熱塩海洋循環の停滞は何をもたらすのか
地球温暖化によって、将来、熱塩海洋循環が停滞ないし停止するのではないかと言われている。熱塩海洋循環が停滞すると、何が起きるのか。たんにヨーロッパが寒くなるだけなのか。ヤンガー・ドリアス・イベントの影響を参考に考えて見たい。
目次
1. 熱塩海洋循環とは何か
熱塩海洋循環(Thermohaline Ocean Circulation)とは、海洋における熱と塩分の差異によって駆動される地球規模の海流である。1980年代に、ブロッカー(Wallace Smith Broecker)によって発見された。ブロッカーは、この循環を次のように描いている。
図2は、北大西洋で沈んだ海洋が、インド洋と北太平洋で浮上することを示している。この図は、しかしながら、単純化しすぎている。現在では、沈み込みの地点が他にもあることが確認されている。以下の 図3の方が、もっと精確である。
図3では、沈み込みの地点として、L(ラブラドル海)、G(グリーンランド海)、W(ウェッデル海)、R(ロス海)の4箇所が、オレンジ色の丸印で記されている。これらを転換点として、赤色の表層海流は、青色の深層海流、あるいは紫色の海底海流へと折り返され、ACC(南極周極流 Antarctic Circumpolar Current)を形成した後、インド洋、太平洋、大西洋で表層へと湧昇することが、この図から読み取れる(海流の経路や湧昇地点に関しては異説もある)。
熱塩海洋循環は、風力で駆動される風成海洋循環と、動力因という点で概念的に区別されるべきではあるが、実体としては不可分の関係にあり、両者は、まとめて海洋大循環と呼ばれている。図3では、風成海洋循環による湧昇地点は黒丸で、熱塩海洋循環と風成海洋循環の両者による湧昇地点は赤丸で記されている。
熱塩海洋循環は「海洋における熱と塩分の差異によって駆動される」と書いたが、これについてもう少し詳しく説明しよう。北大西洋や南極での海水の氷結は、氷自体は純水であるから、塩分を排出し、海水の塩分濃度を高め、その結果、海水の凝固点が降下する。極地の気温は、きわめて低いので、海水は液体のまま、どんどん水温を下げていく。塩分濃度が高くなって、温度が低くなることで、表層海水は、深層海水よりも密度が高くなり、海底に沈み込む。そしてこの沈み込みが、熱塩海洋循環の動力因となっている。
英語版ウィキペディアは、沈み込みのメカニズムを以下のように説明している。
深い海盆に沈み込む高密度の水塊は、北大西洋や南洋の、きわめて特定の地域で形成される。これらの極地では、海洋の表層海水は、風によって激しく冷やされる。水上を吹く風は、大規模な蒸発をも引き起こし、蒸発冷却と呼ばれる温度低下をもたらす。蒸発は、純水の分子のみを取り除くので、取り残された塩分を増加させ、かくして、水塊の密度の上昇を帰結する。[3]
なるほど、表層水は、深層水とは異なり、蒸発するので、気化熱を奪われることで、深層水に対して温度が低下するということは考えられる。また、蒸発した水が、別の地域で雨や雪となって降るのであれば、それは、塩分濃度の上昇をもたらすであろう。しかしながら、本当に蒸発で沈み込みを説明できるのだろうか。
図3は、塩分濃度が高い海域を緑色で、低い海域を濃い水色で示している。緑色の海域は、降雨量が少なくて、陸地では砂漠が多い中緯度高圧帯付近に見られる。反対に降雨量が多い海域では、濃い水色になっている。沈み込みが起きている地点は、広域的には、塩分濃度が低い。ここから、蒸発による海水温度の低下と塩分濃度の上昇だけでは沈み込みが起きないということがわかる。沈み込みが起きるための第一の条件は、永久氷床が近くにあって、気温が著しく低いことではないのか。さらに、氷床が湾状に窪んでいる所で沈み込む傾向があると言えそうだ。四つの沈み込み地点は、南極大陸の二つの大きな湾であるウェッデル海とロス海、突き出た永久氷床であるグリーンランドの両脇である。
2. 現在、熱塩海洋循環は弱まりつつあるのか
熱塩海洋循環は、地球温暖化との関係で近年注目されている。すなわち、地球温暖化が、極地の氷の溶融による塩分濃度の低下と水温上昇をもたらし、その結果、海水の密度が低下して、沈み込みが停滞ないし停止するのではないかという懸念がもたれている。
2005年に、Harry L. Bryden ら、イギリスの国立海洋学センターの研究グループは、2004年の北大西洋の熱塩海洋循環が、1957年と比べて、30%も速さを落としていると発表した[4]。しかしながら、現在すでに熱塩海洋循環に異常が見られると主張している科学者は少数派である。多くの科学者は、その異変を自然の変異ないし測定誤差の範囲内とみなしている。
地球温暖化で、北極海やグリーンランド周辺の氷が解けていることは事実なのに、なぜ北大西洋の熱塩海洋循環の勢いは衰えないのか。
メキシコ湾流が、本来、風力で駆動される海流で、亜熱帯環流の一部を形成しているということに留意するべきである。熱塩循環は、北大西洋深層水の南方へ下る水量を補填するのに必要な水量で概算すると、メキシコ湾流のたった20%程度にしか貢献していない。[5]
水温と塩分濃度の差異によって駆動される熱塩海洋循環は、風力で駆動される風成海洋循環と不可分の関係にあり、後者の駆動力が全体の大部分を占める以上、多少、水温と塩分濃度の差異が縮小しても、風力が衰えないうちは、海洋大循環全体にはあまり影響を与えないと考えることができる。
このため、大西洋における海洋大循環を指す言葉として、熱塩海洋循環という原因を特定した名称に代って、子午面循環(Meridional Overturning Circulation)というような地理的特徴に因んだ名称が使われる傾向がある。地球温暖化に対して悲観的な予測を行っているIPCCの第四次報告書も、子午面循環がすぐに停止するとは予測していない。
気候モデルの結果に基づくならば、北大西洋の子午面循環(MOC)が、21世紀中に大規模で急激な変動を被ることは、極めてありそうにない。[6]
では、地球温暖化によって、熱塩海洋循環が停滞ないしは停止するというのは全くの杞憂かといえば、そうではない。なぜならば、急激な温暖化によって、熱塩海洋循環が停止もしくは著しく停滞したことが過去にあるからである。
3. ヤンガー・ドリアス期に何が起きたのか
熱塩海洋循環は、1万3千年前ごろのヤンガー・ドリアス(Younger Dryas ヤンガー・ドライアスとも言う)期に停止もしくは著しく停滞したと考えられている。ヤンガー・ドリアス期に先立つアレレード期の温暖化は、当時北米を覆っていたローレンタイド氷床を融かし、広大なアガシー湖を形成した。その融氷水は、当初、ミシシッピー川を経てメキシコ湾に流れていたが、東側にあったマルキュティ氷河がなくなったために、セントローレンス川を経て、北大西洋に流れた。その結果、北大西洋の塩分濃度が大幅に薄まり、熱塩海洋循環の動きが止まったというわけである。
熱塩海洋循環が停止すると何が起きるかを知るには、ヤンガー・ドリアス期に何が起きたかを知らなければならない。ヤンガー・ドリアス期の最もよく知られた変動は、気温の急激な低下である。特にメキシコ湾流の流れが止まった結果、北大西洋地域が寒冷化した。
図4には、A~Dの四つの曲線が描かれている。Aは南極、Bはグリーンランドから採掘したアイスコアの酸素同位体比のグラフである。Cはグリーンランドにおける大気中のメタン濃度、Dは南極における大気の二酸化炭素濃度のグラフである。BとCには、YDと記された、急激な寒冷化の時期を見て取ることができるが、AとDには、それが見当たらない。ここから、寒冷化は、南極にまで及んでいなかったと判断することができる。
モデルによると、もしも熱塩循環が停止すると、海洋における赤道を越えた熱輸送が減るので、北半球は寒冷化し、南半球は温暖化する。この両半球における熱分断をもたらす変化は、気温上の熱帯を、したがって、熱帯収束帯とそれに結びついた熱帯雨林地帯をより南へと移動させる。[8]
熱塩海洋循環の運動が停滞すると、北大西洋は寒冷化するが、南大西洋は温暖化する。これは、北大西洋ではメキシコ湾流による熱の供給が減るのに対して、南大西洋では、インド洋から南極近海に供給される熱が北大西洋に運ばれなくなって、滞留するためと考えられている[9]。熱塩海洋循環の運動が再開すると逆の現象が起きる。この現象は、南北両極シーソー(bipolar see-saw)と呼ばれている。
4. 熱塩海洋循環は気温を安定化させるか
熱塩海洋循環の効用を、北大西洋を温暖にすることよりも、地球全体の気温の安定化に求める人もいる。実際、図3のBのグラフを見ると、熱塩海洋循環が復活した後の、1万年前以降の気温が、異常に安定していることがわかる。だから、例えば、NHKは、『NHKスペシャル「海」第4集~深層海流/二千年の大航海~』という番組で、熱塩循環(深層海流)による熱の分配のおかげで、現在の間氷期の気候は安定しているという説明をしていた。
過去の気候を知る重要な手がかりが、グリーンランドの氷床を打ち抜いた、ボーリングコアの試料から得られています。そこには氷期の激しい気候変動や、ヤンガードライアス期と呼ばれる約13000年前の寒冷期の記録が閉じこめられていました。
融解し、縮小する大陸氷床が残した大量の淡水が、密度が低いために北大西洋の深層への沈み込み口を覆い、そのために深層循環が停止し、北米やヨーロッパでは氷期に逆戻りしたような気候を一時的に経験したと考えられています。
最終氷期が終わってから、過去約1万年の間、全体として地球は温暖な環境を維持してきました。深層海流の流れは、安定した気候条件を維持するために、きわめて重要な役割を果たしていたのです。[10]
しかし、これと、ボーリングコアの試料の分析結果を十分に説明できていない。もしも熱塩海洋循環の停滞でヤンガー・ドリアス・イベントが起き、熱塩循環の回復で気候が安定するようになったとするならば、ヤンガー・ドリアス・イベントが起きる前は、それ以降と同様、安定した気候が続いたはずなのに、グラフを見ればわかるように、全然そうではない。図4には、3.5万年前までの記録しかないが、過去においては、氷期のみならず、間氷期においても、気候は安定していない。
熱塩海洋循環は、ヤンガー・ドリアス・イベントの終了によって初めてできたのではなく、それ以前から存在していた。現在のような形が形成されたのは、460-250万年前、南北アメリカ大陸が接近・合体した時で、これにより、それまでカリブ海から太平洋に流れ出ていた海流が行き場を失い、メキシコ湾流に沿って北大西洋沖まで運ばれるようになった。メキシコ湾流の強化により、北大西洋での水の蒸発が増え、降雪量も増え、北大西洋での氷河の形成をもたらした[11]。460-250万年前は、現在に続く氷河期が始まった時期と重なっている。氷河期の開始とともに熱塩循環が強化されたとするならば、なぜ過去の氷河期の気温が、氷期においても間氷期においても不安定だったのか、NHK の説明ではわからなくなる。
もう一度図4を見てみよう。確かにグラフBを見る限り、過去1万年間の気温は安定していたと言うことができる。しかし、グラフ A や D を見ると、必ずしもそうとは言えないことがわかる。過去1万年間の気候が本当に安定していたかどうかは、まだ十分に実証されていないし、また、もしも本当に安定していたとしても、熱塩海洋循環がその主要な原因であるとは言えない。
5. なぜヤンガー・ドリアス期に農業が始まったのか
人類が始めて農業を始めた時期は、ヤンガー・ドリアス期と重なっていることから、ヤンガー・ドリアス・イベントが農業開始の原因ではないかとする説が有力である。現在わかっている最古の農耕遺跡は、シリアのアブ・フレイラ遺跡である。Gordon Hillman らは、アブ・フレイラ遺跡に関して次のように報告している。
アブ・フレイラからの新しい証拠は、穀物の組織的な栽培は、事実上、更新世が終わるかなり前から、少なくとも13000年前には始まっていて、ライ麦は最初期の穀物だったことを示唆している。また、この証拠から、アブ・フレイラの狩猟採集者は、少なくとも4世紀にわたって主食としていた野生種植物の急速な減少に反応して穀物の栽培を最初に始めたことがわかる。これらの野生の主要食料の減少の原因は、「ヤンガー・ドリアス」に相当する、寒くて乾燥した気候への急激な逆戻りに求めることができる。アブ・フレイラでは、それゆえ、住民が高カロリーの主食を栽培し始めたきっかけは気候変動のようである。[12]
ヤンガー・ドリアス・イベントは、北大西洋地域に、寒冷化のみならず、乾燥化をももたらす。メキシコ湾流は、日本海流(黒潮)とともに、世界最大規模の暖流であり、熱帯付近の膨大な量の熱をヨーロッパ方面に運ぶと同時に、この海域の降雨量を増やすことに貢献している。メキシコ湾流が弱まると、大西洋の湾流に沿った海域で雨が降らなくなる可能性があることが、地球シミュレータの再現実験によってわかっている。だから、メキシコ暖流が停滞したヤンガー・ドリアス期に、乾燥化が起きたことは、理解できることである。
中近東も、ヤンガー・ドリアス期に乾燥したことが知られている。寒くて乾燥した気候になれば、野生の主要食料は減少する。しかし、寒くて乾燥したから農業が始まったとするならば、なぜ、氷期の最盛期に農業が始まらなかったのだろうか。最終氷期の最盛期は、ヤンガー・ドリアス期と同じかそれ以上に寒くなり、乾燥したのである。農業開始の原因として、寒冷化と乾燥化以外の要因を見出さなければならない。
最終氷期の最盛期とヤンガー・ドリアス期の大きな違いは、熱塩海洋循環が健全であったか否かにあり、その違いがもたらす別の効果に着目しよう。熱塩海洋循環は、熱だけでなく、栄養分(特にリン)を循環させている。地上に存在する栄養分は、雨によって洗い出され、海に流出し、その一部は生物によって摂取されるが、最終的には、海底に蓄積する。そのままであれば、陸上、さらには表層水中の生物は、栄養分が不足して死に絶え、地球は死の世界となるのだが、熱塩海洋循環は、海底に溜まった栄養分を表層水へと湧昇させ、それをプランクトン、さらには魚などが摂取し、それをさらに鳥や人間が食べることで、栄養塩は陸上へと還元される。熱塩海洋循環が停滞すると、この栄養分の循環が停滞するのだから、地上を含めた地球全体の食糧生産が危機に直面することになる。この食糧危機を克服するべく、人類は農業を始めたと考えることができる。
図2 を見てもわかるように、海洋大循環の湧昇地点は、世界各地に散在する。ヤンガー・ドリアス・イベントによる寒冷化と乾燥化が、北大西洋とその周辺に限定されるローカルな現象だったとしても、栄養分の循環が停滞することによる食糧危機は、西南アジアを含めたもっと広範囲の地域に影響を与えたと推測することができる。将来、地球温暖化によって、海洋大循環が停滞するならば、同じ現象が見られることだろう。
6. 追記:氷期の最盛期に行われていた農業
「寒くて乾燥したから農業が始まったとするならば、なぜ、氷期の最盛期に農業が始まらなかったのだろうか」と書いたが、その後、「人類はなぜ農業を始めたのか」の追記でも書いたとおり、最終氷期最盛期中の約2万3千年前に、イスラエル北部のガラリア湖南岸周辺に位置するオハローII 遺跡で、試行的な農作物の栽培が行われていたことが判明した。但し、この試行的な農耕は、その後放棄され、ヤンガー・ドリアス寒冷期の本格的な農業との間には断絶がある。寒冷化と農業の関係に関しては、「人類はなぜ農業を始めたのか」を参照されたい。
本稿では、通説に従って、熱塩海洋循環の遮断でヤンガー・ドリアス・イベントを説明したが、2007年に、ファイヤーストーンなどの研究グループが、その原因を彗星あるいは隕石の大気圏への突入に求める論文[13]を発表した。この研究グループは、カナダ、グリーンランド、北米、ヨーロッパ大陸に広がる地域のヤンガー・ドリアス境界層から小さなダイヤモンド(ナノダイヤモンド)を含むガラスのような炭素の小球体を多数採取し、その成分や磁性を分析した結果、これは彗星か隕石かが大気圏に突入し、爆発した結果生じたものだという結論に達した。研究グループは、同じ時期に北米で巨大哺乳類の多くが絶滅し、北米の石器文化であるクローヴィス文化が終焉したことも、天体衝突の結果とみなしている。
だが天体衝突説に対してはさまざまな反論が出された。2010年に発表された論文によれば、ヤンガー・ドリアス境界層のみならずその前後から検出される炭素の小球体は、山火事で比較的低温の燃焼に晒される時に固く結球する菌類に形が似ている[14]。そこで、その菌類の胞子がナノダイヤモンドと取り違えられているのではないかと疑われた。2014年には、クロービス文化の専門家たちのチームが、この説の根拠となった29箇所の地層を詳細に分析した結果、ヤンガー・ドリアス・イベントの地層と言えるのは3か所だけであるということが判明した[15]。そして、2017年には、ヤンガー・ドリアス期の地層にナノダイヤモンドが集中しているという説には証拠がないことが示された[16]。このため、現在では、天体衝突説を支持する研究者は、ほとんどいなくなった。
7. 参照情報
- ↑ウォーレス・S・ブロッカー.「我らが青い星“地球”の気候システムが危ない」図6. 『平成八年度第五回ブループラネット賞受賞講演録』平成9年3月発行. 旭硝子財団顕彰事業.
- ↑Stefan Rahmstorf. “Thermohaline Ocean Circulation”. In: Encyclopedia of Quaternary Science. Edited by S. A. Elias. Elsevier, Amsterdam 2006.
- ↑“The dense water masses that sink into the deep basins are formed in quite specific areas of the North Atlantic and the Southern Ocean. In these polar regions, seawater at the surface of the ocean is intensively cooled by the wind. Wind moving over the water also produces a great deal of evaporation, leading to a decrease in temperature, called evaporative cooling. Evaporation removes only molecules of pure water, resulting in an increase in the salinity of the seawater left behind, and thus an increase in the density of the water mass.” Wikipedia, the free encyclopedia. “Thermohaline circulation”. 10 March 2008.
- ↑Bryden, Harry L., Hannah R. Longworth, and Stuart A. Cunningham. “Slowing of the Atlantic Meridional Overturning Circulation at 25° N.” Nature 438, no. 7068 (December 1, 2005): 655–57.
- ↑“It is worth noting that the Gulf Stream is primarily a wind-driven current, forming part of the subtropical gyre circulation. The thermohaline circulation – approximated here by the amount of water needed to compensate for the southward flow of NADW – contributes only roughly 20% to the Gulf Stream flow.” Stefan Rahmstorf. “Thermohaline Ocean Circulation”. In: Encyclopedia of Quaternary Science. Edited by S. A. Elias. Elsevier, Amsterdam 2006. p. 2.
- ↑“Based on climate model results, it is very unlikely that the Meridional Overturning Circulation (MOC) in the North Atlantic will undergo a large abrupt transition during the 21st century.” Intergovernmental Panel on Climate Change. Climate Change 2007 – Impacts, Adaptation and Vulnerability: Working Group II contribution to the Fourth Assessment Report of the IPCC. Cambridge University Press; 1版 (2008/2/4). Summary for Policymakers. p. 15.
- ↑S. A. Drury et al. The Great Ice Age: Climate Change and Life. Routledge (1999/12). p. 128.
- ↑“In models the northern hemisphere cools and the southern hemisphere warms if the THC is brought to a halt, because the cross-equatorial heat transport in the ocean is reduced. This change in heat partitioning between the two hemispheres shifts the thermal equator to the south, and thus the inter-tropical convergence zone (ITCZ) and the associated tropical rainfall belts.” Stefan Rahmstorf. “Thermohaline Ocean Circulation”. In: Encyclopedia of Quaternary Science. Edited by S. A. Elias. Elsevier, Amsterdam 2006. p. 7.
- ↑“A standard explanation for coupling climate variations in the northern and southern hemispheres involves fluctuations in North Atlantic Deep Water (NADW) production. However, I suggest that the “NADW-Antarctic” connection may work opposite to that conjectured by many investigators; that is, when NADW production rates are high, southern hemisphere temperatures decrease rather than increase. The revised interpretation is consistent with observations and ocean modeling studies which demonstrate that, although upwelling of relatively warm NADW water around Antarctica promotes sea ice meltback, a second and more important negative feedback is also operating. In order to conserve volume, southward export of NADW across the equator is accompanied by import of an equivalent volume of considerably warmer water from shallower oceanic layers in the South Atlantic. The southern hemisphere loses heat as a result of this exchange.” Crowley, Thomas J. “North Atlantic Deep Water Cools the Southern Hemisphere.” Paleoceanography 7, no. 4 (August 1, 1992): 489–97.
- ↑NHK.「深層海流二千年の大航海 解説」かがく用語集. Accessed Date: 6/15/2006.
- ↑S. A. Drury et al. The Great Ice Age: Climate Change and Life. Routledge (1999/12). p. 144.
- ↑“New evidence from the site of Abu Hureyra suggests that systematic cultivation of cereals in fact started well before the end of the Pleistocene by at least 13000 years ago, and that rye was among the first crops. The evidence also indicates that hunter-gatherers at Abu Hureyra first started cultivating crops in response to a steep decline in wild plants that had served as staple foods for at least the preceding four centuries. The decline in these wild staples is attributable to a sudden, dry, cold, climatic reversal equivalent to the ‘Younger Dryas’ period. At Abu Hureyra, therefore, it appears that the primary trigger for the occupants to start cultivating caloric staples was climate change.” Hillman, Gordon, Robert Hedges, Andrew Moore, Susan Colledge, and Paul Pettitt. “New Evidence of Lateglacial Cereal Cultivation at Abu Hureyra on the Euphrates.” The Holocene 11, no. 4 (May 1, 2001): 383–93.
- ↑“We propose that one or more large, low-density ET objects exploded over northern North America, partially destabilizing the Laurentide Ice Sheet and triggering YD cooling. The shock wave, thermal pulse, and event-related environmental effects (e.g., extensive biomass burning and food limitations) contributed to end-Pleistocene megafaunal extinctions and adaptive shifts among PaleoAmericans in North America.” Firestone, R. B., A. West, J. P. Kennett, L. Becker, T. E. Bunch, Z. S. Revay, P. H. Schultz, et al. “Evidence for an Extraterrestrial Impact 12,900 Years Ago That Contributed to the Megafaunal Extinctions and the Younger Dryas Cooling.” Proceedings of the National Academy of Sciences 104, no. 41 (October 9, 2007): 16016–21.
- ↑“Microscopic studies show that carbon spherules have morphologies and internal structures identical to fungal sclerotia (such as Sclerotium and Cenococcum). Experimental charring of fungal sclerotia shows that their reflectance increases with temperature. Reflectance measurements of modern and late Pleistocene spherules show that the latter indicate, at most, low-intensity burning. These data cast further doubt upon the evidence suggesting a catastrophic Younger Dryas impact event.” Scott, Andrew C., Nicholas Pinter, Margaret E. Collinson, Mark Hardiman, R. Scott Anderson, Anthony P. R. Brain, Selena Y. Smith, Federica Marone, and Marco Stampanoni. “Fungus, Not Comet or Catastrophe, Accounts for Carbonaceous Spherules in the Younger Dryas ‘impact Layer.’” Geophysical Research Letters 37, no. 14 (July 1, 2010).
- ↑“We have examined the age basis of the supposed Younger Dryas boundary layer at the 29 sites and regions in North and South America, Europe, and the Middle East in which proponents report its occurrence. Several of the sites lack any age control, others have radiometric ages that are chronologically irrelevant, nearly a dozen have ages inferred by statistically and chronologically flawed age-depth interpolations, and in several the ages directly on the supposed impact layer are older or younger than ∼ 12,800 calendar years ago. Only 3 of the 29 sites fall within the temporal window of the YD onset as defined by YDIH proponents.” Meltzer, David J., Vance T. Holliday, Michael D. Cannon, and D. Shane Miller. “Chronological Evidence Fails to Support Claim of an Isochronous Widespread Layer of Cosmic Impact Indicators Dated to 12,800 Years Ago.” Proceedings of the National Academy of Sciences 111, no. 21 (May 27, 2014): E2162–71.
- ↑“We review the available data on diamonds in sediments and provide new data. We find no evidence for lonsdaleite in YDB sediments and find no evidence of a spike in nanodiamond concentration at the YDB layer to support the impact hypothesis." Daulton, Tyrone L., Sachiko Amari, Andrew C. Scott, Mark Hardiman, Nicholas Pinter, and R. Scott Anderson. “Comprehensive Analysis of Nanodiamond Evidence Relating to the Younger Dryas Impact Hypothesis: THE NANODIAMOND EVIDENCE.” Journal of Quaternary Science 32, no. 1 (January 2017): 7–34.
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コメント一覧
停滞したようです
世界に迫る、まだ知られざる危機――もしくはその後が報道されないメキシコ湾原油流出の後日談
http://ameblo.jp/suima-itimoku/entry-10706553031.html
追記を追加しました。