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人はなぜ性器を隠すのか

2002年11月2日

私たち人間は、自分の性器が他者、とりわけ異性の他者に見られることに強い羞恥心を感じる。植物は、自分の性器である花を、それこそ「はなばなしく」誇示し、動物も、自分の性器の露出を恥ずかしいとも何とも思っていない。なぜ人間だけが恥ずかしそうに自分の性器を隠さなければならないのか。

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ドメニコ・ザンピエーリ作『アダムとエバへの叱責[1]』。聖書によると、人類の祖先であるアダムとエバは、善悪の知識の木の実を食べたことで、目が開け、自分達が裸であることに気付き、それを恥じてイチジクの葉で腰を覆ったということになっている。この絵画で描かれているように、禁断の木の実を食べた理由を問われ、アダムはエバに唆されたと言い、エバは蛇に唆されたと弁明したが、二人とも楽園を追放され、今に至るまで性器を隠蔽し続けているというのだが、目が見えるなら裸であることを恥じるはずだという前提で神話が作られている。この自明の前提こそが問われなければならない。

1. 人間だけがセックスをタブーにしている

人間にとって、性器の露出は、恥ずかしいだけの問題ではない。日本では、例えば、自分の性器の写真をインターネット上で公開すれば、猥褻物頒布の罪で逮捕される。

第174条 公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

第175条 わいせつな文書、図画その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役又は250万円以下の罰金若しくは科料に処する。販売の目的でこれらの物を所持した者も、同様とする。[2]

公然猥褻や猥褻物頒布等は、一部の目撃者が不快感を持つかもしれないから有罪というわけではない。刑法180条にあるように、両者は親告罪ではない。だから、例えば、ストリップ小屋でストリッパーが性器を露出すれば、客は当然全員満足するだろうが、それでも公然猥褻と判断され、逮捕される。ところが、これはよく考えると奇妙なことではないだろうか。一般に、犯罪行為は、他者に不利益をもたらすから処罰される。利他行為を法で禁止することはナンセンスである。ではなぜ、一方で金を払ってでも異性の性器を見たいという人が多数いるにもかかわらず、その人たちの欲望を満たしてやることが有罪になるのか。

私たちが、性器を隠蔽しなければならないのは、セックスをタブー化するためなのかもしれない。しかし、この推測は、なぜセックスをタブーにしなければならないのかという新たな問いを生じさせる。セックスをタブー視している動物は人間だけである。動物の中には、隠れてセックスをするものもいるが、それは交尾中に捕食動物に狙われないようにするためとか、メスを独占しているアルファオスの目を盗むためといった動機に基づくのであって、恥ずかしいから人目を避けて性交するという動物は人間だけである。文化によっては、人前でのセックスが宗教的儀式として行われるところもあるが、そうした例外は、かえって衆人環視の元にセックスすることの非日常性を証拠立てている[3]

2. なぜ性フェロモンは機能しなくなったのか

結論を先に述べよう。私の仮説は、人間は、低下した性フェロモンの機能を代償するために、性器を隠し、セックスをタブーにしているというものである。別の表現を用いるならば、自然排卵動物である人間を人為的に交尾排卵動物にするために性器を隠しているということである。

自然排卵動物とは、一定周期で排卵を行い、排卵の時期になると、メスは発情して性フェロモンを出し、オスに知らせて交尾し、妊娠するタイプの動物で、多くの哺乳類が自然排卵動物である。

これに対して、交尾排卵動物は、メスが、交尾の際にオスから受けた刺激によって排卵し、妊娠するタイプの動物で、猫、ウサギ、イタチ、ミンク、テンなどが典型的にそうである。典型的な交尾排卵動物は、交尾をしない限り、排卵しない。

人間は、他の霊長類と同様、自然排卵動物であって、典型的な交尾排卵動物ではない。だから本来は、女は、性フェロモンを用いて、男に排卵期を教えなければならないのだが、なぜだか人間は、フェロモンに対してほとんど反応しない。読者の中には、「私は、異性の臭いをかぐと性的に興奮するから、フェロモンを感知する能力がある」と言う人がいるかもしれない。しかし、それは、必ずしも性フェロモンを感知する能力を証明するものではない。なぜならば、フェロモン自体は無臭で、狭義の嗅覚によって感知されないからである。

フェロモン信号の受信は、鋤鼻器官(ヤコブソン器官)という、人間の場合、鼻孔の内側近くにある小器官によってなされる「第六感」である。現在の人間においては、「第六感」は、嗅覚全般と同様に、他の哺乳動物と比べて著しく後退しており、発情をもたらす刺激は、嗅覚的信号よりも視覚的信号の方がメインである。しかし、かつては、私たちの祖先も、現在の新世界ザルと同様に、フェロモンによって発情したと考えられている。

ヒトの個体発生において、胎齢24週目くらいの胎児のときに鋤鼻器官から神経束が伸びて脳の先端にある副嗅球につながる。一度は他の哺乳類と同じように鋤鼻神経系が完成するのである。副嗅球はその後胎齢が進むにつれて消えていき、出産時には痕跡となり、新生児に神経束が残ることは稀である[4]。この個体発生で繰り返されるプロセスが、ヒトの系統発生でも生じたようだ。

だが、果たして、私たちは、フェロモンの影響を全く受けなくなったのだろうか。人間の性フェロモンは、思春期から壮年期にかけて、腋や性器などの特定部位のアポクリン腺から分泌される。女性に男性の性的魅力を格付けさせたイギリスでの実験によると、女性の被験者を、男性の腋の下から分泌される男性フェロモンの中に置くと、全員が、そうでないときと比べて、男性の性的魅力度を高く評価した。とりわけ、排卵期の(つまり、妊娠可能な)女性には大きな効果があった。男性に対する女性フェロモンの影響も、オーストリアの研究者によって確認されている。現に、フランスの娼婦は膣液を耳の裏に塗って、男を誘惑する。

このように、人間もいまだにフェロモンの影響を受けてはいるが、人間において性フェロモンが果たす役割が決定的に小さくなってしまった。これは、繁殖戦略上不利なことである。私たちは、発情期とかフェロモンとかを動物的だとして軽蔑し、これらを捨てたことを進歩と考えがちである。しかし、フェロモンは、光学的刺激とは違って、夜間でも有効だし、密閉されない限り、障害物を乗り越えるので、コミュニケーションの手段としては優れている。また何よりも、男は、排卵期がわからなくなったおかげで、自分の子孫を残すという本来の目的からすれば「無駄な」セックスをしなければならないはずだ。

こうしたデメリットを考えるならば、人間が自発的に、フェロモンを捨てたとは考えられない。では、なぜ、私たちの祖先は、排卵期にだけフェロモンに刺激されて発情するという通常の性生活から逸脱したのか。

前回の「ヒトは海辺で進化したのか」で紹介したアクア説は、次のように説明している。

哺乳類では、発情期であることを知らせる信号は、嗅覚的なものである。メスがフェロモンを出して、それを伝えるのだ。空気中であれば、そのにおいは遠くまで運ばれる。オスの犬が遠くから、発情期のメスを探り当ててやってくることからも、それは分かる。しかし私たちの祖先たる類人猿が水につかっていたのなら、分泌されたフェロモンは、すぐに押し流されて消えてしまったはずである。[5]

フェロモンは空中でのみ正しく異性に伝わるのであって、水中では流されて機能しない。だから、水中への適応放散でヒトがチンパンジーと分岐して以来、しだいに男は、女がいつ発情しているのかわからなくなったというのだ。ただし、水中生活が増えたからといって、すぐにフェロモンが機能停止したと考えることはできない。その証拠に、私たちは体毛を完全に失っていない。

アクア説によれば、ヒトは、水中生活に適応するために、裸になった。だが、ヒトには、例外的に毛が残っている箇所が三つある。頭部と腋の下と性器周辺である。頭髪や髭などが残存しているのは、呼吸のため、頭が水中に没することが少なかったからである。人間が腋の下と性器周辺に毛を生やしているのは、腋と性器から放出されるフェロモンを毛に付着させることにより、効果的に空中に散布するためである。四足歩行をしていた時には、鼻の高さと性器の高さが同じだったが、直立二足歩行をするようになってからは、高くなった鼻の位置に合わせて、腋の下からも分泌されるようになったと考えることができる。

3. 規範の非日常的侵犯が排卵を促す

水辺で暮らすことが多くなると、性フェロモンを媒介にした交尾が減る。しかし自然排卵での妊娠が減っても、人類は滅びることはなかった。ヒトのメスは、オスから強い性的刺激を受けることで、交尾排卵して妊娠することができた。すなわち、強い性的刺激があれば、オスは射精することができ、メスは、オルガスムスに達することで、下垂体からLH(黄体形成ホルモン)サージを引き起こし、排卵し、妊娠することができる。

そうした強い性的刺激は、日常的な倦怠を打ち破る非日常的なエロティシィズムでなければならない。そして、エロティシィズムの炎を燃え上がらせるのは、非日常的な死の恐怖である。

竹内久美子はこんな例を挙げている[6]。第一次世界大戦および第二次世界大戦での調査によると、兵士たちに1日程度の休暇を与えて帰郷させると、排卵期ではない、つまり、本来妊娠可能でない状態の女性までが妊娠した。また、アメリカでは、パール・ハーバーから268日経った後、出産ラッシュがあった。このことは、パール・ハーバーのニュースがアメリカに流れた日、セックスした女性が非常に高い確率で妊娠したということである。

夫が戦場に出かける時、妻は夫とのセックスはこれが最後になるのではないかという不安に駆られる。なぜ、そうした不安があると妊娠しやすくなるのか、竹内はにはわからない。

興奮すると女は排卵する。しかしそれがどういう意味を持つのか、まだ定かではない。[7]

しかし、有性生殖の本来の機能が生存を脅かすリスクの増大への対処であることを考えれば、なぜ死の危険が生殖機能を向上させるのかは容易に理解できる。すなわち、種の存続が危なくなると、その種は、様々な子供を作ることで、種全体の絶滅を阻止しようとする。

死の危機が迫ると妊娠率が向上するということは、妊娠率を向上させるには死の危険を作り出せばよいということである。実際、交尾排卵動物の中には、この手法を実践している動物もいる。例えば、ミンクのオスは、メスの首筋を噛み、血をほとばしらせることでメスを興奮させ、排卵させ、妊娠させる。人間の場合でも、強姦や不倫といった、法や道徳を破るセックスの方が、合法的な夫婦どうしの日常的なセックスよりも妊娠率が高い。

人間以外の霊長類も、自然排卵だけでなく、交尾排卵をする。例えば、オランウータンのオスは、発情期でないメスを強姦することがある。だが、人間以外の霊長類は、発情期を知らせるシグナル機能が健在であるため、自然排卵だけでも確実に繁殖できる。これに対して、人間は、自然排卵だけを頼りにしていると、繁殖が不確実になる。

そこで、人間は性器を隠蔽し、セックスをタブーにした。性器を日常的に隠蔽し、その露出を規範によって禁止することで、その規範の非日常的侵犯がもたらすエロティシィズムの興奮を増大させる。

性器の隠蔽以外の方法でもセックスをタブーにすることができる。例えば、男女の肌の接触を禁止することにより、抱擁のエロティシィズムを高めることもできる。だが、セックスのタブー化で最も中心的な役割を果たしているのは、性器の隠蔽である。

「減るもんじゃないから裸見せろ」は、女を脱がせる時にオヤジが使う殺し文句だが、実は「減るもの」がある。それは裸の希少価値である。裸が日常的になればなるほど、裸の希少価値はなくなり、刺激として機能しなくなる。それでは、生殖に支障をきたすからこそ、人間社会はこれを規範で禁止しているのである。

セックスをタブーとすることは、セックスの否定ではなくて、むしろ肯定である。刑法第174条に明文化されている公然猥褻の禁止は、猥褻の否定ではなくて、肯定である。もっと正確に言えば、それは否定することによる肯定である。

4. 追記:批判に対する応答

2005年5月7日

Hugo Strikes Back!: なぜ人は性器を隠すのか」に私の説に対する批判が掲載されていたので、それに対する反論を書きます。

つーか、オランウータンとか直立歩行しないから、いわば凄い猫背じゃん。そんなんで正常位って無理目じゃない? 何故にそんなことするのかしら?

余談だけどこの論考の中で正常位はアクア説の一つの根拠として挙げられてるんだけど、他のサルも正常位で性交するのであれば根拠として不適じゃん。[8]

オランウータンは通常樹の上で生活をします。オランウータンは腕力が強くて、正常位で交尾する時は、枝にぶら下がって空中セックスをするので、水中セックスに近い状態になります。なお、オランウータンのオスはメスの倍近い体重があるので、地上で後背位の交尾をしようとするとメスが押しつぶされてしまいます。以上は、モルガンの本に書いてあることです[9]

それで、人間が正常位でセックスするのは、水中セックスをしていたからなのか、空中セックスをしていたからなのかということになるのですが、前者の方が可能性が大きいと考えられます。ヒトとチンパンジーの共通祖先は、樹上生活をしていたと思われますが、チンパンジーが正常位で交尾しないことを考慮に入れるならば、かつて樹上生活を送っていたことは交尾の方法に影響を与えていないはずです。

ボノボは、ヒトほど長くはないにしても、水辺で暮らした期間があったと考えられます。これは、本文で詳しく書いたので、ここでは繰り返しません。

これが正しければ人は性器を隠すことにより人為的に発情しないでいることが出来ることになります。しかし実際は人間は衣服を脱がす前から発情しており衣服を脱ぐのは発情の前段階ではなく発情の結果であることからこの仮説が弱まってしまうかも。[10]

これに対する答えは、本文最後の「前文明社会の中には、女が男の前で開脚し、性器を見せて男を誘惑するところもあるが、文明が進むにつれて、男は、露出した乳房や尻などの光学的刺激、さらにはセックスを連想させるたんなる言葉など、より媒介された、間接的な刺激で発情するようになる」という一文にあります。つまり、例えば、女性の乳房を見て(あるいは乳房を連想させる言葉を聴いて)性的に興奮する男は、二つの乳房→尻→性器という連想が働いて興奮しているわけであって、性的興奮の原点が性器であることには変わりがありません。

人間は発情期を失ったというよりも、1年365日発情期にあるというべきなのでしょう。常に発情期であるならばフェロモンの意義が失われるのも当然でしょうし。[11]

「発情期」という言葉は、普通は「交尾して妊娠可能な時期」という意味で使われます。こう定義するならば、人間は、決して「1年365日発情期にある」わけではありません。なぜならば、人間の女性が妊娠可能な時期は、28日の月経周期のうち、排卵が終わった後の4~5日程度しかないからです。その妊娠可能な時期を教えてくれたフェロモンが機能しなくなったことを「発情期を失う」と表現するのです。

多分この人が「1年365日発情期にある」という表現で言いたかったことは、「1年365日セックスしうる」ということでしょう。このような属性は「恒常的受容性 permanent receptivity」と呼ばれ、人間に特異な現象ではなく、他の霊長類にも見られます。

概念的な混乱を避けるためにも、

  1. 周期的な排卵
  2. フェロモンによる排卵時の告知
  3. 妊娠可能時のみの交尾

の三つは区別するべきです。類人猿は、3を失っており、人間は、さらに2を失っています。しかし1までは失っていません。人間は、自然排卵以外に交尾排卵をも行うことができますが、交尾排卵は非日常的な刺激によって可能になる(だからこそ、性器を日常的に隠蔽しなければならない)のであり、日常的に交尾排卵をするわけにはいきません。

性器を隠すのは恥ずかしいから、という説を聞いたことがあります

二足歩行によって、本来弱点である腹部性器等の四足歩行では隠されている部位をさらけ出してしまう

それが恥ずかしいという感情となって現れるらしいです[12]

人間以外の霊長類では、膣の位置が人間よりも後ろにあるので、四足歩行した時の方が、二足歩行した時よりも性器があらわになってしまいます。人間の祖先も、二足歩行する前は、そうだったのでしょうが、正常位の交尾をするようになってから、膣の位置が前方に大きく曲がるようになりました。ところで、この人の説だと、なぜ性器とともに「本来弱点である腹部」を隠さなくてもよいのかが説明できませんね。

僕も、性器を隠す理由は恥ずかしいからだと考えています。

というか、実際、人前で性器を露出するのは恥ずかしい。ま、中にはそうでない人も居るでしょうけど。

じゃあ、問題はなぜ性器を露出することが恥ずかしいのか?ということになりますが、そこら辺はいろいろ諸説がありそうです。

基本的には性器を露出させることが恥ずかしいと感じるのは、普段それは衣服によって隠された部分であるからだと僕は思います。なんかどうどうめぐりっぽいですけど、衣服を着ることにより性器は隠される存在となり、それが羞恥に繋がり積極的に隠される存在になったというところだと思います。[13]

では、普段靴下を履いていて、同僚に足の裏を見られたことがない人が、足の裏を同僚からまじまじと眺められると恥ずかしいと感じるでしょうか。普段髪の毛によって隠されている頭皮が見られたときはどうですか。普段隠しているから、そこを見られることが恥ずかしくなるというわけではありません。

そもそも恥という感情は、悪いと自覚しながら規範に背いた人が、その事実を他者に知られたと知った時に体験する感情です。隠されていて見えないということは、恥という感情が成立するための必要条件でしかなく、これに規範の侵犯が加わらなければ必要十分条件とはなりません。要するに、性器の隠蔽はたんなる事実ではなくて、規範なのです。そして、なぜ性器を隠し、セックスをタブーにしなければならないという規範が生まれたかを問う時、私が「人はなぜ性器を隠すのか」で立てた最初の問いに戻ります。

私も、一時期、性器の隠蔽と衣服の着用に関係があるかなと思った時があります。しかし、現在では、両者には関係がないと考えています。アフリカの熱帯地方に住む人々は、昔から、年中裸で暮らしています。しかし、そんな彼らでも、男はペニスケースを付け、女は腰紐を巻いて、性器だけを隠しています。

5. 読書案内

  • 山元大輔『男と女はなぜ惹きあうのか―「フェロモン」学入門』:人間でも性フェロモンが機能していることに関しては、この本を参照されたい。
  • 鈴木隆『匂いのエロティシズム』:この本のアプローチは、ユニークだ。ただし、匂いのエロティシズムと性フェロモンは関係がない。匂いのエロティシズムはフェティシズムの一種であり、人間の性の本質を成さない。
  • 佐々木敏裕『Sexをめぐる24の謎』:「ヒトはなぜ発情期を失ったのか」「ヒトの女性の乳房はなぜ大きいのか」「ヒトのペニスはなぜ巨大なのか」「なぜ性は二つしか存在しないのか」など、セックスにまつわるさまざまな謎を扱った一般向けの読み物。たんにさまざまな説を紹介するだけで、著者自身が結論を出さない点が不満だが、エピソードは面白いので、セックスに関する雑学を身につけたいという方にはお奨めだ。個人的には、最終章の「なぜ性は二つしか存在しないのか」は、かなり勉強になった。なお、「ヒトはなぜ発情期を失ったのか」には、アクア説は紹介されていない。
  • エレイン・モーガン『進化の傷あと―身体が語る人類の起源』:アクア説による、性フェロモンの無効化については、この本の203-204頁に書かれている。教科書などには、サバンナに住むヒトのメスは、子育てをするために、食糧をオスに依存せざるをえないので、夫婦の絆を強めるために一年中発情するようになったという専業主婦説が、定説として載っているが、この説に対する批判もなされている。
  • 竹内久美子『三人目の子にご用心!―男は睾丸、女は産み分け』:「興奮すると女は排卵する」という話は、この本で紹介されている。

6. 参照情報

  1. The Rebuke of Adam and Eve" by Domenico Zampieri. 1626.
  2. 刑法第2編 第22章 わいせつ、姦淫及び重婚の罪
  3. ギリシャでは、裸でいることが恥ずべきことではなかった。但し、はじめからそうだったというわけではない。プラトンによれば、この習慣は、クレタから始まり、スパルタに伝わり、全ギリシャに広まったとのことである。この他、ジャイナ教の裸行派は、完全な裸体で修行をする。
  4. 鈴木 隆. 『匂いのエロティシズム』. p.123.
  5. “In mammals, oestrous status is communicated by scent signalling – a pheromonal message emitted by the female. Being airborne, it may be carried quite a long way – as evidenced by the distance a dog will travel to locate a bitch on heat. But in a wading or swimming ape, the pheromones would be washed away almost as soon as they were secreted.” Elaine Morgan. “The Scars of Evolution: What Our Bodies Tell Us About Human Origins” . Oxford Univ Pr on Demand (1994/11/17). p.148-149.
  6. 竹内 久美子. 『三人目の子にご用心!―男は睾丸、女は産み分け』. p.175-191.
  7. 竹内 久美子. 三人目の子にご用心!―男は睾丸、女は産み分け. p.191
  8. Hugo Strikes Back!: なぜ人は性器を隠すのか」2004.08.26.
  9. Elaine Morgan. “The Scars of Evolution: What Our Bodies Tell Us About Human Origins” . Oxford Univ Pr on Demand (1994/11/17). p.153
  10. 投稿者: tak. 「Hugo Strikes Back!: なぜ人は性器を隠すのか」2004.08.26.
  11. Hugo Strikes Back!: なぜ人は性器を隠すのか」2004.08.26.
  12. 投稿者: シオスキー.「Hugo Strikes Back!: なぜ人は性器を隠すのか」2004.08.26.
  13. Hugo Strikes Back!: なぜ人は性器を隠すのか」2004.08.26.