは事実として出てきているわけで。

そういうのをやっぱりおさえていくっていうためには一定の慰安婦みたいな制度っていうものが必要だったということも厳然たる事実だと思いますよ。そんな中で、なぜ日本がね、世界から非難されているのかっていうことをね、もっと日本国民は知っておかなければいけないわけでね。慰安婦制度を全部否定するとか、正当化するってのは、それはダメなわけですよ。それは戦争の悲劇の中で生まれたものだから、それはね、慰安婦の方に対してはしっかり配慮を持って接しなければいけないけれども。

一番の問題点は、世界から日本がどこを非難されているかといったら、政府が拉致して暴行脅迫で無理矢理そういう仕事に就けさせてね、レイプ国家だって言う風に言われているわけですよ、日本は。そこは、世界の認識からするとね、慰安婦制度はあったかもわからないけれども、国をあげてレイプをしたなんて国は、それはないよね、っていうので、欧米から批判をうけているわけで。そこは違いますよってことは言わないといけないんじゃないですかね。

ただ、日本の軍がね、または日本政府が国をあげてね、暴行脅迫拉致をしたという証拠が出てくれば、それはやっぱり日本国として反省しなければいけないけれど、そういう証拠がないって言う風に日本政府が閣議決定しているわけですからね。だから、今度、慰安婦の方が大阪市役所に来られた時にね、暴行脅迫うけたのか、拉致されたのかね、そのあたりについても、お話うかがわせてもらえるんだったら、うかがわせてもらいたいですけどね。

本当にそうだってことであるんだったら、日本政府の方にその証言とってもらってですね、なんだ拉致あるじゃないですかと、2007年の閣議決定の時と違うじゃないですかっていう話になってもこれは仕方ないと思いますしね。今は、いろんな論戦の中で、従軍慰安婦問題を否定している人たちって言うのは、暴行脅迫や拉致は絶対になかったって言っているわけですから、それはあるって話になれば、それは従軍慰安婦問題を真っ向から否定している人たちは論拠がなくなるわけですしね。まぁ、だから、どういう状況で、どういう経緯で慰安婦にならざるをえなかったのか、そういうお話をうかがわせてもらえるんであればお聞かせいただきたいという風に思ってますけども。

―― 先程の沖縄の司令官に風俗関係のお話をされたというのはこれはキャンプシュアブの。

普天間です。

―― 普天間の司令官。

ええ。

つまり、よしとするかどうか、慰安婦の意に反したか即したかということとは別に、慰安婦制度は、軍の規律を維持するためには、その当時は必要とされていたということなのだろうが、それなら初めから価値判断と紛らわしい「必要だ」という言い方ではなくて、たんに事実を表す「必要とされていた」といった表現を使うべきだったのだが、そうしなかったのは、普天間の司令官に風俗業の活用を薦めたことからもわかるように、今でも軍の規律を維持するためには、何らかの性的サービスが必要だという認識を持っているからだろう。

しかし、この発言が米国を怒らせることになる。これに対して、橋下は、次のように、風俗を売春と同一視する米国を批判している。

2013年05月14日 – Twilog (author) 橋下徹 さんが書きました:

アメリカの国防総省からも、アメリカ軍は買春を拒否するとコメントをもらった。買春なんて誰も言ってないでしょ。日本の法律で認められている風俗業は買春でないことくらい国防総省は知らないのかね。買春は日本でも認められていない。繰り返すが、日本には法律上認められている風俗業が存在する。

「風俗」とは、風営法では、客に遊興・飲食などをさせる営業の総称で、待合・料理店・ダンスホール・バー・パチンコ屋などを指すが、橋下の場合、「性的なエネルギーを、ある意味合法的に解消できる場所」と言っているのだから、明らかに性風俗のことを言っている。日本では、法律上売春は禁止されているが、橋下が顧問弁護士をしていた飛田新地のように、客と従業員との自由恋愛ということで放置して、実質的に売春に近いことをしているところもある。それでも、英語圏のメディアは「風俗」を「成人向け娯楽店(adult entertainment shops)」あるいは「合法的性産業(legal sex industry)」と訳しており、「売春(prostitution)」とは訳していないので、英語圏のメディアが誤解を広めたということはなさそうだが、米軍側は違法行為を推奨されたと受け取ったようだ。

結局、橋下は、以下のように述べて、風俗活用進言を撤回し、謝罪することになった。

私の認識と見解 (date) 2013年5月27日 (media) 橋下徹 さんが書きました:

私は、日本の外交において日米同盟を重視し、在日アメリカ軍の日本への貢献を大いに評価しています。しかし、人権を蹂躙され続ける沖縄県民の怒りは沸点に達しているのです。在日アメリカ軍兵士による犯罪被害に苦しむ沖縄の現状をアメリカに訴え、何としてでも改善してもらいたい、という強い思いを持っております。

アメリカ軍内部において性暴力が多発し、その統制がとれていないことが最近、アメリカで話題となっています。オバマ大統領もアメリカ軍の自己統制の弱さに相当な危機感を抱き、すぐに効果の出る策はないとしつつ、アメリカ軍に綱紀粛正を徹底するよう指示したとの報道がありました。

このような状況において、私は強い危機感から、在日アメリカ軍司令官に対して、あらゆる対応策の一つとして、「日本で法律上認められている風俗営業」を利用するということも考えるべきではないかと発言しました。すぐに効果の出る策はないとしても、それでも沖縄の現状を放置するわけにはいきません。私の強い危機感から、ありとあらゆる手段を使ってでも、一部の心無い在日アメリカ軍兵士をしっかりとコントロールして欲しい、そのような強い思いを述べる際、「日本で法律上認められている風俗営業」という言葉を使ってしまいました。この表現が翻訳されて、日本の法律で認められていない売春・買春を勧めたとの誤報につながりました。さらに合法であれば道徳的には問題がないというようにも誤解をされました。合法であっても、女性の尊厳を貶める可能性もあり、その点については予防しなければならないことはもちろんのことです。

今回の私の発言は、アメリカ軍のみならずアメリカ国民を侮辱することにも繋がる不適切な表現でしたので、この表現は撤回するとともにお詫び申し上げます。この謝罪をアメリカ軍とアメリカ国民の皆様が受け入れて下さいます事、そして日本とアメリカが今後とも強い信頼関係を築いていけることを願います。

「合法であれば道徳的には問題がないというようにも誤解をされました」とあるが、橋下は、以下のように合法的職業を賤業視することは差別だと言っていたのだから、誤解されていたとは言えない。

2013年05月14日 – Twilog (author) 橋下徹 さんが書きました:

僕は日本国において法律で認められた風俗業を否定することは、それこそ、自由意思でその業を選んだ女性に対する差別だと思う。米軍が、法律で認められた日本の風俗業を利用することは何ら問題はない。

橋下は、風俗発言の撤回と謝罪で、自分の発言を否定しすぎたのではないか。自分で「差別」と批判したことを自らするつもりなのか。

どうも橋下の発言を聞いていると、問題の本質がわかっていないのではないかという気がする。橋下は、売春は悪であり、慰安婦制度は公娼制度だから恥ずべきことだと思っているようだ。

2013年05月15日 – Twilog (author) 橋下徹 さんが書きました:

強制連行があろうとなかろうと慰安婦は容認できないのは明らかだ。二度と繰り返してはならない恥ずべきことだ。

これはおかしい。現在、オランダ、ドイツ、ハンガリー、タイでは売春が合法化されている(米国でもネバダ州が合法化している)が、これに対して合法化は「女性の尊厳を貶める」といった国際的非難が集中しているという話は聞かない(性奴隷が使われている場合は除く)。現在合法化している国ですらこうだから、日本が過去に売春を合法化していたからといって、それが国際的に非難されるということはない。もしも橋下の発言が「兵士による戦場でのレイプを防ぐためには公娼制度が必要だったことは誰にでもわかる」というものなら、国際的な騒動には発展しなかっただろう。これに対して、日本語の「慰安婦」は、海外では、「性奴隷(sex slave)」と訳される。そして、性奴隷制度が公娼制度(licensed prostitution)と異なって非難されるのは、女性が意に反して売春を強いられるからだ。

慰安婦問題は、戦争によって惹き起こされた悲劇と一般に認識されている。しかし、慰安婦問題の本質である性奴隷問題は、戦争とは無関係に平時から存在した。江戸時代、親が借金を返すために娘を吉原に売り払うということがよくあった。彼女たちも、自らの意志で売春婦になったのではないし、脱走しないように監禁されていたから、性奴隷問題は江戸時代から存在したということができる。こうした類の人身売買は、政府に取り締まる義務があるとしても、政府自体の犯罪ではないので、慰安婦が本人の意図に反して従業したとしても、日本政府並びに日本軍が直接女性に売春を強いない限り、日本政府の責任を直接問うことができない。

ところが、河野談話では、以下のように「官憲等が直接これに加担したこともあった」と政府による直接的関与を一部認めた。

慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話 平成5年8月4日 (media) 外務省 さんが書きました:

慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。

「官憲等が直接これに加担したこと」というのは、インドネシアで起きたスマラン事件(白馬事件)のことだったのだが、その後、韓国等がこの「加担」を拡大解釈して、世界で日本を非難する動きが広がっため、安倍第一次内閣は、2007年3月5日の参議院予算委員会で、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった」とする政府答弁書を閣議決定した。その結果、日本は河野談話を修正したとする非難を浴びる結果になり、安倍総理は、4月でのブッシュ大統領との会談で、慰安婦問題について謝罪する羽目となった。

高村正彦・自民党副総裁は、慰安婦発言で日本維新の会が火だるまになっている現状を指摘して、「もって他山の石としてもらいたい」と党役員連絡会で発言している。安倍総理も、過去の失敗を繰り返すまいとするだろうから、河野談話を修正することはないだろう。だが、日本政府の関与に関して曖昧なまま放置することは好ましくないし、日本以外の国での性奴隷問題に関しても、もっと事実が解明されるべきだ。韓国政府は、慰安婦問題では常に日本の被害者の立場を強調するが、日本から独立後、慰安婦制度を廃止するどころか、日本政府以上に 悪質な慰安婦の拉致を行っていた疑惑が浮上している。

従軍慰安婦の強制連行は、むしろ韓国軍の行為だった!? (date) 2013年5月27日 (media) ザ・リバティ さんが書きました:

日韓関係の大きな障害となっている「従軍慰安婦」問題が、旧日本軍の強制連行ではなく、歴史のねつ造であったことは、これまで本欄でも伝えてきた。その背景には、韓国政府などの公的な関与の可能性も見え隠れするが、なぜそのようなねつ造の必要性に迫られたのか。

この疑問を解く一つの材料として興味深い事実がある。それは今回の一連の慰安婦報道で、どのマスコミも取り上げない「韓国軍慰安婦」の存在だ。

韓国軍慰安婦とは、1945年から90年にかけて、韓国軍ならびに在韓米軍によって組織された慰安婦のことで、主に朝鮮戦争時に、北朝鮮の女性兵士や女性ゲリラの捕虜のほか、北朝鮮・中国側の協力者と判断されたり、逃げ遅れた朝鮮人女性が、まさに強制的な連行によって慰安婦にされた、と指摘されている問題である。

実は、この問題は2002年2月、韓国慶南大学の金貴玉・客員教授が訪日し、京都の立命館大学において開催された国際シンポジウムの席上で明らかにした、まぎれもない歴史上の事実である。金氏の発言は当時、朝日新聞が報道し、先日「原爆は神の懲罰」とした記事で話題になった韓国の中央日報でも紹介された。

金氏は当時、日本と韓国の慰安婦問題をいずれも「強制連行」と理解して同列に扱っていたようだ。しかし重要なのは、旧日本軍が民間業者を利用しており、誘拐などで女性を集めるような悪質業者を選ばないように配慮していたのに比べ、韓国のそれは、軍が女性兵士や捕虜を強制的に慰安婦にしていたという点で決定的に異なる。

改めて慰安婦問題を振り返ってみると、旧日本軍の問題がクローズアップされたのは1980年代。1990年まで存在した在韓米軍を巻き込む韓国軍の慰安婦の事実が、その後、国際社会で問題とされることを避けたいという心情もあって、それが明るみになる前に、韓国側は意識的に「旧日本軍による慰安婦の強制連行があった」という問題にすり替えた、という推測も成り立つわけだ。

今後、「旧日本軍による慰安婦の強制連行が、歴史のねつ造であった」ことが歴史的事実として確定していく過程で、実は「軍による慰安婦の強制連行の事実が存在していたのはむしろ韓国の方だった」ということが明確になっていけば、国際的な非難を受けるのは韓国側になるはずだ。

ザ・リバティは、「国際的な非難を受けるのは韓国側になるはずだ」と書いているが、「悪いのはどの国か」といった発想を捨てて、性奴隷を人類の問題としてとらえ、反省し、その防止策を考える視点が必要なのではないか。日本人がこういう発言をしても、「他の国もやっているから日本は悪くない」という言い訳に聞こえるので、なかなか受け入れられない。とはいえ、性奴隷問題は実際に世界各地に存在したし、今でも一部の国では深刻な問題として存在する。性奴隷問題を過去の日本の問題に限定しようとすることは、問題の矮小化につながる。過去を直視しなければならないのは敗戦国だけではない。橋下も最初の発言でそういうことが言いたかったのだろうが、ミスリーディングな表現を使ったために、うまく伝わらず、海外では、日本の政治家がまた問題発言をした後で、撤回し、謝罪したという程度の認知で終わってしまった。

米軍相手の韓国慰安婦
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2013年11月10日(日) 12:08.

米軍相手の韓国慰安婦が、韓国政府に対して損害賠償訴訟を準備しているそうだ。

‘기지촌 여성 관리’ 박정희 친필 서명 문건 공개 (date) 2013.11.06 (media) ハンギョレ さんが書きました:

6日、国会で開かれた女性家族委員会国政監査で、朴正熙元大統領の直筆サインがされた“基地村女性浄化対策”文書が公開された。当時、売春行為防止法によって厳格に禁止されていた性売買を国家が容認し管理したという証拠だが、女性部は実態把握もできていないことが明らかになった。 基地村被害女性は国家政策のために被害を被ったとし、国家を相手に損害賠償訴訟を準備していることが明らかになった。

6일 국회서 열린 여성가족위원회 국정감사에서 박정희 전 대통령의 친필 사인이 담긴 ‘기지촌 여성 정화대책’ 문건이 공개됐다. 당시 윤락행위방지법에 의해 엄격히 금지됐던 성매매를 국가에서 용인하고 관리했다는 증거이지만, 여성부는 실태파악도 되지 않은 것으로 드러났다. 기지촌 피해여성들은 국가정책 때문에 피해를 입었다며 국가를 상대로 한 손해배상 소송을 준비하고 있는 것으로 밝혀졌다.

ユ・スンヒ民主党議員が国家記録院から提出させ公開した“基地村女性浄化対策”は1977年4月に作成されたもので“政務2”で作成したことになっている。 ユ・スンヒ議員室は「当時、大統領府政務室で作成されたと推定される」と明らかにした。

유승희 민주당 의원이 국가기록원으로부터 제출받아 공개한 ‘기지촌 여성 정화대책’은 1977년 4월 작성된 것으로 ‘정무2’에서 작성한 것으로 돼 있다. 유승희 의원실은 “당시 청와대 정무실에서 작성된 것으로 추정된다”고 밝혔다.

政務室長の決裁を経て同年5月2日、朴正熙大統領が署名した文書は当時全国62ヶ所の基地村に9,935人の女性が生活していると把握していた。 文書は△性病退治△周辺整頓△生活用水△その他事項の4項目で対策案を用意した。 当時、基地村女性たちにとって問題であった性病対策と基地村区域再整理、きれいな水の供給などの内容を含んでいる。

정무실장의 결재를 거쳐 같은 해 5월2일 박정희 대통령이 서명한 문서는 당시 전국 62개소 기지촌에 9935명의 여성이 생활하고 있는 것으로 파악했다. 문서는 △성병퇴치 △주변정돈 △생활용수 △기타 사항의 4개 항목으로 대책안을 마련했다. 당시 기지촌 여성들에게 문제였던 성병 대책과 기지촌 구역 재정리, 깨끗한 물의 공급 등의 내용을 담고 있다.

その他事項で基地村女性たちに専用アパート供給計画を明らかにしていることが目につく。 ユ議員は「この計画は後に公娼論議に発展し、白紙化された」と説明した。 “韓国性売買政策に関する研究”で博士学位を受けたパク・ジョンミ漢陽大研究教授は「基地村女性を政府次元で管理したという文書の中で、大統領のサインがある文書は多くない。史料的意味がある」と話した。

기타 사항에서 기지촌 여성들에게 전용 아파트 공급 계획을 밝힌 것이 눈에 띈다. 유 의원은 “이 계획은 뒤에 공창 논란으로 번지며 백지화됐다”고 설명했다. ‘한국 성매매 정책에 관한 연구’로 박사학위를 받은 박정미 한양대 연구교수는 “기지촌 여성을 정부차원에서 관리했다는 문서 가운데 대통령 사인이 있는 문서는 흔치 않다. 사료적 의미가 있다”고 말했다.

だが、女性部はこのような基地村被害女性に対する実態調査要請を受けても調査さえしていないことが明らかになった。 ユ議員が「当時性病にかかった基地村女性は強制的に収容生活をさせられた。 事実上、国家が組織的に性売買を管理したわけだ」と指摘すると、チョ・ユンソン長官は「該当文書を初めて見る。 被害者支援の次元で文書が作成されたと見られる。 資料を見て全般的な考証作業を行う」と答えた。 これに対しユ議員は 「昨年キム・クムネ前長官に同じ質問をし、調査するという答弁を得た。 1年間何の調査もしなかったということか」と問い質した。

하지만, 여성부는 이러한 기지촌 피해 여성에 대한 실태조사 요청을 받고도 조사조차 하지 않고 있는 것으로 나타났다. 유 의원이 “당시 성병에 걸린 기지촌 여성은 강제로 수용생활을 했다. 사실상 국가가 조직적으로 성매매를 관리한 것이다”고 지적하자 조윤선 장관은 “해당 문건을 처음본다. 피해자 지원 차원에서 문건이 작성된 것으로 보인다. 자료를 보고 전반적인 고증작업을 하겠다”고 답변했다. 이에 유 의원은 “지난해 김금래 전 장관에게 같은 질의를 했고 조사를 하겠다는 답변을 받았다. 1년 동안 아무런 조사가 되지 않은 것이냐”고 따져 물었다.

議論が交わされるとキム・サンヒ委員長が直接立って、「昨年の国政監査でも状況を把握して政策を樹立しろと要求した。 進展がないようだ。 長官がこの部分と関連して報告もまともに受けておらず、把握も出来ていないことに問題がある」と指摘した。

논란이 오고가자 김상희 위원장이 직접 나서 “지난해 국감에서도 상황을 파악하고 정책을 수립하라고 요구했다. 진전이 없는 거 같다. 장관이 이 부분과 관련해 보고도 제대로 받지 못하고 파악도 안돼 있는데 문제가 있다”고 지적했다.

政府が傍観する中で基地村被害女性たちが国家を相手に損害賠償を請求する訴訟を起こすことにした。 この日、基地村被害女性の支援団体であるセウムト シン・ヨンスク代表は『ハンギョレ』との通話で「政府が米軍を相手に事実上慰安婦を運営したという証拠が続々とあらわれている。 はやい時期に被害事例と証拠を集めて民主社会のための弁護士会と共に被害を賠償せよとの集団訴訟を起こす計画だ」と明らかにした。

정부의 방관 속에 기지촌 피해 여성들이 국가를 상대로 손해배상을 청구하는 소송을 내기로 했다. 이날 기지촌 피해 여성 지원 단체인 새움터 신영숙 대표는 <한겨레>와 통화에서 “정부가 미군을 상대로 사실상 위안부를 운영했다는 증거들이 속속 드러나고 있다. 빠른 시일 내에 피해 사례와 증거들을 모아 민주사회를 위한 변호사 모임과 함께 피해를 배상하라는 집단 소송을 낼 계획이다”고 밝혔다.

朴正熙元大統領の直筆サインがあるという点では珍しい資料かもしれないが、内容は、国家が組織的に性売買を管理したことを直接証拠立てるものではない。性病が蔓延しているなら、たとえその原因が売春という違法行為であったとしても、政府としては何らかの対策を取らなければならないし、性病にかかった基地村女性を必要な範囲で隔離しようとしたことも公衆衛生上正当化されるだろう。全斗煥が引き継いだ基地村女性浄化対策は、監禁や薬物治療といった荒っぽいもので、死者まで出たから、その手法が妥当だったかどうかは議論のあるところだ。

もちろん、この資料は直接の証拠にはならないものの、セウムトシン・ヨンスク代表が言及しているように、韓国政府が慰安婦提供にかかわったことを示す証拠は他にいくらでもある。日本では戦後になるまで売春が制限付きで合法であったのに対して、韓国では当時は売春が違法であり、また日本では慰安所が民営であったのに対して、韓国では国家が直接関わっていた。この点では、韓国の慰安婦制度の方が日本の慰安婦制度よりも悪質なのだが、前回述べたように、どっちがより悪いかといった議論をしても「目糞鼻糞を笑う」にしかならないので、そうしたことは日本は自重するべきだ。橋下徹が言うように、性行為の強要は、人類の問題として認識されるべきなのである。

橋下徹(@t_ishin)/2013年07月27日 – Twilog (author) 橋下徹 さんが書きました:

アメリカが人権の視点から慰安婦像の設置をするのであれば、日本の問題だけとするな。世界各国も戦場において女性を性の対象として利用していた。アメリカもだ。世界各国が行った女性の人権蹂躙行為の戒めとしての慰安婦像なら賛成だ。

時事通信社の解釈
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2013年11月11日(月) 10:49.

「韓国もやっていた」=慰安婦問題で維新・橋下氏 (date) 2013/11/10 (media) 時事ドットコム さんが書きました:

日本維新の会の橋下徹共同代表は10日のフジテレビ番組で、従軍慰安婦問題に関し「韓国が謝罪を求めてきても、(日本側は)『あなたたちもやっていたようなことでもあるから、あなたたちも反省し、われわれも反省する』というスタンスで臨めばいい」と述べた。

橋下氏の発言は、朝鮮戦争やベトナム戦争当時の韓国兵による性暴力があったことなどを指しているとみられる。

番組で橋下氏は、「(旧日本軍の)慰安婦問題を正当化するつもりはない」とした上で、「世界各国でも戦場の性の問題があった」と持論を展開。「慰安婦問題で何でもかんでも(日本が)謝ってきたから、日韓関係がこじれてきた」とも述べた。

橋下氏はこの後、大阪市内で記者団に対し、慰安婦問題への旧日本軍の関与を認めた「河野談話」について「証拠が裏付けられていない」と改めて指摘。党として談話を検証する意向を示した。

また、歴史問題を理由に韓国側が日本との首脳会談に応じない現状に関し、「慰安婦問題とは何なのかを日本全体で考え直す、いい状況になっている」と皮肉った。

「橋下氏の発言は、朝鮮戦争やベトナム戦争当時の韓国兵による性暴力があったことなどを指しているとみられる」という時事通信社の解釈はおかしい。韓国は、朝鮮戦争の時には公的な慰安所を設立したが、ベトナム戦争の時には、米国の反対もあり、作らず、このため韓国軍兵士による強姦が頻発したことは周知の事実である。旧日本軍が慰安所でのサービスを利用したことを白馬事件のような監禁・強姦事件と混同するべきではないのと同様に、韓国軍による朝鮮戦争での慰安所の設立とベトナム戦争で大規模に行われた強姦とを混同するべきではない。

3. 付録(2)橋下徹は、復活できるのか?

以下の議論は、システム論フォーラムの「橋下徹は、復活できるのか?」からの転載です。

橋下徹は、復活できるのか?
投稿者:ghostbusters.投稿日時:2013年6月02日(日) 16:05.

日本の市長の発言が、これほど「増幅」されることに正直驚いている。橋下の発言の内容や釈明は、この際無視する。問題は、彼の発言を、アメリカ政府が取り上げ「非難」したことである。これは、アメリカが安倍の国家主義的傾向にクサビを打つべく時期と手段を見計らっていたことを示している。安倍の外交は、アメリカの軍事的な後ろ盾なしには成立しない。にもかかわらず、安倍は「独自外交」を展開しようとしているように、アメリカには見えているのだ。これは、アメリカの国益に必ずしも一致しないどころか、反するのだ。
あからさまな内政干渉はできないので、改憲がらみで自民の連立候補の「維新」あたりの発言にずっと注目していたのだろう。そこに橋下の「発言」が飛び込んできた。なんとアメリカにとって、都合のよい発言だろう。ハシモト、アリガトウ!である。日米韓3カ国の防衛相会談が1日にシンガポールで行われた。もちろん、アメリカのリーダーシップが発揮されたのだろう。外交はアメリカに任して、安倍は景気回復に専念した方がよさそうだと考えているのだろう。結局、維新を切ることになる。みんなとの選挙協力も解消され、維新はすでに崩壊しつつあるようにみえる。時期参院選では、維新に期待した浮動票はどこへ流れていくのだろう?橋下の復活はない!

オウンゴール外交花盛り!
投稿者:ghostbusters.投稿日時:2013年6月03日(月) 08:45.

北朝鮮のミサイルや核の脅し、日本の国家主義、中国の軍事的な拡張の共通点は、周辺の国からの警戒を強め包囲網の形成を促すことにある。国内政治での成功体験を国際的にも延長しようとする誘惑がその原因ではないかと思う。水の中に石を放り込んで水を蹴散らそうとしているのだ。水が少ないうちは、それも有効だろうが、海に向かって、大きい石をなげてみたところで、その石以上の「水」が押し寄せてきて石はあえなく海の底。安倍が橋下を切り、経済に専念する。中国がTPPへの参加を検討する。北朝鮮が六カ国協議への復帰の可能性が出てきた。アメリカ外交の勝利ではないか!安部には、外交は流体力学であるという基本的な認識が欠如しているのではないか?軍事的あるいは領土的な緊張を適度にコントロールする技術の差が、日本がアメリカに対して地の利があるにも関わらず「アジアでの覇権」を握れない理由のようだ。今回の橋下発言に対するアメリカの「介入」は、実に流体力学的であったと思う。もっとも、私も流体力学って流体を扱う科学と言う以外に何も知らないのではあるが

維新の支持者はどこに流れるか
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2013年6月04日(火) 13:19.

ghostbusters さんが書きました:

日本の市長の発言が、これほど「増幅」されることに正直驚いている。

橋下はたんなる市長ではなくて、有力政党の共同代表であり、マスコミの寵児であり、その名前は海外にまで知れ渡っていたのだから、大騒ぎになるのは当然でしょう。

ghostbusters さんが書きました:

橋下の発言の内容や釈明は、この際無視する。問題は、彼の発言を、アメリカ政府が取り上げ「非難」したことである。

橋下の今回の件に関する私の意見は、“橋下徹の「慰安婦」「風俗」発言”にまとめておきましたので、ご覧下さい。

ghostbusters さんが書きました:

参院選では、維新に期待した浮動票はどこへ流れていくのだろう?

夏の参院選の前哨戦とされる東京都議会議員選挙に対する自民党の極秘調査によると、橋下の「慰安婦」「風俗」発言の影響で日本維新の会の支持率は激減し、この党から現職3人を含む35人が立候補する(2013年4月現在)にもかかわらず、1-2議席に留まるとのことです。

自民党、極秘世論調査 都議選維新は1、2議席… 自民は圧勝 (date) 2013年5月31日 (media) ZAKZAK さんが書きました:

調査時期は、橋下氏が慰安婦・風俗業発言をした直後の5月18日、19日だけに、自民党選対幹部は「橋下発言が原因なのは明らか」という。

都議選に出馬する維新の男性候補は「橋下発言の後、『お前も風俗行ってるのか』などと罵声がすごく、しばらく駅頭での街頭演説を控えた。いまは再開したが、ビラはほとんど受け取ってもらえない。橋下代表は風俗業発言は謝罪・撤回したが、翌日は『謝ってすむ話か』『あっさり撤回するな』と双方から批判された。要は信頼が失われたということ」と語る。

では、維新が票を減らす結果、どの党が最も伸びるかといえば、意外にも共産党で、現議席の倍の16議席を獲得すると見込まれています。この他、民主党も、一時期、現有議席の23議席から一桁に落ち込むとみられていましたが、20議席を超えそうです。維新と協力関係にあったみんなの党は、受け皿にはなっておらず、1議席を確保するだけという予想となっています。みんなの党は、維新との協力関係を解消し、右翼色がないことを懸命にアピールしていますが、有権者は、中途半端なところは飛ばして、極端から極端へと投票先を変えているということでしょう。

肝心の参議院選挙ですが、共同通信が6月1-2日に実施した、最新の世論調査によると、政党支持率は自民党が48.1%、民主党が7.0%、公明党が5.2%、日本維新が4.2%、みんなの党が3.6%、共産党が2.0%で、参院選の比例投票先では、自民党が前回から0.2ポイント増の44.6%、民主党が1.1ポイント増の7.9%、公明党が2.0ポイント増の6.4%、日本維新は1.2ポイント減の4.5%で、公明党に抜かれ、順位を四位に下げたとのことです。さすがに中央政界で共産党が躍進することはないでしょうが、自民党が全選挙区で圧勝し、民主党が複数選挙区で議席を守り、維新とみんなは伸び悩むということが予想されます。ただ、選挙までまだ1か月以上あるし、株価が低迷すれば、自民党の支持率も下がるかもしれません。

橋下、レッドカード!安倍、イエローカード一枚!
投稿者:ghostbusters.投稿日時:2013年6月04日(火) 22:59.

永井氏の橋下発言の詳細な分析を読ませてもらいました。今回アメリカが利用した部分の前後関係がよくわかりました。今回は、アメリカとしては、日本が中国や韓国と「歴史認識」や「領土」でもめて、下手すると巻き込まれてしまうというのは、避けたかったのだと思う。安倍の国家主義的野心に巻き込まれ、アメリカが中国と軍事的衝突といったとばっちりを喰うのは確かに全く損な話だ。この安倍の国家主義的野心を挫くために狙われたのが、新しい自民の連立候補の「維新」ということだろう。
ところが、橋下は、「これは第三国がね、まあアメリカや連合国の方が、また、まあアメリカもそりゃ損害はあったんでしょうけど、それでも第三者的な立場の国がね、「もういいんじゃないの」っていうのは、まあそれはいいんでしょうけど。当事者である日本サイドの方が「もう60年経ったんだから、70年経ったんだから、もうちゃらだよ」っていうのは、これは違うと思いますね。」と発言している。
非常にナイーブな意見だと思う。アメリカが中立的な審判であるはずもない。橋下は、抗議むなしく直ちにレッドカードを切られ、退場させられた。
なんの得にもならない損な役割をアメリカが引き受けるわけがない。それよりは、日本は基本的には相変わらずファシズムの国でアメリカのような民主主義の国ではないんだよ。だから、ことあるごとに中国や韓国と未だにもめているということにして、日本をけん制すると同時に戦勝国同士として韓国、中国に肩入れしてみせている。日米同盟にも限界があることを内外にアピールする。こうすれば、外交の主導権を握れる。
安倍はあわてて橋下を切らざるを得なくなった。橋下を切らなければ、日米同盟が、蜃気楼のようなものだと底が割れてしまう。中国包囲網どころか、日本の孤立が浮き立つ。安倍の自慢するアメリカとの太いパイプもかなり細いことがばれる。ま、安倍はイエローカード一枚といったところだろう。国家主義が国益を損なうということか!!

橋下がオスプレイの訓練の一部を八尾空港で受け入れることを提案
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2013年6月05日(水) 13:48.

橋下が沖縄に配備されている米軍新型輸送機「オスプレイ」の訓練の一部を、大阪・八尾空港で受け入れることを、6日に予定している菅官房長官との会談で提案するらしい。

橋下市長「オスプレイ大阪受け入れ」巻き返し焦って思いつき!押しつけられる地元猛反発 (date) 2013年6月4日 (media) J-CAST さんが書きました:

この提案について、突然、名前を挙げられた八尾市の田中誠大市長は「市民の安全を最優先にしたい」と反対を表明した。それはそうだろう。橋下は隣の市の名前を市長でもないのに勝手にあげたのだ。コメンテーターの潟永秀一郎(「サンデー毎日」編集長)は「橋下さんがどういう意図でおっしゃっているのかよく見えませんが、今の流れでこれが出てくると、失地回復でおっしゃっているのかなとおもいますね」と冷ややかだ。

司会のみのもんたも「安全を最優先したいのは沖縄の人たちと同じ。ただ、(橋下発言は)素直に受け入れられないところはある」

杉尾秀哉(TBSテレビ報道局解説室長)は「地元に根回しをまったくせずにぶち上げたわけで、手続きも動機も問題になるでしょうね」と切り捨てた。

参院選が迫り焦りを感じているのだろうが、この程度の思いつきでは失地回復策はますます遠のくだけだろう。

沖縄など基地がある地域で支持を得て、参院選を有利に戦いたいという思いもあるかもしれませんが、それよりも、訪米を拒否されるなど、米国との関係が悪化する中、対米関係を改善したいという思いがあるのでしょう。

橋下徹は国政から引退なのか
投稿者:永井俊哉.投稿日時:2013年7月26日(金) 10:09.

日本維新の会は、東京都議選で惨敗(3議席→2議席)となり、参議院選挙でも議席が伸び悩んだ(2議席→8議席)ことから、橋下共同代表は国政から身を引く意向を示している。

橋下氏、野党再編は主導せず「自分は国会議員じゃない」 (date) 2013年7月24日 (media) 朝日新聞 さんが書きました:

日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は24日、「早く新しい野党ができることを期待している。国会議員の皆さんにやってもらったらいい。新しい政党になったときに僕らが執行部になることはありえない」と、将来的な野党再編に主導的な役割を果たす考えがない、と述べた。市役所で記者団に語った。

橋下氏は「自民党に対抗する勢力をつくらなきゃいけない。主導権争いをやるとまとまるものもまとまらない」と野党再編の必要性を改めて強調。新党について「(自分は)参加できないでしょ。国会議員じゃない」と述べた。

橋下氏はこれまで、大阪市長と大阪府知事が国政政党の代表と幹事長を務めていることについて「これが新しい政治のスタイル。政党自体が中央集権では中央集権打破なんかできない」とアピールしてきた。だが24日は「新しい野党はそういうスタイルにはならないだろう。国民が支持しなかったのだから」と述べた。

まるで民主党結党時における細川護熙のような役割を果たそうとしているかのようである。橋下のこの発言は、「橋下市長が党代表でありながら、国会議員でないことは重大な問題をはらんでいる。国を変えるためには、大阪市役所からでは限界がある」という渡辺善美の発言を意識したものかもしれないが、橋下は、日本維新の会とみんなの党をそのまま合併させるつもりはないようだ。渡辺は江田憲司幹事長が21日に松野頼久(日本維新の会国会議員団幹事長)や細野豪志(民主党幹事長)と会談したことに不快感を示しており、新党は、維新、みんな、民主の各党を離党する一部の議員で結成される可能性がある。しかし、それだと、自民党に対抗する野党を作るはずが、かえって野党の分断と弱小化を進めることにならないだろうか。

4. 参照情報

関連著作
注釈一覧
  1. ここでの議論は、システム論フォーラムの「橋下徹は自由主義者か国家主義者か」からの転載です。
  2. Ogiyoshisan. “日本維新の会共同代表・大阪市長橋下徹(2013年7月13日・一部)" Licensed under CC-BY
  3. 橋下知事「公立中学校給食246億円、私立高校無償化110億円」 (date) 2011年 (media) YouTube
  4. 橋下最大の盟友 松井一郎大阪府知事 裏口入学を告発する! (media) 週刊文春2012年5月24日号