7月 082012
 

フォーラムから“フロー課税からストック課税へのシフトは望ましいか”を転載します。

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投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年7月08日(日) 16:55.

2012年3月に大阪維新の会が遺産全額徴収を検討しているという記事が出て、それまで支持者が多かったネット上で騒ぎになったことがあった。

維新の会、遺産全額徴収も検討 「国家元首は天皇」明記 (date) 2012/03/10 (media) 47NEWS さんが書きました:

橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会が事実上の次期衆院選公約「維新八策」で掲げる相続税強化策に関し、不動産を含む遺産の全額徴収を検討していることが9日分かった。資産を残さない「一生涯使い切り型人生モデル」を提唱、消費を促す税制に転換し、経済活性化を図る狙い。ただ内部に異論もあり、協議を継続する考えだ。

2012年2月版の「維新版・船中八策」(維新八策)には、「一生涯使い切り型人生モデル」、「資産課税=固定資産税は現金化、死亡時に精算(フローを制約しない)」といった文言があり、それらが遺産全額徴収と解釈できなくはない。2012年7月版の「維新八策」にも、「政策例」として、「資産課税(金融資産以外の資産にかかる税は資産を現金化した場合または死亡時に清算)」という項目が依然として掲げられ、さらに年金清算時の「債務整理の償還財源は相続資産への課税と超長期の薄く広い税」という事項が追加されている。

大阪市特別顧問で、橋下のブレーンである高橋洋一によれば、しかしながら、遺産を全額徴収することは、実務上困難である。

高橋洋一(嘉悦大)(@YoichiTakahashi)/2011年04月16日 – Twilog (author) 高橋洋一 さんが書きました:

相続税って租税回避が簡単なので増税といっても実行は簡単でない。そのために所得・資産把握が必要になる。それでもって所得・資産が国民背番号入れて把握できるなら、所得税・資産税の増収になるから、相続税増税が要らなくなる。学者ではわからないでしょうが、税務署長の経験から

つまり、高橋洋一にとって、本命は死後の財産に対する課税ではなくて、生前の財産に対する課税なのである。

高橋洋一(嘉悦大)(@YoichiTakahashi)/2011年04月25日 – Twilog (author) 高橋洋一 さんが書きました:

相続税は生きている時に取りはぐれた所得税や資産税を補うという考え方がある。本来は国民背番号を導入して生存中の所得税や資産税を捕捉するのが先決。これらがないと相続税を上げように実務上無理。相続税をあげればいいという人はこの仕組みを知らない。できないことをいうのを真空斬りという

大阪維新の会代表の橋下の発言から判断しても、主眼点は、相続税強化ではなくて、貯金や資産といったストックに対する課税の強化にあるようだ。

橋下徹(@t_ishin)/2012年02月02日 Twilog (author) 橋下徹 さんが書きました:

人生一代限りの資産。一生涯で稼いだものは使い切る。

一定の老後の保障はするが、その財源は基本的には若いころからの本人の積み立て。稼いだ人は、自分の資産を使いきってもらう。これくらいの方針を示せば役人は色んな事を考えてくれます。老後はリバースモーゲージとなるだろうし、貯金や資産には課税する資産課税。貯めてたら税金取られて資産が減る。

国民総背番号制が必要になり、国民皆確定申告制。使えば税金はかからない。役所が国民からカネを奪って無駄遣いするよりも、できる限り国民に使ってもらう。これで内需経済を活性化させるしかない。これ以上の制度は役人の領域。要するに、人口減社会になり経済が成熟した日本が目指す方向は?

これを示すのが政治の役割。細かな制度設計は役人。僕は一生涯使い切りの日本を目指したい。そうなれば使う分には非課税。使った分には消費税ないしは付加価値税。一生涯使い切りいの人生モデルを確立するためにはどのような社会保障が必要か。人生に不安があれば皆貯金してしまう。

貯金をしなくても不安にならない社会保障は?そのためのお金はどれくらいかかる?それに相応しい税制は?そして最後に税率。このあたりはもう役人の世界でしょう。

橋下が貯金や資産に課税しようとする狙いは何か。橋下は、量的金融緩和を批判して、次のように言う。

橋下徹(@t_ishin)/2012年04月21日 – Twilog (author) 橋下徹 さんが書きました:

0金利状態でなぜ日銀がカネを供給することで、それが実経済取引の中に浸透するのか。カネを供給したからと言って資金需要が生まれるわけではなく、資金需要が生まれる政策をやるべきではないか?

そして大阪維新の会は、ターゲティングポリシーの考え方を採らず、徹底した規制緩和による経済活性化策を目指すことを重視します。そして維新の会に問題提起して今議論していますが、フロー課税からストック課税へのシフト。フロー・ストックの完全捕捉を前提に、マイナス金利として資産課税をかける。

フローも消費税を除いて、投資や消費した分は課税対象から控除。貯めたら税をかけますよ、使えば税はかけません、という税制(これは大きな理念で詳細は専門家に詰めてもらわなければならない)を考えております。ある種、強制的に市中にカネを回させる税制。

つまり「強制的に市中にカネを回させる」ことがストックへの課税の目的というのである。橋下は、投資や消費した分は全て経費算入で所得税の対象外にするというのだが、投資とは資本を獲得するための行為であり、投資自体に課税しなくても、資本に課税する以上、投資促進策とは言えない。だから、橋下は、もっぱら消費の拡大を狙っていると見ることができる。では、消費の拡大はなぜ必要なのか。

橋下徹(@t_ishin)/2012年01月08日 – Twilog (author) 橋下徹 さんが書きました:

小売・飲食など大都市の強みであるサービス産業、消費産業を活性化させるためには消費を促す税制が必要。

すなわち、消費が拡大すれば、経済が活性化すると考えているということである。

橋下および大阪維新の会のこの政策は正しいと言えるだろうか。以下の点に関して、考えてみたい。

  1. 消費が拡大すれば経済は良くなるのか
  2. 日本の現在のストック課税は不十分か
  3. 一生涯使い切りで将来に対する不安はなくなるのか

1. 消費が拡大すれば経済は良くなるのか

個人消費が増えれば、経済が活性化するという主張は、労働組合員などのリベラルな人々がよく行う主張である。労働組合は、不景気の時でも賃上げを要求するものだが、その時の根拠は、賃上げすると個人消費が増えるので、景気が良くなり、企業もその恩恵に与ることができるというものである。橋下徹は、労働組合の対極にある人物と思われているが、この点に関しては同じような考えの持ち主であるということができる。

この考えが正しいかどうかを検証する前に、そもそも消費とは何かを考えなければならない。経済学者たちは、消費と投資(生産)は異なると考えがちだが、システム論的に見れば、両者は、「環境のエントロピーを増大させることによりシステムのエントロピーを減少させる」[消費は生産と異なるのか]という点で同じである。

例えば、教育に出費することは消費として扱われるが、それは教育成果という文化資本を獲得するための投資である。橋下は、飲食を典型的な消費産業と考えているようだが、これも身体資本を維持するための投資である。レクリエーションですら、労働力を再生産するための投資である。もちろん、教育を受けたが成果がなかったとか、飲食が食中毒を惹き起こしたとか、くだらないレクリエーションでかえって気分が鬱になったとかいった失敗事例もある。それらは、たんにエントロピーを増大させただけで、システムのエントロピー縮減に貢献せず、その意味において消費というよりも浪費であるが、投資においても、失敗して、元も子も失うという場合は、たんなるエントロピーの増大であり、浪費である。

このように投資と消費の区別は表面的であり、この区別よりもむしろ成功した投資/消費と失敗した投資/消費の区別の方がシステム論的には重要である。経済を成長させる上で必要なことは、経済学者が投資と区別しているところの消費を増やすことではなくて、投資/消費の成功を増やし、投資/消費の失敗、すなわち浪費を減らすことである。問題は、橋下の提案がそれを実現するかどうかである。

橋下が資産課税で念頭に置いているのは、貯金、株、不動産といった典型的な経済資本であろう。個人消費も投資の一種で、資本形成につながっているにもかかわらず、それらには課税しないということは、特定の投資だけを優遇し、投資の選択肢を狭めるということを意味している。そして、選択の自由を狭めて投資=消費を強制するならば、それは浪費の増大につながる。教育のような非課税の資本形成に努める人は少数派だろう。なぜなら、せっかく教育成果のような文化資本を作っても、それが生み出す経済資本が政府によって搾取されるからだ。多数派は風俗店通いのような刹那的な快楽の享受に走るだろう。

橋下もこのことは認識している。

橋下徹(@t_ishin)/2012年02月04日 – Twilog (author) 橋下徹 さんが書きました:

民間がお金を使う仕組み。そして一歩踏み込んで、お金を使わざるを得ない仕組み。まあここは無駄な政府支出と紙一重。税制でお金を貯めることを不利にさせる。しかし、そうなると真に有効なお金の使い方にならない。ただしどうせ政府にお金を使わせるなら、自ら稼いだ者に使わせる方が良いだろう。

政府が金を使うよりも、稼いだ本人が使い方を決めた方がよいという認識は正しい。しかし、橋下の提案では、稼いだ本人が金をどう使うかに政府が事実上干渉するのだから、たしかに「無駄な政府支出と紙一重」になる。

もちろん、浪費であっても、それは景気を一時的に浮揚する効果はある。しかし、浪費の強制は、長期的な観点からすれば、その国の経済成長にネガティブな影響を与える。もしも橋下の提案が日本の国政で実現するならば、富裕層は彼らの資産とともに国外に逃げ、残った日本人は、設備投資などの資産形成をやめて、刹那的な快楽を求める浪費に走るだろう。その結果、日本の産業の国際競争力が低下し、日本での需要の一時的増大で利益を得るのは外国の輸出企業ということになる。いずれにせよ、橋下の政策が促進するのは、日本国内でのマネーのフローというよりも、日本国外へのマネーのフローである。だから、浪費による景気の好転は長続きしない。国富を食い潰し、前近代的な後進国に転落した段階で、短い天国の時期が終わり、長い地獄の時期が始まることになる。

一般的に言って、左翼は、自国の利益よりも外国の利益につながる政策を提唱するもので、個人消費重視の経済政策もその一つである。教師に君が代の斉唱を強制する愛国者、反左翼と世間で思われている橋下が、経済政策に関しては左翼的亡国的な政策を支持しているのは皮肉なことである。

2. 日本の現在のストック課税は不十分か

「フロー課税からストック課税へのシフト」を主張する橋下は、現在の日本のストック課税が不十分であることを前提としている。たしかに、固定資産税や譲渡益課税のような、直接資産に課す税は、預金に対してはない。しかし預金の場合、金利に対して税が課せられているのだから、間接的に課税されているとみなすべきである。

橋下は、賃貸料、配当、分配金、利子など、ストックのリターンへの課税はフローに対する課税と考えているのであろうが、これらは少なくとも間接的にはストックに対する課税である。リターンを i円、その資産の標準的な利率を rとすると、資産の時価は i/r 円と評価される。つまり、i円のリターンに一定の割合で課税することは、資産の時価である i/r 円に一定の割合で課税することになるのだから、資産に対する課税であるということができる。

預金は別だが、ストックの時価は日々刻々と変化する。そのため、固定資産税のように、ストックの固定的な標準額を基準に税を算定すると、実勢から懸け離れた過大もしくは過小の金額になることがある。その点では、ストックの評価額そのものに課税するよりも、リターンに課税する方が、時価をよりタイムリーに反映することができると言える。

リターンに課税するもう一つのメリットは、税率が1未満である限り、マイナスのリターンが発生しないということである。資産の総額にかかる税率が、その資産の利回りを超えると、税引き後の利益はマイナスになる。橋下は「マイナス金利として資産課税をかける」あるいは「貯めてたら税金取られて資産が減る」と発言しているので、リターン以上の税金を取るつもりのようだ。

しかし、そもそも資産は、プラスのリターンをもたらす、あるいは少なくとも将来はもたらすと期待されるから資産としての価値を持つのであって、確実にリターンがマイナスになる資産には資産価値がなく、政府以外は誰も保有したがらないので、最終的に政府が日本国内の不動産と株を二束三文で買い取って、保有することになる。ストックへの課税を強化すれば、日本は社会主義国家になってしまう。

橋下がストック課税を強化しようとするのは、日本を社会主義にしたいからではなくて、量的金融緩和だけではデフレから脱却できないと考えているからである。しかし、量的緩和ではデフレから脱却できないという日銀の説明を鵜呑みにするべきではない。日銀は嫌がるが、量的緩和で重要なことは、資金の量を増やすことではなくて、貨幣価値を切り下げることである。貨幣価値が下がると人々が予想すれば、期待インフレ率はプラスとなり、人々は貨幣の死蔵をやめて、資産価値の上昇を見越して投資を始める。このデフレ脱却法には、橋下のデフレ脱却法に見られるような弊害はない。

3. 一生涯使い切りで将来に対する不安はなくなるのか

橋下は、「人生に不安があれば皆貯金してしまう」と言い、社会保障を充実させることで、貯金を消費に使わせようとする。しかし、将来橋下が政権を担ったとしても、私たちは安心して貯金をすべて消費に回すことができない。橋下の政権が永続する保証は何もない。政権交代が起き、社会保障の制度が再び「グレート・リセット」される可能性がある。「暖房を保証するので、衣服はいりません」と言われて、丸裸になった途端、極寒の戸外に放り出される可能性があるので、資産家ほど海外に逃げるだろう。国民の将来に対する不安をなくすには、個人の資産所有を認めたうえで、しっかりしたセーフティネットを構築しなければならない。

そもそも2012年7月版の維新八策で「持続可能な小さな政府」という理念を掲げているにもかかわらず、橋下はなぜこうも増税に熱心なのだろうか。それは、「真の弱者を徹底的に支援」という維新八策の理念に基づいて、社会保障を充実させようとするからであろう。維新八策には、「失業対策、生活保護、年金等の社会保障を一元化=生活保護世帯と低所得世帯の不公平の是正」とあるが、同時に「負の所得税(努力に応じた所得)・ベーシックインカム(最低生活保障)的な考え方を導入」、「(1)努カに応じた、(2)現物支給中心の、最低生活保障制度を創設」、「年金一元化、賦課方式から積立方式(+過去債務清算)に長期的に移行」といった項目が雑然と並び、十分に一元化されていないような印象を受ける。

「公的年金制度は必要か」、「セーフティネットはどうあるべきか」、「社会福祉は必要か」などですでに書いたように、未利用資源利用型のセーフティネットが一つあれば、年金その他の公的社会保障制度は不要であり、制度の簡素化により税負担も軽くすることができる。公的年金の清算にはコストがかかるが、一度にすべてを清算せずに、受給年齢に達した加入者に限定して、長期にわたって清算することで、税負担の時間的分散を図ることができる。

以上、橋下と大阪維新の会に対して批判的なことを書いたが、まだ維新八策の完成版ができていない段階で、こうした心配をすることは不要なのかもしれない。橋下は世論に敏感で、世論に支持されていない、あるいは自分が間違っていると思うと、すぐに間違いを認め、前言を翻す傾向があるので、フロー課税からストック課税へのシフトという提言もそうなる可能性が高いし、またそうなることを期待したい。

民主党による富裕税の導入

投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年7月28日(土) 12:40.

橋下徹だけでなく、現民主党政権も資産課税に前向きであるようだ。

富裕税「富裕層の方にぜひご負担を」安住財務相 (date) 2012年7月26日 (media) YUCASEE MEDIA さんが書きました:

富裕層ら一定以上の高額資産を持つ層に課税する「富裕税」について、26日の参院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会で、安住淳財務相は「2-5改正では所得課税、資産課税では、富裕層の方にぜひご負担をお願いするような税制をまとめてまいりたい」として、資産に対する課税に前向きな考えを示した。又市征治委員(社民)の質問に答えたもの。

「富裕税」という言葉が、今国会でもよく出てくるようになったが、過去日本でも昭和25~27年度に施行していたことがある。その際の税収額は、25年度5.2億円、26年度9.6億円、27年度22.3億円だったという。

安住財務相は「土地家屋は把握しやすいが、預貯金が終戦直後のことなので把握が難しかった。収入はないが、資産がある人には財産を食いつぶすだけだったので難しかったこともあり、3年で終わってしまった」と説明した。

また、現在は、海外に移転している資産、さらには貴金属、動産の試算が難しいと一般的には言われている。

株式の配当課税を来年度から20%に戻すが、安住財務省[ママ]は「そういう方向に向けて、いろいろ検討していきたい。今後は、ある程度お願いしていかないといけない」と述べた。

民主党はまた、小中学生の子どもがいる従業員に企業が有給休暇を与えることを義務付ける制度も検討中である。

小中学校に秋の5連休を=休暇改革で中間報告案-民主PT (date) 2012年7月26日 (media) 時事ドットコム さんが書きました:

休暇の在り方を検討している民主党のプロジェクトチーム(PT)は26日、小中学校に秋の5連休を設けることを盛り込んだ休暇改革の中間報告案を示した。子どもが家族と一緒に過ごす時間を増やし、経済活性化や観光振興につなげる。今後、関係団体の意見を踏まえ報告をまとめる。

PTは報告案で、小中学校の春、夏、冬休みを計3日間減らす代わりに、10月中旬に土日と絡めた5連休の新設を提示。全国を4ブロックに分けて連休の日にちをずらし、経済効果を高める。小中学生の子どもがいる従業員に対し、子どもの秋の連休に合わせた有給休暇を与えるよう企業に義務付ける制度創設も示した。

これは、かつて民主党がマニフェストに盛り込んだ高速道路無料化と同じ政策効果を狙った提案で、背後には、行楽が増えれば国内消費が増え、経済が活性化するという思想がある。民主党政権は、東日本大震災の被災地への財源を確保するため、高速道路無料化を凍結したので、財源不要の観光振興策を代替案として実行に移そうとしているのであろう。しかし有給休暇の義務化は、企業にとっては増税と同様の経済的負担であり、見かけ上増税ではないから経済に悪影響を及ぼさないと考えることはできない。

民主党や橋下は、働いて貯蓄し、資産を形成するよりも、遊んで資産を食い潰し、浪費した方が経済が好転すると本当に思っているのだろうか。今の日本にとって必要なことは、働いている労働者を遊ばせて、貯蓄や資産を消費させることではなくて、むしろ逆に、投資を促進し、定年退職した高齢者や専業主婦や生活保護を受けている失業者に就労チャンスを増やすことではないのか。

Re: フロー課税からストック課税へのシフトは望ましいか

投稿者:かじかわ.投稿日時:2012年8月08日(水) 21:11.

資産か資産取引に課税して、相続には課税しないのがいい。

世代間格差よりも時代間格差?を求める。城を相続するのは国、国民に納税しなかった。

国と国民が課税し合える関係へ☆

「維新八策」の最終案

投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年9月12日(水) 19:24.

2012年8月31日に「維新八策」の最終案がまとまった。衆院定数(480人)の半減や国会議員歳費、政党交付金の3割減などが新たに盛り込まれたが、このトピックで扱っているフロー課税からストック課税へのシフトに関しては、たんに「少子高齢化に対応→フロー課税だけでなく資産課税も重視」あるいは「所得課税、消費課税、資産課税のバランス」とあるだけで、相続税100%を連想させるような文言は姿を消した。きっと評判が悪かったので、表現を後退させたのだろう。もっとも資産課税重視の姿勢は変わっておらず、その中身がどういうものであるのかを注目したい。

相続税増税

投稿者:永井俊哉.投稿日時:2012年11月03日(土) 14:58.

最近の橋下は、「相続税100%」という過激な表現を改めて、相続税増税というソフトな表現を用いている。もとより、日本の相続税は、海外と比べて重いので、さらに増税するとなると、その弊害は大きい。

橋下徹(@t_ishin)/2012年10月31日(水) Twilog (author) 橋下徹 さんが書きました:

相続税を上げることは景気への影響は少ない。資産が海外に逃げるというキャピタルフライトの懸念を指摘されるが、少なくても不動産は海外へは逃げない。相続資産は年50兆円とも言われ、相続資産のうち40%が不動産とも言われている。現行の相続税制は基礎控除が大きく、課税対象者非常に少ない。

橋下はキャピタルフライトを誤解しているようだ。「キャピタルフライト」の「キャピタル」は、日本語では「資本」と訳すこともできるが、「資本金」と訳すこともできる。ここからもわかるように、資本の本質は、その物的属性ではなくて、貨幣によって評価される価値であり、その価値は、それを売却することで簡単に海外に移転することができる。つまり物としての不動産は海外に逃げることはできないが、その資本としての価値は海外に逃げることができる。このスレッドでこれまで述べてきたように、相続税をはじめとする資産に対する課税は、資産価値を下落させる。それは既に深刻となっている資産デフレをさらに悪化させるから、「相続税を上げることは景気への影響は少ない」とは言えない。

橋下徹(@t_ishin)/2012年10月31日(水) Twilog (author) 橋下徹 さんが書きました:

社会保障費がなぜ毎年上がり続けるかと言えば、それは高齢者が毎年増え続けるから。社会保障費を何とかしようと思えば、保険料を上げるか、給付を下げるか、高齢者が増えることで伸びる税を充てるかしかない。税源を考えるなら、高齢者が増えることで税収が増える税。これは相続税だ。

この文を読めば分かるように、橋下には、公的年金を廃止し、高齢者を働かせ、それによって自然増収をもたらすという発想がない。「グレート・リセット」と言いながら、古い発想による弥縫策しか提案できないところに橋下の限界がある。

キプロスが預金者から最大10%の課徴金を徴収

投稿者:永井俊哉.投稿日時:2013年3月18日(月) 21:02.

橋下のストック課税が日本で実現する可能性は遠のいたが、キプロスがストック課税を実施することを決めたそうだ。議会が金融支援策を承認すれば、19日にも課徴金が適用される。

焦点:キプロス支援、預金者負担は「危険な前例」に (date) 2013年3月18日 (media) Reuters さんが書きました:

ユーロ圏財務相会合がまとめたキプロス金融支援策に、銀行預金への課徴金という異例の措置が盛り込まれたことについて、市場関係者の間では「危険な前例」になりかねないとの懸念が浮上している。

ユーロ圏財務相会合は15日夕方からの徹夜の協議の末、100億ユーロ(130億ドル)のキプロス支援策を決定。預金者から最大約10%の課徴金を徴収する。

欧州中央銀行(ECB)は、必要な場合無制限の国債買い入れを実施する意向を示しているが、市場では、将来別の加盟国の支援が必要になった場合、再び預金者が負担を強いられるのではないかとの懸念が浮上。

[…]

ザンクトガレン大学(スイス)のシモン・エベネット教授は「キプロスの救済条件を特殊な例とみることはできない。ユーロ圏の重債務国や海外預金者に送られたメッセージは明白だ。リーマンのケースとは違うが、システミックリスクへの懸念が無視されているのは明らかだ」と述べた。

キプロスの経済の規模が小さいので、直接的な影響は大きくはないが、記事にあるような連想が働けば、影響は大きくなるかもしれない。

もっとも、銀行預金への課徴金は、実質的には既に主要国で行われている。アメリカ、イギリス、ドイツの実質金利はマイナスで、債権者から債務者への富の移転が行われている。日本でも、金融緩和により実質金利がマイナスになれば、それは、銀行預金への課徴金として機能するだろう。

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