政策提案および世の中を変えるための提言。
夫婦別姓問題の解決法
1996年に法務省が選択的夫婦別姓を含む民法改正法案を提出しようとして以降、選択的夫婦別姓を認めるかどうかをめぐって、女性の自己同一性の維持を主張する賛成派と家族の崩壊を危惧する反対派の間で論争が起きています。このページでは、日本の本来の氏姓制度を再検討することで、賛成派と反対派の双方にとって受け入れ可能で、かつ歴史的正当性がある夫婦同氏別姓制度を提案します。
未知のウイルス感染症にどう対応するべきか
2019年に中国武漢市で発生し、2020年に世界中に広がった新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症(COVID-19)は、日本国内でも流行した。この感染症の蔓延に対する日本政府の対応には、どのような問題があったのか。コロナ不況に対する日本政府の経済政策は妥当だったのか。本稿では、過去の問題を総括することで、今後に向けての教訓としつつ、感染症に強い社会を作るための提言を行いたい。
日本の農林水産業はどうあるべきか
日本では、農林水産業(広義の農業)は斜陽産業の象徴のように思われ、先進産業と見なされた工業から後進産業と見なされた農業への所得再配分が行われてきた。しかし、先進国に農作物輸出国が、途上国に農作物輸入国が多いことからもわかるとおり、農業は先端的な技術を持つ先進国のほうが有利なハイテク産業である。自然環境に恵まれ、技術立国を自負する日本は、本来農業を先進産業に育成することができたはずなのに、そうならなかったのはなぜなのか。日本の官僚は、規模が小さいから競争力がないと考え、大規模化と集約化を進めているが、日本の農業の根本問題は、規模の小ささよりも、むしろ規模の大きさにある。
中央卸売市場は必要か
日本には、中央卸売市場という地方公共団体等が農林水産大臣の認可を受けて開設する官製マーケットが存在するが、日本の政治家でその存在を疑問視する人はほとんどいない。代表的な中央卸売市場である築地市場の移転問題においても、豊洲新市場に移転するか、それとも改修することで築地において存続させるかがもっぱら争点になっていて、両方とも廃止せよという声は聞こえてこない。だが、情報革命による流通の合理化が進展する中、生鮮食料品の流通のために、このような官製マーケットが本当にこれからも必要なのかという根源的な問いこそが問われなければならない。
地方創生はどうあるべきか
日本の地方が過疎化しているのは、たんに新興国とのグローバルな企業誘致競争に敗れた結果であって、時代の必然ではない。私は、日本の地方が新興国型の経済成長を遂げることができるように、三つの政策を提案したい。一つは最低賃金法の廃止、もう一つは生活保護のバウチャーによる現物支給、三つ目は農協からの特権の剥奪である。
リサイクルはどうあるべきか
多くの人は、マテリアル・リサイクルこそが本物のリサイクルであり、サーマル・リサイクルは偽物のリサイクルだと思っている。しかし、もしもリサイクルを、バージン材料から作った製品と同じ品質の製品をもう一度作るという厳密な意味で理解するなら、私たちが本物のリサイクルと思っているものは偽物のリサイクルであり、私たちが偽物のリサイクルだと思っているものこそが本物のリサイクルであるということになる。それならば、マテリアル・リサイクルを補助金と規制で推進してきた従来のごみ行政のあり方を根本から見直さなければならない。
どうすれば論文捏造を見抜くことができるのか
査読付き学術雑誌は、検閲付き放送局と同様、集権型メディアの時代の遺物であり、論文捏造の問題は、集権型メディアの強化によってではなくて、むしろ逆に分権型メディアへの解体によって解決されるべき課題である。
査読はどうあるべきなのか
学術雑誌が紙媒体を用いて論文を出版していた頃、紙面による制限ゆえに、掲載する論文を専門家による査読で選別することに意味があった。しかし、インターネットの普及とともに、低コストの出版が可能となり、こうした査読システムは時代遅れとなった。これからの時代には、出版と評価を切り離し、出版は査読なしで即座に行い、評価は出版後に計測される被引用度などの指標に基づいて行う新たなシステムが求められる。このページでは「評価される人ほど評価する能力がある」というエリート主義の原則と「評価する人の数が増えるほど不正や偏りは少なくなる」という民主主義の原則という対立する二つの原則を取り入れた再帰的投票システムを提案する。
喫煙率を低下させるにはどうすればよいか
喫煙禁止年齢の上限を時間とともに引き上げることを提案したい。現在、日本では、未成年者喫煙禁止法により、「満二十年ニ至ラサル者ハ煙草ヲ喫スルコトヲ得ス」と規定されているが、これを誕生年月日が平成XX年1月1日以降の者に限定して、一生喫煙を禁じるという内容に変更するのである。
原発事故後の除染はどのように行うべきか
バイオレメディエーションによって、土壌中のセシウム137を完全に取り除くことはできない。しかし、土に固着しているので、流出等の心配はない。30年たてば1/2になり、60年たてば1/4になる。バイオ燃料製造ファームとして長期的に利用しながら、遠い将来に安全な場所に戻すことができる。
被災地に仮設住宅を建設する必要はあるのか
阪神淡路大震災の時に、政府は、高齢者、障害者、病人、負傷者などの災害弱者を優先的に仮設住宅に入居させた。これは、「人にやさしい政治」を施政方針として掲げた村山内閣らしい配慮であったが、弱者優遇のつもりのこの政策は、その意図とは逆に弱者虐待を帰結した。災害が起きた時に被災地に仮設住宅を建設するという従来のやり方は抜本的に見直す必要がある。
世代を超えた格差の固定化を防ぐ方法
豊かな家庭に生まれた子供は、恵まれた教育を受けて、多くの遺産を受け継ぐことができるので、貧しい家庭に生まれた子供よりも有利である。このため、親の世代にできた格差が、次の世代にまで引き継がれ、公平な競争が損なわれてしまう。この弊害を取り除くために、相続税の強化や公教育の充実が提案されることがあるが、こうした方法は、世代を超えた格差の固定化を防ぐ方法として望ましいだろうか。
夫婦別姓問題を考える
女性の社会進出に伴って、結婚後夫婦を同姓にする民法上の規定の弊害が指摘されるようになった。現在、国会では、選択的夫婦別姓制度を認めるように民法を改正するかどうかをめぐって、継続審議となっている。夫婦別姓を認めるか否かの問題を解決するにはどうすればよいのか、氏名の自己決定権という、より一般的な観点からこの問題を考えてみたい。
文明を持続可能にするための提案
1987年のブルントラント報告「私たちの共通の未来」以降、持続可能性(sustainability)は、人類が行う開発のエコロジカルな持続可能性を指す概念として頻繁に使われるようになった。その背景には、産業革命以降、人類の開発は加速度的に進んだために、その持続可能性が疑問視されるようになったことがある。では、人類文明を持続可能にするには、どうすればよいのか。このページでは、そのための方策として、(1)人口増加の抑制、(2)植生の維持と回復、(3)再生可能エネルギーの利用の三つを提案したい。
社会福祉は必要か
社会福祉は不要である。安心して暮らすことができる社会を作る上で必要なのは保険であり、保険は営利企業に委ねることができる。社会福祉の機能を民間の保険会社に代行させ、社会保障の分野に市場原理を導入することは、大きな政府の弊害を是正する上で重要である。私たちは、政府が強者から税を徴収して弱者にばらまく福祉中心型社会から、幸運な者と不幸な者がリスクヘッジのコストを分担し合う保険中心型社会へと移行するべきである。
電子マネー導入による経済の安定化
通貨を電子化しても、それだけでは、電子情報が硬貨や紙幣を代替するだけで、通貨制度のあり方を根本的に変えることはない。しかし、インターネットと電子マネーの特性を生かせば、金融政策の最も重要な仕事、すなわちマネーサプライの適切なコントロールを自動的に行ってくれる通貨制度を作ることができる。以下、私が数量調節型貨幣と名付ける新しい電子マネーのあり方を提案したい。
サマータイムの代替案
サマータイム制度では、年に二回も時刻変更をしなければならないので、デメリットがあまりにも大きすぎる。そこで、日本の標準時間を、隣接するロシア領の樺太・千島と同じ時間に合わせて2時間前に進める、固定型デイライト・セイビング・タイムを提案したい。
定額式超流通の提案
デジタルコンテンツの著作料金を回収するためには、複製と頒布にコストがかからないという特性を十分に生かすために、アナログコンテンツの著作権を守るときのように従量的に課金せずに、ハードの購入費や通信網の使用料金に一定比率で著作物利用料金を課すべきである。そうすれば、市場規模の増大により、情報消費者とソフトのクリエイターとハードウェア業者は、三者とも少ない犠牲で大きな利益を得ることができる。
環境保護のためのアクションプラン
環境を保護する一番良い方法は、近代文明を根本的に放棄することであるが、人は環境のためだけに生きているわけではないので、非現実的な方法である。この論文では、私たちの生活の豊かさや便利さを犠牲にすることなく環境を保護するためにはどうすれば良いか、いくつかのアイデアを提示したい。