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『現象学的に根拠を問う』を出版しました

2015年1月5日

私の著作『現象学的に根拠を問う』の解説動画、書誌情報、販売場所、概要、読者との質疑応答などを掲載します。本書に関してコメントがありましたら、このページの下にあるコメント・フォームに投稿してください。誤字脱字の指摘から内容に関する学問的質問に至るまで幅広く受け入れます。

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1. 解説動画

私の著作『現象学的に根拠を問う』の要点を解説します。フッサールの現象学は、それまでの哲学とどう異なるのか、シェーラーがやろうとしたように、フッサールの現象学を倫理学に応用することは可能なのか、認識が生活世界的な直観に基づいていることをどのように解釈し、継承していくべきかなどについて語ります。

2. 販売場所

販売価格は小売店によって異なることもあります。リンク先で確認してください。

3. 表紙画像

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横幅300ピクセルに圧縮した『現象学的に根拠を問う』表紙画像

4. 書誌情報

  • Title :: 現象学的に根拠を問う
    • Furigana :: ゲンショウガクテキニコンキョヲトウ
    • Romaji :: Genshogakutekini Konkyo o To
  • Author :: 永井俊哉
    • Furigana :: ナガイトシヤ
    • Romaji :: Nagai, Toshiya
  • Author bio :: 著作家。インターネットを主な舞台に、新たな知の統合を目指す在野の研究者。専門はシステム論。1965年8月、京都生まれ。1988年3月、大阪大学文学部哲学科卒業。1990年3月、東京大学大学院倫理学専攻修士課程修了。1994年3月、一橋大学大学院社会学専攻博士後期課程単位修得満期退学。1997年9月、初めてウェブサイトを開設。1999年1月、日本マルチメディア大賞受賞。電子書籍以外に、紙の本として『縦横無尽の知的冒険』(2003年7月, プレスプラン)、『ファリック・マザー幻想』(2008年12月, リーダーズノート)を出版。
  • Language :: ja
  • Page :: 296ページ
  • Publisher :: Nagai, Toshiya
  • ISBN :: 9781311035363 (Smashwords, Inc.)
  • BISAC :: Book Industry Standards and Communications
    • Philosophy / Criticism
    • Philosophy / Movements / Phenomenology
    • Philosophy / Ethics & Moral Philosophy
  • Tags :: キーワード
    • Japanese :: フッサール、シェーラー、現象学的還元、哲学的人間学, ルサンチマン、価値論、数学基礎論
    • English :: philosophy, ethics, moral, husserl, phenomenology, epistemology, value, philosophical anthropology, ressentiment, scheler

5. 短い概要

現象学は、従来にない豊かな可能性を哲学にもたらした。現象学的に根拠を問う時、人は、現象の相関項としての超越論的主観の存在を自覚する。しかし、学の基礎付けはそれで十分なのだろうか。本書は、第一章でエトムント・フッサールの現象学的哲学を、第二章ではマックス・シェーラーの現象学的倫理学を批判的に検討しつつ、第三章で、現象学的還元・構成・破壊をモデルにした目的論的還元・構成・破壊による、現象学、とりわけ実質的価値倫理学の超越論的基礎付けを試みる。

6. 長い概要

現象学は、客観的な認識対象とも主観的な認識作用とも異なる認識内容としての現象を扱う哲学である。それは、人間の意識を経験論的ないし客観的に対象化する心理主義とは異なるが、新カント学派のような規範主義とも異なる第三の立場の哲学である。エトムント・フッサールの現象学は、様々な変遷を経たが、認識を直観的な理解に基礎付けようとする点では一貫している。フッサールから現象学を学んだマックス・シェーラーは、経験主義的な快楽主義あるいは功利主義でもなければ、カントの倫理学のような形式主義的な規範倫理学とも異なる、現象学的な、つまり直観に基づく実質的価値倫理学を提唱した。しかし、現象学は、認識を基礎付けてはいるものの、認識の妥当性の基礎付けは行っていない。認識を正当化するには、私たちの認識行為を含めたあらゆる行為の究極目的を認識しなければならない。本書はこの問題意識から、現象学的還元・構成・破壊自体を還元・構成・破壊するメタレベルの目的論的還元・構成・破壊を提唱する。

7. 関連著作

フッサール現象学の一般向け入門書としては、

木田元:現象学

新田義弘:現象学

がある。もう少し、勉強したい人には、

木田元, 野家啓一, 村田純一, 鷲田清一:現象学事典

が、お薦めである。フッサール本人の著作としては、

フッサール:論理学研究

フッサール:イデーン

フッサール:デカルト的省察

が重要である。

フッサールと比べると、現象学的倫理学者マックス・シェーラーは、現代の研究者からはほとんど相手にされていない。哲学的人間学という観点からシェーラーを扱った本なら、

などがある。実は、私も、シェーラーの倫理学よりも、ルサンチマン論とか羞恥論といった人間学的な議論の方がおもしろいと思っている。「人はなぜ性器を隠すのか」も、実はこれに触発されて書いた。